中小企業のAI活用の成功事例!AI導入の流れや注意点まで徹底解説!

中小企業のAI活用の成功事例!AI導入の流れや注意点まで徹底解説!

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大企業だけでなく中小企業も積極的にAIを活用していかなければいけません。

経済産業省では中小企業向けにAI活用の推進活動が行われており、業務効率化や売上拡大に成功する企業が続々と登場しています。AI導入を検討しなければ、競争力が劣る恐れがあるため注意してください。

今回は中小企業のAI活用方法について解説します。この記事を読めば、AI導入方法から成功事例まで分かるようになります。ぜひ、業務効率化を検討している方は、この記事をお読みになってください。 

AIとは

AI(Artificial Intelligence)は「人工知能」とも呼ばれており、人間の知的な振る舞いを再現したソフトウェアを指すことが多いです。しかし、明確なAIの定義は存在しません。

汎用的人工知能(あらゆる問題を解決できるAI)は登場していませんが、特定領域では人間を凌駕する能力を持つ人工知能が登場してきており、さまざまな分野で活用され始めています。

市場規模

折れ線グラフと棒グラフ
出典元:IDCJapan株式会社「国内AIシステム市場予測を発表」

IDC Japan株式会社の調査報告書によると、2020年度のAI市場規模は1,579億8,400万円。2025年度には4,909億8,100万円に拡大すると予測されています。同調査ではAIを活用して企業価値を得ている先駆者と、企業変革を再認識して取り組みを加速させる後発者との層別化が、顕著になっていると述べられています。そのため、競合他社に劣らないようにAI活用を検討していかなければいけません。

メリット

中小企業がAIを活用すれば、次のようなメリットがあります。

  1. 人材不足問題の解消…業務をAIに任せることで人材不足問題を解決できる
  2. 生産性向上…AIでアウトプットができるため生産性向上に繋げられる
  3. 人件費削減…従業員が行っていた業務をAIにお任せすることで人件費が削減できる
  4. 売上拡大…市場動向や顧客のニーズを予測できるため、売上拡大が見込める
  5. 事故防止…機械の故障タイミングを予測させれば事故を未然に防止できる
  6. 顧客満足度の向上…24時間365日対応のチャット解説など顧客満足度が向上できる

デメリット

中小企業がAIを活用すると、次のようなデメリットがあるため注意してください。

  1. 雇用の減少…AIに業務を任せることで一部の職種の雇用の場が失われる
  2. 情報漏洩リスク…ハッキングなどの情報漏洩リスクに注意しなければいけない
  3. 技術の悪用…AIを悪用する不正業者の登場も懸念しなければいけない
  4. コスト負担が大きい…AI専門業者に依頼しなければいけずコスト負担が大きくなる

AI導入の流れ

チェックリストにチェックを入れる人

AIを導入する場合は、以下のような流れになります。

 1.自社の課題を洗い出す

まずは、自社が抱える業務上の課題を整理しましょう。棚卸作業で業務を洗い出してみてください。業務上の課題を整理してAIを活用すべきか、AIを活用せずに解決すべきかを判断します。

【例】

  1. 製品の外観検査コストの削減、検査精度や処理スピードが課題である
  2. 画像認識AIによる外観検査の自動化を実現する

2.AI業務の範囲を決める

次に、従業員が対応する業務範囲とAIが対応する業務範囲を整理しましょう。AIを活用する業務範囲を決定していきます。

【例】

  1. 生産量が多いA製品とB製品の外観検査にAIを導入する

3.AI開発会社に相談する

AI開発会社に相談をします。AI開発会社に業務上の課題や実現したいことを伝えると、機械学習させるためのデータ収集を命じられます。データ収集はAI開発会社に委託することも可能です。収集したデータを基にAI開発を行います。

【例】

  1. 画像認識システム開発を得意とするA社へ相談する
  2. A製品とB製品の良品・不良品の画像データを収集する
  3. 画像認識システムを開発してもらう

4.AIシステムの評価・導入

画像認識システムの試験運用をして、希望する精度が出るかを評価します。場合に応じて、AIによる業務範囲を見直さなければいけません。とくに問題がなければ運用開始となります。

【例】

  1. AI判定精度はA製品が高くてB製品低かったので、A製品の外観検査に導入する
  2. AIを現場に導入して本格稼働させる

 中小企業がAI導入する際の注意点

ホワイトボードの付箋を指さし話す人

中小企業がAI導入する際は、以下の点に注意してください。

課題解決にAIが最適か判断する

AI精度は、機械学習させるデータ量で変動します。大量の高品質のデータを機械学習させれば、高精度なAIを開発することが可能です。しかし、コストがかかります。そのため、求める精度を明確にして、AIで業務効率化することが、課題解決に最適なのか判断しましょう。

学習用データの準備が大変

AI開発には、学習用データを準備しなければいけません。例えば、製品の外観検査をAIで自動化する場合は、製品の良品・不良品の外観写真データを準備する必要があります。

大量のデータを収集して学習用データに加工しなければいけず、データ作成業務が大きな負担となります。(※この作業をAI開発会社に委託することも可能です。)

現場担当者の意見を聞き入れる

AI開発を行う場合は、企画段階から現場担当者の意見を聞いてください。AIをどのように活用すべきか、どこに業務範囲をAIで対応させるべきか、現場担当者の意見が参考になります。

