経営者必見!お得に出張するためにやるべきこととは?

経営者必見!お得に出張するためにやるべきこととは?

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企業活動において、出張は欠かせない業務の一つです。営業や商談、イベントへの参加、あるいは工場や支店の視察など、その用途は多岐にわたります。とくに日本国内では、移動手段として飛行機や新幹線といった高速交通機関が発達していることもあり、比較的短時間で遠方を行き来できる利便性があります。

しかし、その反面、移動費・宿泊費・食事代などの出張関連費用は企業のコストに大きく影響することも事実です。出張が多ければ多いほど、経費精算や管理の手間が増えるほか、従業員の金銭的・時間的な負担も大きくなりがちです。近年はオンライン会議を活用することで出張自体を減らす動きも見られますが、対面でこそ得られる情報や信頼関係も無視できません。

こうした中で、出張費を合理的にコントロールすることは、企業の収益改善や従業員のワークライフバランス維持のためにも非常に重要なテーマといえるでしょう。必要な出張は行いつつも、無駄を省いて経費を圧縮する -そのためにどのような工夫ができるのか、以下で10の具体的な方法を順番に見ていきます。

出張費を節約するための工夫10選

出張先での握手

出張費を節約するための工夫10選をご紹介します。

1. 航空券・新幹線チケットの早期購入・比較サイトの活用

出張における交通手段の選択は、時間効率やコスト削減に直結する重要なポイントです。ここでは、航空券や鉄道チケットの購入方法、比較サイトの活用術、LCCの使い方など、出張の交通費を賢く抑えるための具体的な方法を解説します。

1.1 早期購入のメリット

出張コストを大きく左右するのが航空券代です。日本国内の移動でも、地方から首都圏への移動などは飛行機が最も時間効率がいい場合があります。航空券をお得に購入するためには、基本的に早期予約が鉄則です。航空各社は数ヶ月前から早割チケットを販売しており、需要が集中する直前期に比べると、割引率が大きくなることがあります。

1.2 比較サイトをフル活用

航空券比較サイトや旅行代理店のオンライン予約を活用すれば、複数社の運賃や時刻表を一括で検索・比較できます。出張の目的やスケジュールによっては、少し時間がかかったとしても、乗り継ぎ便を利用した方が大幅に安くなる場合があります。そのため、検索の際には直行便だけでなく、経由便やLCC(格安航空会社)も含めて幅広く検討することがポイントです。

1.3 新幹線のオンライン予約サービス

国内の鉄道利用がメインとなる場合は、「EX早特」などのオンライン予約を活用しましょう。エクスプレス予約やスマートEXなどは、チケットレスで新幹線に乗車でき、比較的お得な料金が設定されています。出張前にあらかじめ登録しておけば、チケットの受け取りにかかる時間や手間を削減することも可能です。

また、地域によってはJRの周遊券やバス乗り放題チケットなどが販売されており、出張先の近隣を複数回訪れる予定があるときに有効です。地方のビジネス拠点を複数箇所回る場合、組み合わせ次第では、大幅に交通費を削減できるでしょう。

1.4 LCC(格安航空会社)の賢い活用

LCCは低価格が魅力ですが、ビジネス出張で使うならスケジュール管理がカギです。LCCは運航便数が少ない路線も多く、便が欠航したり遅延したりすると調整が難しくなります。また、日中の移動になってしまうとビジネスアワーを削ることにもなりかねません。
航空券自体はフルサービスキャリアより安価なため、出張先に複数泊する場合や、時間にある程度の余裕がある場合には効果的です。キャンセルや変更が発生してもリスケジュールが容易なように、前後にバッファを持った旅程を組むとよいでしょう。

また、LCCでは手荷物の制限や座席選びに注意が必要です。ビジネス用途の場合、荷物が多くなりがちなため、手荷物料金を加算するとトータルでそれほど安くなくなるケースも考えられます。LCCを選ぶ際は、総合的な費用(航空券代+オプション)を比較したうえで検討すると良いでしょう。

2. 宿泊費はビジネスホテルや提携料金をうまく利用

宿泊費を抑えつつ快適に滞在できる工夫をご紹介します。

2.1 ビジネスホテルのメリット

宿泊費の削減策としてまず挙げられるのが、ビジネスホテルの利用です。ビジネスホテルは宿泊料金がリーズナブルである一方、大浴場や朝食無料サービスなど、機能的なサービスを備えているところも増えています。最近では、Wi-Fi完備やベッドの質の向上など、出張者にとってうれしい設備が充実している施設も多く見受けられます。

2.2 提携ホテルや法人料金の利用

会社として特定のホテルチェーンや旅行代理店と提携している場合は、法人料金や団体割引が適用されるケースがあります。これらを利用すると、通常料金より数千円単位で安くなることがあるので、事前に確認してみると良いでしょう。また、予約サイトの会員割引や長期滞在プラン、期間限定セールなどもうまく活用すると、さらにコストカットが可能です。

