中小・ベンチャー企業がTikTokを活用するメリットとは?

中小・ベンチャー企業がTikTokを活用するメリットとは?

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SNSにはさまざまな種類がありますが、現在人気のあるサービスの一つとしてはTikTokが挙げられます。TikTokは一般ユーザーだけでなく、企業のキャンペーンや広告にも活用されるなど、ビジネス目的に運用しているケースが見られます。

今回は中小・ベンチャー企業がTikTokを活用するメリットについて、実際の活用事例とともにご紹介します。

TikTokについて

TikTokは、中国発のショート動画を中心とするSNSです。多くのSNSはアメリカ発である一方、TikTokは中国発のSNSとしてグローバル市場を開拓している、珍しいサービスでもあります。

1分程度の短い動画を、多彩な編集機能を使って簡単にアップロードできる機能が高く評価されています。TikTokクリエイターのように、機能をフル活用して社会に大きな影響を与える人物が登場するなど、その表現の自由度の高さや無限の可能性から、大きな注目を集めています。

Youtubeとの違い

動画を発信できるプラットフォームとして最も有名なのは、Youtubeです。Youtubeは、動画共有サービスの先駆けであり、今日では絶大な発信力を有しているサービスですが、TIkTokとの大きな違いは、再生時間の幅が大きい点です。

Youtubeの場合、短い動画は数十秒程度のものもありますが、長いものだと数時間に及ぶものも珍しくありません。

一方で、TikTokは再生時間があらかじめ定められており、数十秒の映像しか制作・作成できないことから、テンポ良く複数の動画を再生できるのが強みです。

Instagramとの違い

短い動画コンテンツを発信するSNSとしては、Instagramもあげられます。TikTokは基本的にショート動画に特化したサービスであり、それ以外のコンテンツを発信するためのフォーマットは整備されていません。

一方、Instagramはショート動画はもちろんのこと、元々は画像の発信に特化したSNSです。近年は追加機能として動画作成・投稿機能も付与されており、そのほかにも撮影場所などを正確に共有できる機能もあるなど、汎用性に長けるのが特徴です。

TikTokの特徴

TikTokをはじめ、SNSは若年層向けのサービスというイメージが広く流布していますが、調査によると、そのような動向にも変化が現れていることがわかっています。

ここでは、2021年に発表された博報堂DYメディアパートナーズと博報堂の共同プロジェクトであるコンテンツビジネスラボによって、2011年から毎年発表されている「コンテンツファン消費行動調査」の結果から、TikTokの特徴をピックアップしてご紹介します。

(参考:https://digiday.jp/platforms/the-real-image-of-tiktok-users-from-the-content-fans-consumption-behavior-survey/)

ユーザーの年齢層

まずTikTokの近年のユーザー年齢層ですが、調査によるとその平均年齢は34歳ということがわかっています。

TikTokは利用に当たっての年齢制限が、12歳以上に定められていることと、この数字はあくまでも平均年齢であり、中央値ではないことを踏まえた上で考える必要がありますが、それでも一般的な認識よりも高い年齢層であることがわかります。

そのため、TikTokは必ずしもティーンエイジャーや20代の若者だけでなく、それ以上の年齢層向けのキャンペーンにも応用が利く可能性があると言えるでしょう。

ユーザーの趣味・嗜好

調査によると、TikTokユーザーはITリテラシーが高く、他のプラットフォームや決済サービス、あるいはVRのような最新のエンタメにも関心が高いこともわかっています。

TikTokは、高度な動画編集を簡単な操作で行えることもあり、いわゆる映像クリエイティブへの関心が強いユーザーも多いことが想像できます。そのため、最先端の技術を使って、効果的な発信やエンターテイメントを制作しようという能動的な意欲が、ほかのSNSユーザーと比べて高いことも否定できません。

ファッションやフード、ゴシップなどのエンタメが強いYoutubeやInstagramと比べても、TikTokはユニークなユーザーを抱えていると言えそうです。

ビジネスにおけるTikTok活用のメリット

ビジネス目的でのTikTok運用を考えている場合、以下のメリットを踏まえて運用すると、より効果的な情報発信が期待できます。

コンテンツビジネスと相性が良い

まず、TikTokは「コンテンツファン消費行動調査」によると、コンテンツビジネスとの相性の良さも見られることがわかっています。

小説、音楽、スポーツといった各コンテンツカテゴリーにおける支出金額の平均が、SNS全体だと約4万2538円なのに対し、TikTokの場合は約8万5862円と倍以上の金額に達しています。

