― 専任人事がいなくても「人が来る」現実的な打ち手
地方の中小企業において、「採用できない」はもはや珍しい話ではありません。
人材不足が深刻化する一方で、専任の人事担当を置く余裕はなく、採用広告に多額の予算を投じることも難しい――多くの企業が同じ制約条件を抱えています。
しかし、採用がうまくいっている地方企業が存在するのも事実です。
その違いは、才能や知名度ではなく、やることを絞り、正しく設計しているかどうかにあります。
本記事では、地方中小企業がまず取り組むべき採用戦略と、専任人事がいなくても実行できる現実的な打ち手を解説します。
結論:地方中小企業は「ハローワーク×Indeed」に集中せよ
サクッと対策したいなら、この2つで十分な理由
地方の中小企業が最初に手を出すべき採用チャネルは、ハローワークとIndeedの2つです。
理由は明確で、
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地方でも利用者数が多い
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初期コストが低い
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運用次第で成果に差が出る
という、中小企業向きの特性を備えているからです。
最初から複数の求人媒体や広告に手を出すと、管理も改善もできず、結局「どれもダメだった」で終わってしまいます。
専任人事がいない前提での進め方
地方中小企業の多くは、専任の人事担当がいません。
その場合に重要なのは、完璧な体制を作ることではなく、責任の所在を決めることです。
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一人でやるなら「誰が最終判断するか」
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分担するなら「誰が応募対応するか」
これを決めないまま進めると、応募が来ても対応が遅れ、チャンスを逃します。
ハローワーク対策の基本:まず“人”を攻略する
担当者に顔と企業名を覚えてもらう
ハローワークはシステムですが、運用しているのは人です。
地方では特に、担当者との関係性が結果に直結します。
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定期的に訪問する
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採用の本気度を伝える
これだけで、求人票の書き方や表現について具体的なアドバイスをもらえるようになります。さらには、求職者におすすめしてくれるようになるかもしれません。
ホームページは必須(最初はLPでOK)
「小さな会社だからホームページはいらない」と考える企業もありますが、これは誤りです。
若い求職者は、必ずスマートフォンで会社を検索します。
そこで何も情報が出てこなければ、不安になり応募をやめてしまいます。
最初は、
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1ページの簡単なLP
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仕事内容
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会社の雰囲気
が分かれば十分です。
立派さよりも「ちゃんと存在していること」が重要です。
Indeed対策:求人サイトではなく検索エンジンと考える
市町村・職種・スキルのキーワード設計
Indeedは求人サイトというより、検索エンジン型の媒体です。
そのため、求人票には以下のようなキーワードを自然に盛り込む必要があります。
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市町村名
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職種名(例:CAD、製造、営業など)
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スキル・条件
「何を書きたいか」ではなく、求職者が何で検索するかを基準に設計しましょう。
無料→少額→月5万円の現実的な運用ステップ
Indeedはいきなり有料で始める必要はありません。
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まずは無料掲載で反応を見る
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反応がなければ少額でテスト
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形ができたら月5万円程度で有料運用
この段階的な進め方が、失敗しにくい王道パターンです。
Indeedは釣りと同じ。応募対応は即レスが鉄則
Indeedは「釣り」によく例えられます。
応募が来た瞬間に、すぐ対応しなければ逃げてしまうからです。
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応募が来たら即日対応
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遅くとも24時間以内
これができないだけで、採用成功率は大きく下がります。
予算管理とタイトル対策は必須
Indeedは月末や最終週に、急激に予算消化する傾向があります。
そのため、日々の予算チェックは欠かせません。
また、
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マイカー通勤OK
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未経験歓迎
など、メリットは必ずタイトルに入れることが重要です。
ハローワークでもIndeedでも共通して重要なこと
求人票は「金太郎あめ」から抜け出せ
多くの求人票は、似たような言葉で埋め尽くされています。
これでは求職者の印象に残りません。
考えるべきは、
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自社ならではの違い
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その仕事で得られる経験や価値
です。
最低限、必ず書くべき2つの要素
1つ目は、会社としての思いや理念です。
長文である必要はありません。
2つ目は、リアルな条件を正直に書くこと。
条件を盛るより、ミスマッチを防ぐ方が結果的に採用はうまくいきます。
就労条件は必ず他社比較で考える
就労条件は、自社基準ではなく市場基準で考えます。
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マイカー通勤OK
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車両代・ガソリン代会社負担
業界や地域によって刺さる条件は異なります。
調べたうえで、書けるものはすべて求人票に反映しましょう。
余力があればやりたい+αの採用施策
会社のストーリーをつくる
なぜこの会社が存在するのか。
どんな未来を目指しているのか。
これを言語化することで、採用は「社長の仕事」から「みんなの仕事」に変わります。
リファラル採用は社員以外も巻き込む
紹介は社員だけに頼る必要はありません。
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取引先
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顧客
にも「人を探している」ことを明確に伝えることで、地方では想像以上の効果が出ます。
SNSは作り込まない方がうまくいく
今の求職者に響くのは、完成度の高い動画ではありません。
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社員の日常
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雑談
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仕事中の何気ないやり取り
スマートフォンで撮った短い動画や写真のほうが、親近感や信頼につながります。
YouTubeショートがおすすめな理由
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数百〜数千再生されやすい
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担当者のモチベーション維持につながる
どういう動画が流行るかはこちらの記事「SNS採用成功事例(中小企業)7選|Instagram・TikTok・YouTube等で応募を増やした方法」を参考にしてみてください。
まとめ:採用は才能ではなく設計で決まる
地方中小企業の採用は、特別な会社だけが成功するものではありません。
限られた手段を正しく使い、改善を重ねる。
それだけで、採用の結果は確実に変わります。
【チェックリスト】地方中小企業の採用改善
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採用チャネルをハローワークとIndeedに絞っている
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応募対応の担当者が明確
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ホームページ(LP)が存在する
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求人票に市町村・職種キーワードが入っている
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応募が来たら24時間以内に対応している
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求人票に会社の思いや理念を書いている
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就労条件を他社と比較している
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社内外に「人を探している」と周知している
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SNSで日常の発信をしている