2.3 場所やグレードを妥協する

出張先の場所によっては、駅から少し離れたエリアにあるホテルの方が大きく宿泊費を下げられる場合があります。朝晩の移動手段や時間との兼ね合いもあるため一概にはいえませんが、多少の不便と引き換えに、大幅なコスト削減を実現できることもあるので検討する価値は十分にあります。

2.4 オフシーズンや平日の利用

ホテル料金は需要と供給のバランスで変動します。観光客が増えるハイシーズンや週末は料金が高騰しやすいため、可能であればオフシーズンや平日に出張を設定することで、宿泊費を抑えることができます。
出張予定を早めに組んでおき、時期をずらせるのであれば、観光シーズンやイベント時期を避けることが有効です。特に、地方で大きな学会や祭りなどがあるタイミングは、ビジネスホテルでも割高になる傾向があるため注意が必要です。

2-5. シェアリングエコノミー(民泊)の活用

Airbnbなどの民泊プラットフォームを利用すれば、ホテルよりも安い価格で宿泊先を確保できる場合があります。ただし、ビジネス出張で利用する際には、セキュリティ面やネットワーク環境、部屋の設備などをしっかり確認しましょう。
立地条件によっては移動コストが増えることも考えられますので、トータルコストと利便性を比較検討することが大切です。また、国内では住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行により、営業許可がない施設もあるため、信頼できるホストかどうかの見極めが重要です。

3. 公共交通機関やシャトルバスを積極的に使う

交通費を賢く抑えるために、タクシー以外の移動手段などを本章で詳しく解説します。

3.1 タクシー利用の見直し

空港や駅からの移動手段としてタクシーは非常に便利ですが、その分費用もかさみます。特に地方都市では公共の交通網が不十分で、タクシーを使う機会が増えがちです。しかし、路線バスや電車の時刻表をあらかじめ確認すれば、思ったよりもスムーズに移動できることがあります。事前の下調べが出張費の節約に大きく寄与します。

3.2 空港シャトルバスの活用

空港から市内中心部や主要ホテルへの移動では、空港シャトルバスが運行されていることがあります。これらはタクシーに比べて料金が安く設定されており、かつ大きな荷物もスムーズに運べるようになっています。早めに時刻表を確認しておけば、無駄な待ち時間を減らすことも可能でしょう。

3.3 現地の交通パスやICカード

鉄道やバスをよく使うエリアに出張する場合、複数回の乗り換えや乗車が前提であれば、定額パスや回数券の購入を検討することも有効です。交通系ICカードの利用でポイントが貯まる場合もあるため、細かい部分を意識するだけでトータルコストに差が出てくるはずです。

4. スマホアプリ・会員特典で交通費をカット

公式アプリやお得なセットプランを活用することで、交通費や宿泊費をさらに効果的に節約する方法を本章でご紹介します。

4.1 航空会社や予約サイトの公式アプリ

近年、航空会社やホテル予約サイトは、それぞれ公式アプリを通じて独自のクーポンや割引を提供しています。たとえば初回ダウンロード特典で数千円引きになる、あるいは期間限定でポイント倍率が高くなるなど、多岐にわたるメリットを得ることが可能です。公式アプリだけのシークレットセールを実施している企業もあるため、利用を検討してみる価値があります。

4.2 LCCのセールやキャンペーン

LCCはもともと正規の航空会社より運賃が安いという特徴がありますが、さらに期間限定でセールや割引キャンペーンを行うことがあります。日程によっては、驚くほど低価格で航空券を手に入れられることもあります。前述しましたが、LCCは荷物制限や座席指定の有無など、追加オプションに注意が必要です。最終的な合計金額を比較検討しながら、最もお得なプランを選びましょう。

4.3 交通費+宿泊費のセットプラン

旅行代理店や航空会社のサイトでは、交通手段と宿泊施設をセットで予約すると割安になることが少なくありません。新幹線パックや航空券+ホテルプランといった商品は、それぞれをバラバラに手配するよりも数千円~数万円お得になる場合もあります。特に出張期間が複数日にわたる時や、訪問先が少し遠方の場合は積極的に検討してみると良いでしょう。

5. マイル・ポイント・クレジットカードの徹底活用

マイレージや会員プログラムを最大限活用し、出張費を抑えながら特典を享受する具体的なテクニックを本章で解説します。

5-1. 航空会社のマイレージプログラム

国内外を問わず、飛行機に乗る機会が多い企業やビジネスパーソンにとって、マイレージプログラムは非常に有効な手段です。頻繁に飛行機を利用する方は、特定の航空会社の上級会員を目指すことで、無料アップグレードや追加手荷物無料など、多くの特典を受けられるようになります。
マイルが貯まれば、特典航空券を利用して、次回以降の出張費を抑えることができます。企業としては「従業員個人のマイルは誰が所有するのか」という点を明確化しなければトラブルのもとになりますが、うまく活用すればコスト削減につながることは間違いありません。