平たく言えば、「これは欲しい」と感じるユーザーの数は、他のサービスと比べて、TikTokを利用している人が圧倒的に多く、その金額も大きいということです。

そのため、TikTokはBtoCプロモーションにとって、非常に強力なプラットフォームと言えます。

強力なレコメンド機能を備えている

TikTokのコンテンツ消費を支えているのは、クリエイターが作成する無数のコンテンツだけではありません。ユーザーの趣味嗜好を特定し、おすすめのコンテンツを紹介するレコメンド機能が搭載されているため、ユーザーが見たいと思うコンテンツを的確に届けることに優れている点も魅力です。

TikTok上ではユーザーの視聴履歴などから、個人に最適化されたコンテンツをレコメンドしますが、興味深いのは、ユーザーもまたそのレコメンドを強く信頼している点です。レコメンドされたコンテンツを受け入れる信頼性を獲得していることも、コンテンツビジネスを強力に推進できる要因の一つと言えるでしょう。

無料で利用できる

TikTokは、強力な発信機能を有していながら、基本的には全ての機能を無料で利用できます。通常、広告事業には多額の出資が必要になりますが、TikTokにはそれが必要なく、最小限の時間と人員で大きなリターンを得られます。

もちろん、大衆の興味を引くためには、相応のクリエイティビティが求められますが、大企業と比べて十分なリソースを確保するのが難しい中小企業にとっては、ありがたいメリットとなるでしょう。

企業におけるTikTok活用事例

ここで、実際にどのような企業で、どのようにTikTokが用いられているのかをいくつかの事例から見ていきましょう。

日本コカ·コーラ

看板商品であるコカコーラで、「#リボンでありがとうチャレンジ」と呼ばれるキャンペーンが行われました。

これは、ハッシュタグをつけてTikTokに動画を投稿するだけで、参加できるキャンペーンで、抽選でQUOカードが当たるというプレゼント型の企画を実施し、TikTokを通じて拡散され、効果的なプロモーションを実現しました。

ユニクロ

衣料品最大手のユニクロは、同社のTシャツブランド「UT」のTikTok企画として「#UTPlayYourWorld」と呼ばれるキャンペーンを展開しました。

UTのグローバルインフルエンサー発掘を推進するための同企画は、ユニクロファンやモデル志望者と言ったユーザーに、ハッシュタグをつけて動画を作ってもらうというもので、グローバルなキャンペーン展開を実現しました。

ローソン

大手コンビニエンスストアのローソンでは、「#いつでもLチキチャレンジ!」を敢行しました。拡散に伴う景品などは用意されていないものの、手をLの形にするLチキハンドサインがTikTok上で話題となり、Lチキという商品の認知拡大に大きく貢献しました。

TikTokのビジネス活用に成功するためのポイント

TikTokをビジネスで活用する上では、以下の3つのポイントに注目して実施することが重要です。

グローバル市場の入口として活用する

まず、TikTokは世界中で利用されているSNSであるため、国内向けはもちろん、グローバル市場に参入する上でのきっかけとして有効です。

海外市場への参入は、以前であれば大きなハードルがありましたが、グローバル化が進んだ今ではそれも容易です。まずはSNSでファンを獲得し、十分な認知が進んだところで本格的な事業展開に移る、という施策がよいでしょう。

ターゲットとそのニーズを明確にする

TikTokは、幅広い年齢層に受け入れられつつあるとはいえ、商品のニーズに合った層を捕まえられなければ意味がありません。全年齢に受けるコンテンツは難しく、ニッチな層を狙うのが近道です。

まずは自社商品のニーズを調査し、彼らが喜ぶコンテンツは何か、ということを洗い出しましょう。

共感を生むコンテンツを継続的に発信する

TikTokで「バズる」コンテンツは、いずれも共感性が高いものばかりです。その層にとって「あるある」「これは他の人にも伝えたい」と思ってもらえるようなコンテンツ制作や、情報発信に力を入れましょう。

まとめ

TikTokは今やワールドワイドなSNSであるだけでなく、幅広い層にも受け入れられている、ビジネス展開においても重要なプラットフォームです。

無料で利用ができるだけでなく、BtoCビジネスとの相性の良さも確認されており、コストパフォーマンスが重視される中小企業にとって、無視できないサービスと言えます。

実際の企業の運用事例も参考にしながら、自社にあった活用方法を検討していきましょう。