2026年、世界はどこへ?トランプの本音で読む国際情勢

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2026年の国際情勢を考えるうえで、アメリカ・トランプ政権の動きは避けて通れません。
インフレ、米中関係、ウクライナや中東情勢、さらにはFRB議長交代やG7・G20といった大型会議──。

これらは表向きには「国家と国家の政策決定」に見えますが、その裏側で進むかもしれないのが、トランプ一族への権限集中と、退任後を見据えた“利権づくり”です。

もしトランプの本音が、在任中にできる限りの権限を自分に集めること、退任後も「トランプ一族の許可がなければ動きにくい案件」を世界各地に増やすことだとしたら、2026年の動きはどう見えるのか。

本記事では、読者の皆さまと同じ「ビジネスの視点」から、月別のシナリオと日本への波及を整理します。

1. トランプを読むうえで重要な「3つの本音」

専門家の発言やこれまでの行動パターンを前提に、トランプの「本音」をあえて単純化すると、次の3つに整理できます。

(1) 権限をできる限り自分に集中させる

トランプ大統領は、行政・司法・外交・安全保障の決定権を、省庁や独立機関ではなく「ホワイトハウスとその周辺」に集め、FRB、司法省、情報機関など、本来は独立した組織にも忠誠心の高い人材を配置し、「最終的にはトランプの意向を無視できない」構造を作りつつあります。

■第2次トランプ政権:権力集中と「独立機関無力化」の実行タイムライン

時期 分野 具体的なアクション(ファクト) 「ホワイトハウスへの権力集中」と
「独立機関無力化」の仕組み
2025年
1月20日

(就任初日)
行政 大統領令「スケジュールF」の復活・拡大 【官僚の身分保障撤廃】
数万人規模の政策立案に関わる公務員を、大統領が自由に解雇・任命できる区分へ変更。専門性よりも「忠誠心」を基準に入れ替えを行い、省庁の抵抗力を奪う。
2025年
1月20日

(就任初日)
行政 「政府効率化省(DOGE)」の設置
(マスク氏・ラマスワミ氏指名)
【既存省庁の頭越し決定】
議会承認が不要な「諮問機関」として設置しつつ、実質的な解体・削減権限を付与。官僚機構の手続きを無視し、ホワイトハウス主導で組織改編を断行するバイパスを作る。
就任直後 司法 司法省(DOJ)によるトランプ氏起訴の取り下げと特別検察官事務所の解体 【法の支配より大統領の意志】
「司法省は独立している」という慣例を破棄。「一元的な執行権」に基づき、大統領が直接、自身への捜査停止や敵対者への捜査を指示できる前例を確立。
就任直後 安保 国防総省に「ウォリアー・ボード(軍人審査委員会)」を設置 【軍の私兵化・政治化】
軍の政治的中立性を排除し、「ウォーク(Woke)」とみなした将軍を強制的に退役・粛正。大統領命令(国内治安維持など)に躊躇なく従う将校のみを主要ポストに残す。
就任直後 情報 国家情報長官(DNI)にトゥルシー・ギャバード氏を起用 【インテリジェンスの統制】
従来の情報機関(CIA/FBI等)に批判的な人物を統括役に置くことで、情報機関が政権に不利な分析を出すことを防ぎ、ホワイトハウスの意向に沿った情報のみが上がる構造を作る。
継続中 経済 FRB(連邦準備制度)への利下げ圧力と人事介入の示唆 【金融政策の掌握】
「大統領には金利決定について発言する権利がある」と主張し、パウエル議長や理事を牽制。中央銀行の独立性を形骸化させ、選挙や政権運営に有利な金融政策を強要する。

(2) 一族の利権プラットフォームとして国家を使う

「国家政策と深く結びつくビジネス」に一族のネットワークを食い込ませ、各国の権力者に対して、「トランプ一族と組むこと=ワシントンとの関係を有利に運ぶ近道だ」と思わせるような構造を目指している可能性があります。

こうした“一族ネットワーク”を権力維持の手段として使う例は、他国にも見られます。
たとえばインドネシアの元大統領スハルトは、自動車、インフラ、放送、石油化学など、国家の認可が必要な主要産業のトップに自分の子どもたちを就けました。

また、トルコの現大統領エルドアンは、自身の娘婿であるベラト・アルバイラク氏を、エネルギー・天然資源大臣や財務大臣といった要職に登用しています。

このように、血縁関係にある人物を重要ポストや利権の中枢に配置するやり方は、
一般的に「クローニー・キャピタリズム(縁故資本主義)」や「ネポティズム(縁故主義)」と呼ばれています。

