広島駅再開発2025年最新情報:開業した新駅ビルと今後の注目スケジュール

広島駅再開発2025年最新情報:開業した新駅ビルと今後の注目スケジュール

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広島駅が新しく生まれ変わろうとしています。2025年3月には、新しい駅ビル「minamoa(ミナモア)」がオープンし、多くの人でにぎわっています。これは、広島駅を中心に進められている大規模な再開発プロジェクトの第一歩です。今後は、駅前広場の整備や、路面電車の駅ビル2階への乗り入れなど、段階的に工事が進められる予定です。

このプロジェクトは、広島市が進めている「コンパクトシティ」の実現にもつながる重要な取り組みです。都市機能を駅の周辺に集め、公共交通を使いやすくすることで、車に頼らずに暮らせるまちを目指しています。広島駅はこれからも、交通や商業の中心地としてさらに便利になっていきます。

この記事では、再開発の全体像はもちろん、話題の新駅ビル「ミナモア」の注目ポイントや、2025年8月に予定されている路面電車の乗り入れ計画、今後の工事スケジュールまで、最新の情報をわかりやすくまとめました。また、広島市の都市づくりの方針「コンパクトシティ」との関係についても解説します。

広島に住んでいる方、駅を使っている方、そしてこれから広島を訪れる方も、ぜひチェックしてみてください。

広島駅再開発の全体像 ― 2025年3月、ミナモア開業

広島新駅ビルMinamoa入口の様子
minamoa(ミナモア)入口

広島駅再開発プロジェクトは、JR西日本、広島市、広島電鉄などが連携して進める大規模な都市整備事業です。その最大の目的は、これまで線路によって分断されていた南北を一体化し、路面電車をはじめとする公共交通機関の乗り換え利便性を飛躍的に高めることです。

これまでの広島駅では、特に路面電車の乗り場が駅からやや離れていたため、乗り換えに時間と手間がかかるという課題がありました。また、駅ビルの老朽化も進行していました。

2025年3月には新駅ビル「minamoa(ミナモア)」が開業し、商業施設、ホテル、シネマコンプレックスなどを備えた複合施設として、多くの来訪者でにぎわいを見せています。さらに、2025年8月には広島電鉄の路面電車が新駅ビル2階に乗り入れる予定で、改札階と同じフロアでスムーズな乗り換えが可能になります。

また、駅前広場の再整備も進められており、歩行者空間の拡張やバス・タクシー乗り場の利便性向上が図られています。

こうした取り組みによって、広島駅は「通過する場所」から「人が集い、交流する拠点」へと進化し、広島市の魅力をさらに高めることが期待されています。

新駅ビル「minamoa(ミナモア)」のフロア構成とテナント

広島新駅ビル外観
広島新駅ビル外観

広島駅再開発の目玉として、2025年3月に開業したのが、新駅ビル「minamoa(ミナモア)」です。地上20階、地下1階建てのこの新ビルは、「水の都」広島を象徴し、人々の賑わいが水面(みなも)のように広がっていく様子をイメージして名付けられました。

ミナモアには、買い物を楽しめる商業フロア、ゆったりと過ごせるホテル、そして最新作が楽しめるシネマコンプレックスが揃い、観光客はもちろん、地元の人々にとっても新たな憩いの場となっています。開業以来、休日を中心に多くの来場者でにぎわいを見せており、広島駅周辺の回遊性向上にも一役買っています。

屋上には「ソラモア広場」というウッドデッキ付きの開放的なスペースがあり、キッズパークも併設。平日の仕事帰りにひと息つく場所として、また週末には家族連れでにぎわう場として、さまざまなライフスタイルに寄り添う空間となっています。

広島新駅ビル ソラモア広場キッズパーク
ソラモア広場キッズパーク

商業施設エリアと注目ショップ

広島駅ビル「minamoa(ミナモア)」は、地下1階から地上7階までの商業フロアに約220店舗が集結し、広島駅直結の新たなショッピング&グルメスポットとして注目を集めています。ファッション、雑貨、コスメ、グルメ、お土産など多彩なジャンルの店舗が揃い、広島初出店のブランドも多数登場しています。