5-2. ホテルの会員プログラム

大手ホテルチェーンの会員プログラムに加入すると、宿泊に応じてポイントが付与され、一定のポイントで無料宿泊やアップグレードが受けられる場合があります。航空会社と同様、ホテルチェーンも上級会員制度を設けており、部屋の無料アップグレードやラウンジアクセスなど、ビジネスパーソンにとって魅力的な特典を得られます。
また、提携クレジットカードを使えば、ホテル会員ポイントとクレジットカードのポイントが二重取りでき、さらにマイルにも交換できるなど、メリットは多岐にわたります。定期的に同じホテルチェーンを利用する機会が多いのであれば、会員プログラムの活用は必須です。

5-3. 法人クレジットカードの選び方と活用術

企業で出張精算をする際には、法人クレジットカードの導入が有効です。法人クレジットカードを使えば経費精算がスムーズになるだけでなく、利用金額に応じてポイントやマイルが貯まるなど、さまざまな特典を受けることができます。
カードによっては旅行保険が付帯していたり、空港ラウンジが利用できたり、経理・税務処理に役立つ明細データの提供サービスを行っていたりします。自社の出張スタイルや利用頻度、従業員の人数に応じたカードを選定し、社内でルールを整備したうえで利用を徹底しましょう。

5-4. ポイントの二重取り・三重取りテクニック

出張時の支払いを上手に組み合わせることで、ポイントやマイルを“二重取り・三重取り”できるケースがあります。たとえば、以下のようなパターンです。

■航空券:航空会社のサイトから予約してマイルを獲得+支払いを法人クレジットカードで行ってカードポイント獲得

■ホテル:ホテルチェーンの公式サイトから予約し、会員プログラムのポイントを付与+クレジットカード決済によるポイント付与

上級会員やゴールドカードの特典を組み合わせることで、さらにポイントやマイルが上積みされる可能性もあります。こうした細かい積み重ねが、長期的には大きな差を生むことになるでしょう。

6. “まとめて出張”で交通費を一度に節約

出張の効率化とコスト削減を同時に実現するためのスケジュール調整や共同出張の工夫について、本章で詳しく解説します。

6.1 複数の用件を集約

「同じ地方にある取引先を回る」「支店視察と商談を同時に行う」など、一度の移動で複数の業務をこなせば、往復交通費の削減だけでなく、時間的コストも削減できます。特に忙しい時期にはスケジュール調整が大変ですが、一度まとめて訪問することで余裕を持った日程管理ができることもメリットです。

6.2 異なる部署との共同出張

社内で複数の部署が同じエリアに出張する予定がある場合は、日程を合わせて一度に出張するのも一案です。現地で必要となる会議室や車両手配、タクシーの相乗りなどもまとめて行うことができ、全体の経費を抑えられます。部門を跨いだ調整はひと手間かかりますが、成功すればコストカットと業務効率向上の一石二鳥です。

7. 現地での食事・コーヒー代を見直す

出張中の食事や作業スペースの選び方を工夫し、コスト削減と効率向上を両立する方法について、本章で解説します。

7.1 カフェでのミーティング

出張中にカフェなどで打ち合わせをすることも少なくありませんが、コーヒー代や軽食代が積み重なると意外と大きな出費になることがあります。なるべく社内会議室や共有スペース、あるいは宿泊先のラウンジなどを活用し、出費を最小限に抑える工夫をすると良いでしょう。

7.2 無料朝食プラン・社員食堂

宿泊先を選ぶ際に無料の朝食プランが付いているホテルを選ぶと、朝食代を節約できるだけでなく、朝食を取る場所を探す手間も省けます。さらに、もし拠点や取引先に社員食堂がある場合は、昼食を利用させてもらうのも一つの手です。社外の方と一緒に利用することが難しい場合もありますが、社内の出張者同士であれば十分に検討価値があるでしょう。

7.3 外食費の管理

出張費として計上できる食事代には上限や規程があるケースも多いでしょう。自己負担になってしまう部分も含め、あらかじめ1回あたりに使える金額の目安を定めておくと、不必要に高額な飲食店を選ばずに済みます。地元の大衆食堂やチェーン店を選ぶなど、工夫次第で大きなコストカットに繋がります。

7-4. コワーキングスペース活用による効率化

コワーキングスペースは、最近では主要都市だけでなく地方都市にも増えています。出張先で快適に仕事ができる環境を確保しつつ、不要なオフィス賃貸費やカフェ利用費などを削減できるメリットがあります。
大手企業であっても、複数の拠点を構えるよりはコワーキングスペースを利用したほうがコストが低く、柔軟に対応できる場合があります。出張先での作業効率を高めたい場合は、一度検討してみる価値があるでしょう。