2026年1月現在(第2次トランプ政権下)、トランプ大統領は「血縁と姻戚(いんせき)」を極めて戦略的に配置しています。

特徴的なのは、娘や息子たちをホワイトハウスの正式な高官にするのではなく、「娘婿の父親(舅)」たちに外交の公式ポストを与え、実力者の娘婿(ジャレッド・クシュナー)にはフリーハンドの「影の外交官」として最重要案件を任せている点です。

以下、ファミリーの役割と最近の交渉案件を整理します。

①【公式ポスト】姻戚(娘婿の父親たち)への権限委譲

第2次政権では、トランプ家の直接の子供たちよりも、その配偶者の親(姻戚)が外交の表舞台に立っています。

  • チャールズ・クシュナー(ジャレッドの父)

    • 役職: 駐フランス米国大使(2025年5月就任)

    • 役割: 欧州外交の要であるフランスに、最も信頼できる身内を配置。マクロン政権や欧州連合(EU)とのパイプ役であり、トランプの意向を直通で伝える「欧州の監視役」です。

  • マサド・ブロス(ティファニーの義父)

    • 役職: 大統領上級顧問(アラブ・中東担当) 兼 国務省アフリカ担当上級顧問

    • 役割: レバノン系実業家としての出自を活かし、中東諸国やアラブ系コミュニティとの窓口を担当。特にレバノン情勢や、アラブ諸国との経済・エネルギー協力の交渉を主導しています。

② 【非公式・核心】ジャレッド・クシュナーの「影の外交」

イヴァンカの夫ジャレッドは、今回はホワイトハウスの公式な肩書を持っていませんが、「大統領の特使」として最も困難で巨大な利権が絡む交渉を任されています。

  • 最近の担当交渉(2025年後半〜現在):

    • ガザ地区の戦後処理と再開発: 2025年10月に成立したイスラエルとハマスの「停戦・人質解放合意」の裏書きを行いました。現在、ガザ地区を「地中海沿岸の観光・経済特区」として再開発する構想(クシュナー・プラン)を、中東のソブリンファンドや自身の投資会社(アフィニティ・パートナーズ)を絡めて推進しています。

    • ウクライナ・ロシア和平交渉: プーチン大統領、ゼレンスキー大統領の双方と非公式に接触。ロシア側との「手打ち」の条件や、戦後ウクライナの復興ビジネス(ブラックロックなどの金融資本も巻き込んだ枠組み)の設計図を描いています。

③【政治・メディア】子供たちの役割分担

実子たちは、政権内部の日常業務ではなく、党運営、メディア、ビジネスの側面支援に回っています。

  • ドナルド・トランプ・ジュニア:

    • 役割: 政権人事のゲートキーパー(目付け役)。「誰がMAGA(トランプ派)に忠実か」を審査し、閣僚や高官人事に強い拒否権を持っています。また、自身のポッドキャスト等で支持層を固める広報部長的な役割も担います。

  • エリック・トランプ:

    • 役割: トランプ・オーガニゼーション(一族企業)の経営統括。大統領在任中の利益相反批判をかわしつつ、世界各地での不動産・ホテル事業を管理しています。

  • ララ・トランプ(エリックの妻):

    • 役割: 元共和党全国委員会(RNC)共同議長。2025年からはFoxニュースで自身の番組を持ち、メディア側から政権を援護射撃する「プロパガンダの顔」として活動しています。フロリダ州の上院議員候補とも噂されましたが、現在はメディア活動を優先しています。

(3) 退任後も続く「トランプ一族の許可が必要な世界」

任期が終わった後も、中東のエネルギー、アフリカ・中南米の資源、アジア・太平洋のインフラなどの領域で、「トランプ一族の承諾や関与があると話が早い」という案件を増やしていきたい。
つまり、政権時代に得た政治的な権力を、将来の“ゲートキーパー利権”へと転換しておくという発想だ。

まだ第2次トランプ政権の1年目であり、いまは“種を蒔いた段階”に過ぎない。そのため、現時点ではトランプ一族の資産が劇的に増えているわけではない。
しかし、残りの任期、さらにその次までを見据えると、いまのうちから権益を積み上げておければ、資産がより大きく膨らんでいく可能性が高いと考えられる。