主な出店テナント(抜粋)

🟠ファッション・雑貨

ユニクロ、無印良品、アーバンリサーチ、フレッドペリー、ABCマート グランドステージ、ラグタグ、イル ビゾンテ、ジェラート ピケ、ユナイテッドアローズ、Mila Owen、マザーハウス、BIRTHDAY BARなど。

🟠コスメ

SHIRO(中四国初出店)、メゾン マルジェラ「レプリカ」フレグランス ストアなど。

🟠グルメ・カフェ

THE CITY BAKERY(中四国初出店)、シェイク シャック、スープストックトーキョー、マネケン、むさし、驛麺家、尾道ラーメン、吉野家、マクドナルド、リトルマーメイドなど。

🟠お土産・食品

やまだ屋、にしき堂、茅乃舎、熊野筆ショップ(Fude do Bijin)、おみやげ街道、セブン-イレブンハートインなど。

また、6階の「minamoa DINING(ミナモアダイニング)」には31店舗の飲食店が集まり、中四国最大級のダイニングフロアとして、家族連れや観光客に人気のスポットとなっています。

6F レストラン |minamoa DINING
6F レストラン |minamoa DINING

さらに、7階には映画館「MOVIX」がオープンし、ショッピングやグルメだけでなく、エンターテインメントも楽しめる複合施設となっています。

広島駅直結の利便性と多彩な店舗ラインナップにより、ミナモアは地元の方々はもちろん、観光客にも新たな魅力を提供する注目のスポットとなっています。

ホテルヴィスキオ広島とシネコン

駅ビル「minamoa(ミナモア)」の高層階(7階〜20階)には、JR西日本ホテルズが手がける新たな宿泊施設「ホテルヴィスキオ広島 by GRANVIA」が開業しました。客室数は416室で、ビジネス利用にも観光利用にも対応した上質な空間を提供しています。高層階の客室やロビーからは、広島市街や瀬戸内海を一望できる開放的な眺望も魅力の一つです。

また、6階・7階の一部にオープンした映画館「MOVIX広島」では、話題作からアート系作品まで幅広いジャンルの映画を最新設備で楽しむことができます。駅直結のシネマコンプレックスとして、ショッピングや仕事帰りに立ち寄れる利便性の高さから、多くの来場者でにぎわっています。

路面電車(広電)の駅ビル2階乗り入れ詳細

今回の広島駅再開発における大きな目玉の一つが、広島電鉄(広電)の路面電車が駅ビル「minamoa(ミナモア)」の2階部分に乗り入れるという新たな交通インフラの整備です。これは「駅前大橋線」プロジェクトの一環として進められており、2025年8月3日の開業が予定されています。

新ルートは、ミナモア2階の乗り入れホームから比治山町交差点までを約1.1kmで結ぶ直線ルートで、路面電車としては全国的にも珍しい「駅ビル内高架乗り入れ」が実現します。改札階と同じフロアでの乗り換えが可能になることで、JR線との乗り換えが格段にスムーズになり、通勤・通学・観光での利便性が大幅に向上することが期待されています。

新しい乗り場の位置

現在、広島駅南口の地上にある広島電鉄の乗り場は、2025年8月3日に開業予定の新ルートにより、駅ビル「minamoa(ミナモア)」の2階、JR改札口と同じフロアに移設されます。これにより、JR線から路面電車への乗り換えが格段にスムーズになり、雨に濡れることもなく、階段やエレベーターの利用も最小限で済むなど、利便性が大きく向上します。

利便性の向上

新しい乗り場は、JR改札口を出てすぐの位置に設置される予定で、エレベーターやエスカレーターも完備され、ユニバーサルデザインが徹底されています。これまで地上を移動していたときは乗り換えにおよそ5分かかっていましたが、新しい構造では2分程度に短縮される見込みです。