8. 交通費精算・請求プロセスを効率化

経費管理のデジタル化や効率化を通じて、出張費削減と業務のスムーズな運営を実現する方法を本章で解説します。

8.1 システム導入のメリット

出張費を削減する上で見落としがちなのが、経費精算のプロセスです。アナログな管理だと、従業員が立て替えた後の処理や書類の不備などにより、時間とコストが浪費されがちです。経費精算システムを導入することで、交通費や宿泊費をデジタルで一元管理でき、申請から承認、支払いまでのフローが大幅にスピードアップします。

8.2 レシートや領収書の整理

たとえシステムを導入していなくても、レシートや領収書をスマートフォンで撮影しクラウド管理するなど、簡易的なデジタル化を行うだけで格段に業務がスムーズになります。従業員自身もどの費用をどこで使ったか振り返りやすくなるため、無駄な出張費が抑えられる効果も期待できます。

8.3 立て替えを極力減らす

社内に法人カードを普及させることで、従業員の立て替えを最小限に留める方法もあります。法人カードで直接支払えば、立て替え処理や現金精算の手間が大きく減少し、結果的に経費に関するミスや漏れも減らすことができます。経費管理の透明性が高まるので、出張費節約の意識も自然と高まっていくでしょう。

9. 法人カード・ポイントプログラムを活用

法人カードやポイントプログラムを活用し、出張費を賢く削減する方法を本章で解説します。

9.1 法人カードのポイント・マイル

法人カードや個人用のクレジットカードを利用して支払えば、ポイントやマイルが貯まります。会社の出張規程が許す範囲であれば、航空券や宿泊費の支払いをカードに集約することで、カードのステータスアップや特典の獲得が期待できます。ポイントやマイルはまた次回の出張の航空券や宿泊費に充当できるため、長期的に見ても大きなコストダウンにつながります。

9.2 ポイントを有効活用するコツ

各ポイントプログラムの有効期限や交換レートを把握しておくことも大切です。せっかく貯まったポイントやマイルが期限切れで失効してしまわないよう、定期的に利用状況をチェックしましょう。さらに、ホテルチェーンの会員プログラムを併用すると、宿泊料金の割引や朝食無料など、現金には換算できないメリットが得られる場合があります。

10. Wi-Fi・通信費の見直し

出張先での通信環境を最適化しつつ、コスト削減とセキュリティを両立する方法を本章で解説します。

10.1 ポケットWi-Fiや海外SIM

出張先でオンライン会議を頻繁に行う場合や、海外への出張がある場合は、通信費の最適化も重要です。日本国内でもエリアによっては通信速度が安定しないことがあるので、モバイルルーター(ポケットWi-Fi)を準備しておくと安心です。海外の場合も、SIMフリー端末を利用し現地SIMを購入することで、割高なローミング費用を抑えることができます。

10.2 無料Wi-Fiスポットの注意点

ホテルや空港、カフェなどには無料Wi-Fiスポットが用意されていることが多いですが、セキュリティ面には十分注意が必要です。機密情報を扱う業務の場合はVPN(仮想プライベートネットワーク)を利用し、安全性を確保する工夫を怠らないようにしましょう。セキュリティリスクを踏まえた上でうまく活用すれば、通信費の削減が可能になります。

おわりに:出張費節約のためにすべきこと

ホテルでの出張

ここまで見てきたように、出張費の節約にはさまざまな視点からの工夫が必要です。航空券や宿泊費など大きなコストに直接関わる部分だけでなく、交通費精算のデジタル化や滞在中の食事・通信費の最適化など、細かい部分を見直すだけでも大きな違いが生まれます。また、企業文化として出張費をしっかり管理しつつ、必要な出張を適切に行う方針を全社で共有することも重要でしょう。

さらに、オンライン会議が普及している今だからこそ、対面とオンラインのメリットを柔軟に組み合わせ、不要な移動を削減する意識を持つことが大切です。もちろん、どんなに費用を抑えようとしても、実際の出張が必要なシーンは必ず存在します。出張にしか得られない情報や交流の価値を最大化しながら、経費全体の効率化を図るバランス感覚が求められているのです。

最終的には、一度でも導入した施策を継続的に検証し、改善点を見つけてアップデートしていくことが鍵となります。出張費の削減ができれば、企業や個人にとっては利益率の改善だけでなく、従業員の負担軽減、さらには環境負荷の低減にもつながっていくでしょう。ぜひ本記事で紹介した10の工夫をきっかけに、自社やご自身の出張スタイルを見直してみてください。小さな積み重ねが、大きなコストカットにつながる可能性は十分にあります。

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