この3点を頭に入れておくと、2026年に起こる一連の出来事は、単なる「ばらばらのニュース」ではなく、一本のストーリーとして立ち上がってくる。

■トランプ一族の資産推移

トランプ一族の資産は約55億ドル+ファンド分で10億ドル(合計:約65億ドル)日本円に換算すると(1ドル=156.35円で概算)約1兆160億円。

つまり、株価、不動産、暗号資産の価格が下落すると、それに連動して一族の資産価値も減少する
そのため、金利が上がることで株価・不動産価格・暗号資産が下がる状況を、極端に嫌がるのもこうした資産構造を前提にすると合理的に説明できる――と推測できる。

年月 推定総資産額 DJT株価
(参考終値)
主な要因・イベント
2024年1月 約31億ドル $37.95 【選挙戦本格化】
DWACとして取引。民事訴訟リスクが重し。
2024年3月 約60億ドル $61.96 【DJT上場・資産倍増】
SPAC合併で上場。株価急騰により資産評価額が跳ね上がる。
2024年5月 約75億ドル $49.09 【有罪評決の影響】
支持層の買い支えにより株価は高値を維持。
2024年7月 約59億ドル $28.74 【暗殺未遂事件・RNC】
事件直後に急騰するも、その後調整局面へ。
2024年9月 約39億ドル $16.07 【ロックアップ解除】
株式売却解禁が意識され、株価・資産共に大きく下落。
2024年10月 約55億ドル $35.34 【選挙勝利への期待】
「トランプ・トレード」過熱で株価再急騰。
2024年11月 約58億ドル $31.60 【大統領選 勝利】
当選確実によるご祝儀相場で資産は安定。
2024年12月 約56億ドル $34.10 【政権移行期間】
30ドル台を維持して越年。
▼ 第2次トランプ政権 発足(2025年) ▼
2025年1月 約69億ドル $31.86 【就任式】
新政権発足への期待感で資産額は高水準。
2025年5月 約60億ドル $21.33 【クリプト戦略始動】
株価下落を暗号資産事業(World Liberty Financial等)への関与でカバーし始める。
2025年9月 約73億ドル $16.42 【資産構成の転換】
DJT株価は低迷したが、暗号資産評価益が急増し2025年のピークを記録。
2025年12月 約55億ドル $13.24 【年末調整】
DJT株価が13ドル台へ下落。暗号資産市場の変動もあり総資産は落ち着く。

※トランプ一族の資産変動のポイント

「DJT株」から「暗号資産」へのシフト

2024年までは資産の増減がほぼ「DJT株価」に連動していましたが、2025年5月のビットコイン戦略発表や、9月のForbes評価に見られるように、暗号資産(クリプト)関連の含み益が不動産以外の新たな柱として資産額を支える構造に変化しました。

トランプ・メディア(DJT)の乱高下

株価は年初の約34ドルから年末には約13ドルへと大きく下落しました(約60%減)。これにより、保有株式の評価額だけで見ると数十億ドル規模のマイナス要因となりましたが、上記の暗号資産事業がその減少分の一部を相殺しました。

不動産部門の安定

ニューヨークやフロリダの不動産資産は、金利変動の中でも比較的安定しており、約25億〜30億ドルの岩盤資産」として総資産の下支えを続けています。

ジャレッド・クシュナー & イヴァンカ・トランプ夫妻

彼らの資産(推定10億ドル超)は投資ファンド「Affinity Partners」などを通じて独立して管理されており、上記のトランプ氏本人の推定額には通常含まれないが、一族全体で見た場合においては相対的に重要性は高い。

2. 2026年 国際政治カレンダーのざっくり整理

イメージしやすいように、2026年の主な政治イベントを簡単に並べておきます(※時期はおおまかな想定です)。

今後の主要政治・外交日程

時期 イベント・予定 備考・注目点
3月 各州予備選挙が佳境に 米国内政の重要な局面
4月 トランプ訪中
(米中首脳会談)
米中関係の方向性を左右する直接対話
5月 FRB議長交代のタイミング 金融政策への影響が注目される人事
6月 G7サミット 先進国首脳による国際会議
11月 米国中間選挙
APEC首脳会議(中国開催)
政権への信任を問う選挙と、アジア太平洋の重要会議が重なる山場
12月 G20サミット(米国開催) 米国が議長国となる主要国首脳会議

このカレンダーに、先ほどの「3つの本音」を重ねると、どんな行動があり得るのか。
次に、月別のシナリオを見ていきます。

3. 月別シナリオで読むトランプの行動と本音

3-1. 1〜2月:人事と規制のレールづくり(布石期)

・4月の訪中、5月のFRB議長交代、6月のG7、11月の中間選挙までを見据える

 ー重要ポストへの人事介入

 ー規制・制裁の“スイッチ”を握る部署の掌握を進めるタイミングです。

標的になるのは、

 ー財務省(制裁・ドル決済)

