マーケティング担当者向け インターネット広告の未来とは

インターネット広告の未来とは?今後の広告運用について徹底解説!

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インターネット広告費はマスメディア広告費を上回りました。新型コロナウイルス感染拡大で、非対面ビジネスが推奨されたり、5Gで動画が閲覧しやすくなったりが大きな要因です。しかし、インターネット検索にもプライバシー保護が必要だと述べられており、これまでの広告運用では効果が見込みにくくなります。インターネット広告を活用して効果を出すためにも、インターネット広告の未来について理解を深めておきましょう。今回はインターネット広告の未来について詳しく解説します。

 インターネット広告の市場規模

引用:『dentsu 2021年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析

電通グループの調査レポートによると、2021年の国内のインターネット広告の市場規模は、2兆7,052億円(前年比121.4%)と高い成長率を保っています。「インターネット広告制作費」「物販系ECプラットフォーム広告費」を除いたインターネット広告媒体費は、2兆1,571億円(前年比122.8%)となり、広告種別の構成比は以下の通りになりました。 

[インターネット広告媒体費の広告種別構成比]

  • ビデオ(動画)広告:5,128億円(23.8%)
  • ディスプレイ広告:6,856億円(31.8%)
  • 検索連動型広告:7,991億円(37.0%)
  • 成果報酬型広告:940億円(4.4%)
  • その他のインターネット広告(3.0%) 

このようにインターネット広告の費用は増え続けており、マスコミ四媒体の広告費2兆4,538億円を上回るほどに成長しました。

インターネット広告の未来

インターネット広告の市場規模は拡大する見込みですが、時代の変化に伴って、広告運用の手法が変わってきています。今後、インターネット広告はどうなっていくかについて解説します。

Cookie規制が強化される

インターネット広告運用には、Cookie(Webサイトにアクセスしたユーザー情報を記録したデータファイル)が利用されています。Cookieは、ユーザーがWebサイトを訪問した際にサーバー経由で発行されて、ユーザーのブラウザ上に保存されます。このようなCookieの仕組みは、ターゲティング広告やアクセス解析に活用されていました。

しかし、インターネット検索の履歴データを取得して活用することは、プライバシーの侵害に当たると問題視され始め、Cookie規制が強化されることが決まりました。従来のように、アクセス解析でユーザーの詳細の情報を取得できなくなります。

参考:『LISKUL 【総まとめ】Cookie規制の影響とマーケティングにおける対策

コンテンツがクリックされない時代になる

近年、Webマーケティングにおいて「ゼロクリックサーチ」が注目を浴びています。ゼロクリックリサーチとは、ユーザーがインターネット検索する際に、表示された検索結果ページだけで疑問が解決されることをいいます。

従来はSEO対策をしてコンテンツを上位表示して、自社サイトのアクセスを集めていました。しかし、検索結果ページでユーザーの疑問が解決されるようになれば、コンテンツがクリックされなくなり、従来のSEO対策の効果が見込めなくなります。

参考:『ECwork ゼロクリックサーチとは?コンテンツがクリックされない時代への4つの対策

オンライン広告で双方向の対話ができる

動画広告は進化してきて、動画に触れられるインタラクティブ動画が登場してきました。再生されるだけの動画から、クリックできてアクションを促せる動画に移行し、動画広告で双方向の対話ができるようになってきました。

インタラクティブ動画を活用すれば、オンライン接客やバーチャル展示会などが実現できて、マーケティング活動や営業活動を効率化できます。このような双方向の対話を実現するオンライン広告の需要は伸びていくでしょう。

参考:『MIL BLOG インタラクティブ動画とは?触れる動画の事例、メリット、作り方を完全解説!

ネット広告の品質が問われるようになる

ネット広告は運用すれば効果が見込めていましたが、今後はネット広告の品質が問われるようになってきています。企業のブランドを毀損する恐れがある不適切なサイトやコンテンツ上への広告表示は防がないといけません。

その理由は、違法なサイトやアダルトサイトのような不適切なサイトに広告が掲載されてしまうと、その広告を見た人は企業にネガティブな印象を持たれてしまうためです。このようなブランド毀損を起こさないためにも、ネット広告の品質が問われるようになってきています。

参考:『ECのミカタ 【2022年のネット広告業界のトレンド】最優先メディアはモバイル・動画・SNS、 最大の懸念事項は「アドフラウド」

インターネット広告の未来から考える対策

インターネット広告の未来を踏まえ、今後はどのような広告運用をしていけば良いのでしょうか?次に、インターネット広告の未来から考える対策についてご紹介します。

LTV向上施策

Cookie規制の強化やゼロクリックの影響で、従来のようなインターネット広告では効果が見込みづらくなってきました。そのため、LTV(顧客生涯価値)向上の施策が重要となってきます。既存顧客に対して、定期購入やリピート化を促すステップメールを送り、購買頻度を増やすことが大切です。

自社商品を購入してくれた顧客と信頼を深め、商品のリピート購入を増やせるかどうかが重要になってきています。

参考:『impress アマゾンが始めるLTV向上支援策とは?Amazonマーケットプレイスの販売事業者向けに無料メールマーケティング機能

インタラクティブ動画

動画広告では、インタラクティブ動画が注目を浴びています。インタラクティブ動画とは、視聴者参加型のため、通常の広告と違い、興味を喚起しながら情報提供ができます。そのため、動画広告でCVRの獲得がしやすいです。

例えば、三井住友VISAカードの動画内では、4つの質問が表示されて、回答によってストーリーが変わる「ストーリー分岐動画」になっています。視聴者が参加しながら、動画を流せるため、カード入会の促進効果が見込めます。また、インタラクティブ動画を活用したバーチャル展示会なども登場。

動画を活用したオンライン上での双方向の対話は、非対面ビジネスが普及してきたコロナ禍で大きな注目を集めています。

参考:『MIL Blog インタラクティブ動画とは?触れる動画の事例、メリット、作り方を完全解説!

アドフラウド対策

広告の品質を高めるために、アドフラウド対策が必要です。アドフラウドとは、Web広告配信に関する詐欺行為を指します。悪質業者やハッカーが不正な手段を用いて、インターネット広告の費用を騙しとったり、不正なサイトに広告を配信したりできるようになりました。不正なサイトに広告が配信されてしまうと、ブランド毀損を招きます。

また、不正クリックによるインターネット広告費の詐取がされてしまうと、CV数が通常より減ってしまいます。このようなトラブルを防止するために、アドフラウド対策をしましょう。アドフラウド対策は、ツールを導入して異常を検知した広告の運用方法を変えるなどで対処していきます。

参考:『SPIDER AF アドフラウドとは?不正広告の種類・成功事例・対策効果など徹底解説!

まとめ

今回は、インターネット広告の未来について解説しました。プライバシー保護の影響で広告運用が変わっていき、従来のインターネット広告では効果が見込みづらくなってきます。そのため、どのようなインターネット広告の戦略を立てれば、費用対効果が感じられるようになるのかを考えていく必要があります。この記事では、近い将来、必要になる対策をご紹介しました。ぜひ、これを機会にインターネット広告運用を見直してみてください。