AI導入後も、AI精度を改善するために、現場の協力が必要となります。そのことを踏まえて、現場担当者に開発に参加してもらうようにしましょう。

【業界別】中小企業のAI活用事例

ロボットがこちらを見る様子

次に、中小企業のAI活用事例をご紹介します。業界別にご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 

製造業

製造業では、外観検査の自動化にAIが活用されています。外観検査とは、製品や部品の表面に付着した傷・欠け・シミ・異物・変形といった外観における欠陥チェックをすることをいいます。外観検査は、検査員の目で確認されていることが多いです。この外観検査は、AIによる自動化へ移行しつつあります。

【その他】異常検知、在庫管理、設備保守業務の自動化、製造ライン無人化、需要予測など

金融業

金融機関では、AIを活用した与信審査が行われ始めています。AI与信審査では、年収や雇用形態、勤続年数など画一的な基準で判断する従来の与信審査と異なり、学歴や趣味、性格なども加味されることが大きな特徴です。AI与信審査は融資はオンライン上で完結するため、自分の与信枠の目安を把握したい方でも気軽に利用できます。

【その他】校閲・校正業務の効率化、定型業務の自動化、資産形成シミュレーションなど

小売業

小売業では、来店人数や商品需要の予測にAIが活用されています。従来は店長の勘と経験により、商品需要が予測されていましたが、高精度なAI予測を活用すれば発注業務の最適化が可能です。店舗の商圏における来店予測を参考にすれば、新規出店の売上予測もできるようになります。

【その他】需要予測、商品在庫予測、シフト最適化、売上管理など

医療業

医療業では、画像診断にAIが活用されています。AIによる画像診断は100%の精度ではありません。しかし、読影医の診断とAIのよる画像診断を組み合わせることで、より読影精度や読影効率の向上が期待できます。読影医の診断業務を効率化する役割を担うものとして、AIは注目を浴びています。

【その他】ホスピタル計画、モニタリング、薬品の開発業務の効率化など

保育業

保育業では、保育士の業務効率化にAIが活用されています。乳幼児の午睡を見守り、お昼寝中の事故防止や、転記業務の効率化が図れるシステムが登場しています。また、非接触の対応測定でデジタル連絡帳など、保育士の業務効率化が進んできました。

【その他】シフト最適化、登降園管理、検温・記録業務の効率化など

建設業

建設業では、品質や安全管理にAIが活用されています。建設現場の担当者が作業内容をデータ入力することで、遅延が発生する作業や事故・ミスが発生する事故を予測してくれるのです。AIによる高精度の予測を活用すれば、事故の発生や工事の手戻りが防止できます。

【その他】建設物の制振制御、劣化箇所の検出、工程管理の予測など

農業

農業では、収穫量の予測や効率的な栽培管理などに、AIが活用されています。生育状況や病気、日照などの状況による変化がデータで取得でき、過去のデータから生育の傾向が導き出すことが可能です。どの程度の収穫量が見込めるか、どのように栽培していけば良いか判断が下せるようになります。

 【その他】農薬散布、育成環境の自動管理、作物の病気の検知など

自治体

自治体では、AIを活用した業務効率化が行われています。数千人規模の保育所入所選考を従業員が行うと1,500時間かかっていましたが、AI導入で数十分で選考できるようになりました。AIを活用することで、住民サービスの向上に寄与しています。

 中小企業におけるAI活用の成功事例

最後に中小企業におけるAI活用の成功事例をご紹介します。

製品検査の時間を約40%削減(株式会社ヨシズミプレス)

ヨシズミプレスのホームページ画面 人々が並んでいる様子
出典元:株式会社ヨシミズプレスオフィシャルサイト

株式会社ヨシズミプレスは、月50万個の製品の目視検査で、検査員6名で約10日間作業していました。品質が厳しい製品のため、小さな傷や変形を見落とさないなど神経を使用する作業です。この外観検査をAIで自動化することで、外観検査の時間が40%削減。検査員が目視で検査する製品数が95%削減することができました。

生産ロスを約50%削減(株式会社山本金属製作所)

ロボットが作業する様子 株式会社山本金属製作所オフィシャルサイト
出典元:株式会社山本金属製作所オフィシャルサイト

株式会社山本金属製作所では、他社との差別化、付加価値向上の必要性を感じて自社のオペレーション最適化を目指していました。そこで、工具の寿命検知を予測できるAIシステムを導入。

工具の寿命を予測することで、工具の交換回数を減らすことに成功しました。また、予期せぬ停止を防止することで、生産ロス削減の効果が見込めました。

 メルマガクリック率25%UP(株式会社ピーチジョン)

ピーチジョンオフィシャルサイト
出典元:ピーチジョンオフィシャルサイト

株式会社ピーチジョンでは、メルマガ作成をAIで自動化しています。お客様の購買情報や閲覧利益から顧客の嗜好を推測し、顧客がメールを開封した瞬間に、おすすめ商品を決定できるAIを導入。

商品画像を自動的に表示し、顧客毎ヘリアルタイム販促に成功しました。レコメンド画像が差し込まれたメルマガを採用することで、メルマガのクリック率は25%増加、売上を3倍に伸ばすことに成功しました。

【まとめ】中小企業もAIを積極的に活用しよう

AIの市場規模は右肩に伸びており、早期にAIを導入するほど競合優位性に立てると言われています。実際に、AIを活用して、業務効率化や生産性向上に成功している中小企業が続々と登場しています。今回は、業界別のAI活用方法までご紹介したため、これを機会にAIの活用を検討してみてください。

※出典元ホームページへのリンク
『IDCJapan株式会社「国内AIシステム市場予測を発表」』
『株式会社ヨシミズプレスオフィシャルサイト』
『株式会社山本金属製作所オフィシャルサイト』
『ピーチジョンオフィシャルサイト

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