運行ルートの変更

この新しい乗り入れに伴い、広島電鉄は比治山町交差点方面から駅前大橋を経由してミナモア2階へと至る「駅前大橋線」の整備を進めています。このため、一部の既存ルートが再編・変更される可能性があります。

この路面電車の駅ビル乗り入れは、広島駅を広域的な交通結節点として再構築する象徴的な取り組みであり、「まちの背骨」としての路面電車の役割をより一層強化するものとして注目されています。

最新の工事進捗状況と今後のスケジュール

広島駅周辺では、引き続き再開発関連の工事が進行中です。2025年3月に駅ビル「minamoa(ミナモア)」が開業したことで、その変化はさらに実感しやすくなっていますが、プロジェクト全体は今後も段階的に進められていきます。

現在の工事状況(2025年5月時点)

🔵新駅ビル「minamoa」

2025年3月24日に無事グランドオープン。商業施設、ホテル、シネマコンプレックスなどが稼働を開始し、連日多くの人でにぎわっています。

🔵駅前広場・路面電車軌道整備

路面電車の駅ビル2階乗り入れに向け、駅前大橋線の新設工事が続行中です。軌道敷設、歩行者動線の整備、バス・タクシー乗降スペースの再編成が進められており、駅前には一部仮囲いや通行制限も設けられています。

今後の主なスケジュール

🔵2025年8月3日

路面電車(広電)の駅ビル2階乗り入れ開始(駅前大橋ルート開業)

🔵2027年3月(予定)

広島駅南口広場の全体整備が完了予定。MICE対応を見据えた大型イベント開催も視野に入れた広場設計が進められています。

なお、工事の進捗や詳細スケジュールについては、JR西日本や広島市、広島電鉄の公式サイトで随時最新情報が公開されています。完成予想図や工事の進行状況をチェックしたい方は、ぜひ各サイトをご確認ください。

再開発による交通アクセスの変化

広島駅の再開発は、路面電車の駅ビル2階乗り入れにとどまらず、駅全体の交通アクセス環境を大きく変えつつあります。駅前空間の再編により、あらゆる移動手段との連携が強化され、「使いやすい駅」「迷わない駅」への進化が進行中です。

🔵バス乗り場

駅前広場では、行き先ごとにバス乗り場を集約・整理する再編が進行中で、視認性と利便性が向上しています。2027年春の広場整備完了を目指して、段階的な変更が実施されています。

🔵タクシープール

十分な台数を収容可能な乗降スペースが設けられ、混雑を避けたスムーズなタクシー利用が可能に。案内表示の改善も進められています。

🔵一般車乗降場

送迎用の一般車向け乗降スペースも、アクセスしやすく安全性の高い位置に整備中です。短時間利用者の利便性を高める設計となっています。

🔵歩行者空間

駅前広場には幅広の歩道と開放的な歩行者空間が整備され、回遊性と安全性が向上しています。今後はイベント開催にも対応できる多目的スペースとしての活用も期待されています。

さらに、北口(新幹線口)エリアでもペデストリアンデッキの延伸が進められており、南北の駅構内移動がよりスムーズになる計画です。

これらの整備を通じて、広島駅はJR、広電、バス、タクシー、徒歩といった多様な交通モードが有機的に連携する、広域交通のハブとしての機能を一層高めていく見込みです。

広島駅再開発と「コンパクトシティ」

広島新駅ビルウッドデッキからの景色
ウッドデッキからの景色

全国各地で進められている「駅を中心に都市機能を集約し、公共交通と連携させる」コンパクトシティ構想は、人口減少・高齢化に直面する日本の都市政策の中核的な戦略です。中でも広島市は、この国の方針である「コンパクト・プラス・ネットワーク」を積極的に取り入れ、「都市機能の拠点集中」と「拠点間の公共交通による接続」を両立させた“広島版 TOD(Transit Oriented Development)”を推進しています。その象徴的な取組みが、現在進行中の広島駅再開発です。

