就職活動はいつから始めるべきか?大学生・大学院生のための完全ガイド

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「就職活動はいつから始めればいいのか」。

これは、大学生・大学院生から非常によく寄せられる質問です。周囲ではすでにサマーインターンに参加している人がいたり、早期選考で内定を獲得したという話を耳にしたりする一方で、「自分はまだ何もしていない」「出遅れているのではないか」と焦りを感じる人も少なくありません。

結論から言えば、就職活動に“唯一の正解の開始時期”はありません。しかし、「インターンシップが採用選考の入り口になった」という現在の構造を理解し、正しいタイミングで動き出せるかどうかで、結果や納得感は大きく変わります。

本記事では、2025年・2026年卒の新卒マーケットの状況を整理したうえで、最新の就職活動の標準ルート、具体的な準備方法、さらに多様なキャリアの選択肢まで解説します。読み終えたときに、「今の自分が何をすべきか」が明確になることを目的としています。

2025年度の新卒マーケットの大まかな状況

2025年度の新卒就職市場は、全体として高い水準の「売り手市場」が続いています。背景には、少子化による若年労働人口の減少と、多くの企業における慢性的な人手不足があります。特にDX推進や事業変革を担う若手人材への需要は高く、企業の採用意欲は旺盛です。

最大の特徴は、「インターンシップのあり方が変わったこと」です。これまで「インターンはあくまで職業体験」という建前がありましたが、ルールの変更により、一定の条件を満たしたインターンシップで得た学生情報は、正式に採用選考に利用可能となりました。

これにより、多くの企業がインターン参加者を対象とした「早期選考ルート」を設けており、事実上の就活開始時期が早まっています。ただし、売り手市場とはいえ、人気企業への倍率は依然として高く、準備の質による二極化が進んでいます。

2026年度の新卒マーケットの大まかな状況を予想

2026年度も、引き続き「売り手市場」の傾向は続くと予想されます。しかし、ここで意識すべき重要なトレンドが「ジョブ型(職務別)採用の拡大」と「AIの影響」です。

従来のような「ポテンシャル(将来性)だけで一括採用し、入社後に配属を決める」日本型雇用から、「特定の職務やスキルに対して採用する」ジョブ型雇用への移行を検討する企業が増えています。

また、生成AIの普及により、定型業務や初歩的なリサーチ業務が自動化されつつあります。これにより、企業は新卒人材に対し、単なる労働力ではなく「AIを活用して価値を生み出せる力」や「独自の視点・思考力」をより強く求めるようになるでしょう。

即戦力が基本であるアメリカの新卒市場ほど極端ではありませんが、日本でも「学生時代に何に取り組み、どんなスキルや強みを得たか(ガクチカ)」が、これまで以上にシビアに問われるようになります。「なんとなく」過ごした学生と、目的意識を持って行動した学生との評価差は、今後さらに開いていくでしょう。

標準的な就職活動の流れとは?

就職活動に不安を感じる最大の原因は、「全体像が見えていないこと」にあります。近年の就活は、従来の「3月解禁・一斉スタート」ではなく、「インターン経由の早期ルート」と「一般選考ルート」の二段構えになっています。

現代の標準的な就活ステップ

  • 自己分析・業界研究(大学3年 春〜)
  • サマーインターンシップ参加(大学3年 夏/重要:実質的な選考開始)
  • 秋冬インターンシップ・早期選考(大学3年 秋〜冬)
  • 一般エントリー・説明会解禁(大学3年 3月〜)
  • 面接・筆記試験
  • 内々定・内定

特に重要なのがインターンシップへの参加です。ここで企業との接点を持つことが、その後の選考を有利に進める鍵となります。

自己分析のやり方

自己分析は、就活の土台です。「どんな企業に入るか」を決める前に、「自分はどうありたいか」を言語化します。

幼少期から現在までの経験を振り返り、「モチベーションが上がった瞬間」「困難を乗り越えた方法」を書き出してみましょう。

特別な実績(優勝経験や留学など)は必須ではありません。重要なのは、日常の行動の背景にある「あなたなりの価値観(なぜそれをしたのか)」を見つけることです。これが面接での説得力ある回答につながります。

業界研究のやり方

業界研究では、社会の仕組みを知ることから始めます。「誰に、どんな価値を提供して、どう利益を得ているか」というビジネスモデルの構造を理解しましょう。

『業界地図』などの書籍やニュースサイトを活用し、その業界が「成長期」にあるのか「変革期」にあるのかを知ることも重要です。広く浅く知ることで、食わず嫌いを防ぎ、選択肢を広げることができます。