 ー商務省・USTR(通商)

 ーエネルギー省

 ーNSC(安全保障)


など、「あとで利権ビジネスの入口にもなり得る部署」。

ビジネス視点では:
この時期に決まる人事が、数年後の「どの企業・どの国が優遇されるか」を事実上左右する可能性があります。

3-2. 3月:予備選とインフレ、「献金とロビー」のハブ化

  • 各州で予備選が本格化する中、トランプ路線に批判的な共和党議員への圧力が強まる。
  • インフレと物価高をめぐり、「FRBが悪い」「前政権(民主党)が悪い」「グローバルエリートが悪い」という物語を繰り返すことで、政策の失敗を外部の“悪役”のせいにしつつ支持をつなぎとめます。
  • 選挙資金の観点では、トランプ陣営に献金する企業・業界(石油・ガス・鉱山・不動産・軍需など)は、「将来、第三国での資源・インフラ利権にアクセスしやすくなる」という期待を持ちやすい

ビジネス視点では:
対米投資や米企業との提携を検討する際、
「その企業がどの程度トランプ陣営と近いか」が、中長期の政治リスクとして無視できなくなります。

3-3. 4月:トランプ訪中──表の安定、裏のディール

  • 公のメッセージでは、

 ーインフレ対策としてのサプライチェーン安定

 ー農産物輸出拡大による米農家支援

 ー台湾海峡の緊張管理などが前面に出ます。

  • 一方で、トランプの本音を前提としたシナリオでは、

 ー中国および第三国での以下の分野でのトランプ一族や関係ファンドが入りやすくなり、

  「政治レール」を敷こうとする動きも想定できます。

      • 港湾・物流・都市開発
      • レアアースや電池素材などの重要資源
      • 大規模インフラ・観光開発

ビジネス視点では:
米中が表で対立しつつ、裏で「部分的なディール」を積み上げると、日本企業は「安全保障上の規制だけ押し付けられ、実利を取りにくい」という立場に追い込まれるリスクがあります。

3-4. 5月:FRB議長交代──金融・不動産環境の“地ならし”

  • パウエル後任として、政権寄りで成長志向の強い人物が就くシナリオが考えられます。
  • 金利・量的緩和・金融規制は、不動産価格、レバレッジ投資、制裁対象国との資金の流れ
    に直結します。
  • 一族利権の観点では、自分たちや親しい投資家にとって有利な、金融環境・規制環境を整えたい、
    というインセンティブが働きやすい局面です。

ビジネス視点では:
日本の金融機関や事業会社も、ドル金利やドル円のボラティリティが高まりやすい年として、
為替・金利リスク管理を“政治イベントとセット”で考える必要が出てきます。

3-5. 6月:G7サミット──同盟国への「踏み絵」と窓口づくり

  • テーマは、ウクライナ支援、対中・対ロ制裁、防衛費負担などが中心になると考えられます。
  • トランプにとってG7は、欧州のリベラル政権に注文をつけ、日本を含む同盟国に「もっと負担せよ」と迫る場であると同時に、「アメリカとうまくやりたいなら、どの窓口を通るべきか」を各国に印象付ける場にもなり得ます。

ビジネス視点では:
防衛・エネルギー・インフラ分野で米国技術を導入したい国に対し、「トランプ周辺の企業・投資家と組めば話が早い」と空気をつくることができれば、一族としては将来の収益源を増やすことになります。

3-6. 7〜9月:中間選挙モードと「ゲートキーパー候補」の育成

  • 移民、治安、物価、文化戦争を争点に、支持層を最大限動員する時期です。
  • ただし、長期的に重要なのは、上院・下院、州知事、州議会などに
    「トランプ路線に忠誠心の高い政治家」をできるだけ多く送り込むこと。
  • 将来、エネルギー政策、港湾・インフラ許認可、金融制裁・輸出管理
    を担うポジションにそうした人材がつけば、トランプが退いた後も、一族の電話一本で動きやすい「ゲートキーパー」が要所にいる状態をつくれます。

ビジネス視点では:
日本企業が米国の特定州に投資する際、その州が「どれほどトランプ色が強いか」によって、
政治リスクもビジネスチャンスも大きく変わる可能性があります。

3-7. 10月:外交サプライズで、退任後案件を“仕込む”

  • 中間選挙直前のタイミングで、ガザ・イラン・ウクライナなどに関する“和平案”や“限定的軍事行動”が演出される可能性があります。
  • 中東の王族や権力者、オリガルヒたちと「将来のビジネス案件」の話を同時並行で進められる点です。(例:巨大都市開発、観光リゾート、港湾・発電所プロジェクトなどに、トランプ一族や関係ファンドが関与する構想を取り付けておく。)