広島駅は、都市全体を支える最上位の交通結節点に位置づけられ、駅ビル「minamoa」や、駅ビル内への路面電車乗り入れ(駅前大橋ルート)、駅前広場の再整備といった施策が連動的に展開されています。これらのプロジェクトは単なるインフラ更新ではなく、「都市機能を駅周辺に重ね、回遊性を高め、暮らしやすく持続可能な都市空間をつくる」というコンパクトシティの理念そのものを体現する“実証サイト”です。

このように、広島駅再開発は、全国に広がるコンパクトシティ政策の中でも先進的な事例であり、単なる駅のリニューアルにとどまらず、都市構造そのものを変革しうる“プレーヤー”としての役割を担っています。これからの都市のあり方を考えるうえで、広島の取り組みは一つのロールモデルになるでしょう。

駅再生×都市政策の好循環

広島駅再開発は、国が推進する「コンパクト・プラス・ネットワーク」の理念を地元の実情に即して実装する、「コンパクトシティ広島モデル」の象徴的な取り組みです。特に注目すべきは、広島駅が単なる交通結節点にとどまらず、都市機能の集約拠点として再定義されている点にあります。

まず、路面電車の駅ビル2階への乗り入れや南口広場の再整備といったインフラ整備を通じて、公共交通の利便性が飛躍的に向上し、クルマへの過度な依存からの脱却を図ります。これにより、都市全体のカーボンフットプリント削減にも寄与します。

次に、駅ビル「minamoa(ミナモア)」を中心とした商業施設やホテル、オフィスなどの都市機能を集約することで、滞在型・交流型の人流を創出し、周辺地域との経済的な相乗効果を生み出します。さらに、歩行者デッキによって南北・東西の回遊性が高められ、歩行者が快適に移動できる人中心の都市空間が実現されつつあります。

こうした取り組みは、都市の利便性や魅力を高め、人口減少・高齢化といった課題に対応しながら、広島市全体の都市競争力と市民の暮らしやすさの底上げにつながっています。

今後は、この駅周辺のモデルを他の都市拠点――たとえば西広島駅周辺や市内の他の交通結節点――へと展開し、面的な広がりを持つコンパクトシティの完成を目指すフェーズに入っていきます。広島駅を起点とした都市再構築のビジョンは、今まさに実現段階にあり、その進捗を見守ることは、新しい広島の姿を知る上でも重要です。

まとめ

広島新駅ビルウッドデッキの景色
広島新駅ビルウッドデッキの景色

広島駅再開発プロジェクトは、2025年3月の新駅ビル「minamoa(ミナモア)」の開業を皮切りに、段階的にその全貌を現し始めています。今夏には、全国的にも珍しい路面電車の駅ビル2階乗り入れが実現予定であり、さらに2027年春には駅前広場の全面整備も完了予定です。

この再開発は、単なる駅の刷新にとどまらず、交通利便性の向上と都市空間の再編を通じて、広島全体の魅力と機能を引き上げる壮大なプロジェクトです。ショッピング、グルメ、エンターテインメントを楽しめる都市型複合施設として、また、快適な移動を支える広域交通のハブとして、広島駅は市民と来訪者の両方にとって、より身近で便利な存在へと生まれ変わろうとしています。

また、広島駅ビル開発プロジェクトは、広島市が推進する「コンパクトシティ化」の中核を担う取り組みでもあります。駅を中心に都市機能を集約し、公共交通機関の利用促進と地域活性化を両立させるこの構想は、全国的にも進む「駅を起点とした再開発」の潮流に沿ったものであり、広島でもその先進事例の一つといえるでしょう。広島・瀬戸内の玄関口としてふさわしい都市機能の向上を目指すこのプロジェクトは、すでに一定の成功を収めているといえます。

工事の進行に伴い、一時的な不便さがあるかもしれませんが、それを上回る価値と可能性がこのプロジェクトにはあります。広島駅の新しい姿に、ぜひご期待ください。最新の進捗情報は、JR西日本や広島市の公式サイトで随時発信されていますので、今後の展開にも注目していきましょう。

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