企業研究

企業研究は、志望動機を固めるための作業です。同業他社と比較した際の「強み・弱み」、主力商品だけでなく「今後注力する事業」、そして「企業理念や社風」を調べます。Webサイトの情報だけでなく、OB・OG訪問や座談会で「リアルな現場の声」を聞くことで、「自分がその会社で働くイメージ」を具体化させましょう。

職種研究

「営業」「企画」「エンジニア」「事務」など、職種によって求められる適性やスキルは全く異なります。近年は職種別採用(ジョブ型採用)も増えているため、「どの業界か」と同じくらい「どの職種でキャリアをスタートさせたいか」を考えることが、入社後のミスマッチを防ぐポイントです。

インターンシップ

現代の就活において、インターンシップは「最も重要なプロセス」と言っても過言ではありません。企業理解を深める場であると同時に、企業側にとっては優秀な学生に早期にアプローチする場でもあります。「1day仕事体験」から「数日間のプロジェクト型」「長期実践型」まで種類は様々ですが、まずは参加し、社会人と接点を持つことから始めましょう。

自己PR・志望動機作成

エントリーシート(ES)や面接で必ず聞かれる項目です。

自己PR: 「私の強みは◯◯です。それが発揮されたエピソードは◯◯です。この強みは貴社の◯◯という業務で活かせます」

志望動機: 「私の就活の軸は◯◯です。貴社の◯◯という点に合致するため志望しました」

このように、自分の経験と企業の接点を論理的につなげることが重要です。

エントリー・選考

「数打ちゃ当たる」で大量にエントリーするのではなく、スケジュール管理ができる範囲で、志望度の高い企業に注力することをお勧めします。Webテストの期限やESの締切を管理し、一社一社丁寧に向き合う姿勢が、結果として内定を引き寄せます。

筆記試験(適性検査)

SPIや玉手箱などのWebテストは、多くの企業で足切りラインとして使われます。内容は基礎的な学力問題が多いですが、問題形式に慣れていないと時間が足りなくなります。市販の問題集を1冊購入し、早めに形式を把握して繰り返し解いておくことが、最も確実な対策です。

面接対策

面接は「会話」です。用意した原稿を丸暗記して発表する場ではありません。結論から話す(PREP法)などのテクニックも大切ですが、最も見られているのは「対話ができるか」「一緒に働きたいと思える人柄か」です。模擬面接などで第三者に見てもらい、自分の話し方の癖を知ることも有効です。

就活準備の心構え

日本の就活は「新卒一括採用」という独自のシステムですが、近年は通年採用を取り入れる企業も増えています。早めに動けばそれだけチャンスは増えますが、焦って納得のいかないまま決める必要はありません。

また、就活以外の選択肢として、大学院進学で専門性を磨く、留学でグローバルな視点を養う、あるいはフリーランスとしてスキルを磨くといった道もあります。「皆が就活するから」ではなく、自分の人生戦略として選択することが大切です。

就職するときに参考にすべきサイト・ツール

大手ナビサイト(リクナビ・マイナビなど)だけでなく、企業からオファーが届く「スカウト型サイト」や、社員の口コミが見られる「口コミサイト」、OB・OG訪問アプリなどを併用するのが一般的です。一つの情報源に頼りすぎず、多角的に情報を集めるリテラシーが求められます。

エージェントという選択肢

新卒紹介エージェントは、プロのアドバイザーが企業紹介や面接対策、悩み相談に乗ってくれるサービスです。自分では見つけられなかった優良企業に出会える可能性がある一方、担当者との相性もあります。自分に合うサービスを賢く活用しましょう。

相談すべき相手とは?

就活は孤独になりがちです。友人や先輩、キャリアセンター、家族など、話せる相手を見つけておきましょう。近年は、ChatGPTなどの生成AIを「壁打ち相手」として活用し、自己PRの添削や面接練習に使う学生も増えています。AIは感情を交えず論理的なフィードバックをくれるため、初期の練習相手として非常に有効です。

就職人気ランキングについて

メディアが発表する人気ランキングは、あくまで「知名度」や「イメージ」の指標に過ぎません。上位企業が必ずしも「あなたにとっての良い会社」とは限りません。ランキングに惑わされず、「自分が働く上で何を大切にしたいか(安定、成長、貢献、給与など)」という自分の軸を優先してください。

就職活動は多様化している

現在の就活生は、給与や知名度だけでなく、働きやすさ(リモートワークや福利厚生)、社会貢献性、企業のパーパス(存在意義)への共感を重視する傾向があります。

就職活動は「社会が決めた正解を探すゲーム」ではなく、「自分なりの納得解を見つけるプロセス」です。市場の構造や標準的な流れを理解した上で、自分自身の価値観と照らし合わせ、後悔のない選択をしていってください。