ビジネス視点では:
中東やアフリカでの資源・インフラ案件に日本企業が関わる場合、
現地側から「トランプ/クシュナー系投資家も連れてきてほしい」といった要求が出てくる可能性を想定する必要があります。

3-8. 11月:中間選挙+APEC中国──アジアの利権線引き

  • 中間選挙の結果により、トランプ路線への国内支持の度合いが可視化されます。
  • その直後に中国で開かれるAPECでは、太平洋・アジアのサプライチェーン、デジタル・AI・データルール、グリーン投資などについて、米中双方が自陣営の経済圏をどうデザインするかが議論されるでしょう。
  • 一族利権の視点では、アジア太平洋の中で、
    「どの国・どの港湾・どの資源を、どの企業群に割り振るか」という“暗黙の線引き”に、
    トランプ家に近いプレーヤーを差し込む動きが出るかもしれません。

ビジネス視点では:
日本のインフラ輸出やODA案件に、
米中に加えて「トランプネットワーク」が第三のプレーヤーとして絡んでくると、
プロジェクト設計そのものが複雑化するリスクがあります。

3-9. 12月:G20サミット──一族の庭に世界のトップを集める

  • 年末のG20がトランプゆかりの場所で開催されるとすれば、世界の首脳・閣僚・ビジネスリーダーを「自分の庭」に招く象徴的イベントになります。
  • 表の会議では、インフレ・債務・AI・エネルギーなどを議論しつつ、裏側では非公開の少人数会合で、中東のエネルギー権益、アフリカの鉱物資源、中南米の港湾・インフラ運営権
    について、退任後も続く案件の“仮契約”を置いていくようなイメージです。

ビジネス視点では:
日本の政治・ビジネスリーダーがここでどこまで「利権的な話」に踏み込むかによって、
将来のリスクプロファイルが変わります。
一定の距離を保ちつつ、協力できる分野と線を引く分野を明確にしておく必要があります。

4. 日本ビジネスは何に注意すべきか:3つの視点

ここまでのシナリオを踏まえ、一般のビジネスパーソンが押さえておくべきポイントを3つに絞って整理します。

① 「妙においしい話」の政治的背景を確認する

  • 資源・エネルギー・大型インフラ・不動産・観光開発など、政治と密接に結びつく案件では、
    条件が良すぎる案件ほど政治ネットワークが絡んでいる可能性があります。
  • 背後に制裁対象国、汚職リスクの高い権力者、特定の政権・一族への過度な依存
    がないかをチェックする体制が不可欠です。

② 「国対国」と「個人・一族ルート」を意識的に分ける

  • 日本としては、日米同盟=政府間の公式な関係、ビジネス=透明性と法の支配の枠内
    を基本とし、個人・一族レベルの利権とは一定の距離を保つことが重要です。
  • 企業の立場でも、ロビイングやネットワークは必要ですが、特定政治家・一族に深く依存する形は、政権交代のたびにリスクが増幅されます。

③ 多角的なパートナーシップで「選択肢」を確保する

  • 米国との関係を軸に据えつつも、EU、インド、ASEAN、豪州などとの連携を強めることで、
    特定の個人・一族の影響力に過度に左右されない選択肢を持っておくことが、リスク分散になります。
  • 特に、再エネ・水素・原発などのエネルギー転換、デジタル・AI・データガバナンス、インフラ輸出・都市開発では、多国間の枠組みに積極的に関わり、日本が「クリーンで透明なプレーヤー」であることを打ち出すことが、中長期の競争力につながります。

5. まとめ:ニュースを「一族利権」という座標軸で読み直す

2026年、トランプの一挙手一投足は、世界のマーケットや安全保障に確実に影響を与えます。

ただし重要なのは、

  • 個別の発言や炎上に振り回されることではなく、
  • 「権限を自分に集中させる」
  • 「一族利権のプラットフォームをつくる」
  • 「退任後も続くゲートキーパー構造を仕込む」
    という“本音の座標軸”で、行動パターンを読み解くことです。

そうした見方を持つことで、

  • どのニュースが中長期の構造変化に直結しているのか
  • どの案件が将来リスクになり得るのか
    を、ビジネスの立場から判断しやすくなります。

「トランプがまた過激なことを言っている」で終わらせず、「その動きは、一族利権プラットフォームのどこに位置づけられるのか」という問いを一度立ててみることが、2026年の国際情勢を読み解くうえでの一つの武器になるはずです。