2社以上内定をとるのが普通になってきている

2025年10月に公開されたダイヤモンドの調査によれば、25卒・26卒ともに7割以上の学生が2社以上の内定を獲得しています。
このデータから分かるのは、現在の就職活動において、多くの学生が「1社内定で就活を終えている」のではなく、複数の内定を持ったうえで進路を選択しているという実態です。

言い換えれば、就活は「内定を取れるかどうか」だけの勝負ではなく、「どの内定を選ぶか」というフェーズに進んでいる学生が多数派になっています。
そのため、早い段階からインターンや選考に参加し、選択肢を増やしておくことが、納得感のある就職につながりやすいと言えるため、早めに動くことをおすすめします。

※参考:ダイヤモンド・オンライン
https://diamond.jp/articles/-/373953

まとめ:就職活動は「早く始めた人が勝つ」のではない

ここまで見てきたように、2025年・2026年卒の新卒市場は売り手市場が続いている一方で、インターンシップを起点とした早期選考が一般化し、就職活動の構造そのものが大きく変化しています。

特に注目すべき点は、「内定を取れるかどうか」ではなく、「どの内定を選べるか」というフェーズに就活が移行していることです。
実際、2025年10月に公開されたダイヤモンドの調査では、25卒・26卒ともに7割以上の学生が2社以上の内定を獲得
しており、1社内定で就活を終える人はもはや多数派ではありません。

この状況下で重要なのは、周囲と比較して焦ることではなく、市場の変化を正しく理解し、自分にとって適切なタイミングで準備を進めることです。

結論:就職活動は「いつから始めるべきか?」

結論として、就職活動は次のように考えるのが現実的です。

大学入学と同時に「意識」は持っておく

大学1年生の時点で、エントリーや選考対策を始める必要はありません。ただし、

  • どんな業界があるのか

  • 社会にはどんな仕事があるのか

  • 将来どんな働き方をしたいのか

といったことを、「知る・考える」という意味で意識し始めることは大きな価値があります。企業説明会やイベント、社会人との交流があれば、軽い気持ちで参加してみるのも十分意味があります。

本格的に動き出す目安は「大学2年生〜3年生」

実際に就職活動として動き始めるタイミングとしておすすめなのは、大学2年生頃からです。

この時期に、

  • 自己分析を少しずつ進める

  • 業界研究を始める

  • インターンシップ情報をチェックする

といった準備をしておくことで、大学3年生のサマーインターンに自然に参加できる状態になります。

現在の就活では、この大学3年生の夏のインターンシップが実質的なスタート地点になっているケースが多く、ここで企業との接点を持てるかどうかが、その後の選考に大きく影響します。

「早すぎる就活」は不要だが、「何もしない期間」はもったいない

重要なのは、「1年生からガチガチに就活をする」ことではありません。一方で、「まだ早いから何もしない」と完全に距離を置いてしまうのも、結果として選択肢を狭めてしまいます。

  • 1年生:社会や仕事を知る、興味の種を集める

  • 2年生:自己分析・業界理解を深める

  • 3年生:インターン参加を軸に本格始動

このように段階的に関わり方を変えていくことが、今の就活市場に最も合った進め方と言えるでしょう。

就職活動は、誰かと競争するためのものではありません。自分が納得できる選択肢を増やすためのプロセスです。

そのためには、できるだけ早い段階から「意識」を持ち、適切なタイミングで行動を始めることが重要です。こうした積み重ねが、結果として後悔のないキャリア選択につながります。

実際、厚生労働省の最新データ(2021年3月卒)によると、大卒の新卒社員の3年以内離職率は約34.9%、高卒では約38.4%とされています。
これは、新卒で就職した人の3人に1人以上が、入社から3年以内に会社を辞めていることを意味します。

近年、この数値はやや低下傾向にあるものの、依然として高い水準にあります。特に従業員数5人未満の中小企業では、3年以内離職率が6割前後に達するケースもあり、企業規模によって状況に差があることも分かっています。

では、なぜこれほど多くの人が早期に離職してしまうのでしょうか。
主な理由として挙げられているのは、人間関係の悩みに加え、給与への不満、仕事内容とのミスマッチ、将来のキャリアに対する不安(キャリア観の変化)などです。

これらの多くは、「入社してから初めて気づく」ことが多い一方で、就職前に情報を集め、ある程度想像しておくことで回避できる可能性がある要因でもあります。

だからこそ、企業研究やインターンシップ、OB・OG訪問などを通じて、「自分に合うかどうか」を事前に見極めることが、結果的に長く働ける職場を選ぶことにつながると言えるでしょう。