中小企業の後継者問題の解決方法は?注目されている新しい仕組みも紹介(地域共創基盤)

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中小企業の後継者問題は深刻化しており、地域経済の縮小が懸念されています。後継者が未定であり、廃業を予定している中小企業が増えており、地域経済が衰退していくと予測されているのです。そのため、廃業を検討されている方は、1度だけ事業承継を考えてみてください。

今回は中小企業の後継者問題について解説します。この記事を読めば、事業承継の重要性から後継者問題の解決策まで分かるようになります。ぜひ、廃業か事業承継すべきか検討する際の参考にしてみてください。

中小企業の後継者問題とは

後継者問題に悩む中小企業・小規模事業者は、どの程度いるのでしょうか?後継者問題を放置するとどうなるのでしょうか?まずは、中小企業の後継者問題について詳しく解説します。

後継者が未定の中小企業は127万社

出典元:中小企業庁「中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題」

中小企業庁「中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題」によると、中小企業・小規模事業者で平均引退年数70歳を迎える経営者は約245万人。その半数の約127万人の経営者が「後継者が未定である」と回答しています。累積黒字が確保できているタイミングで廃業したいと考えている経営者は多く、黒字倒産が大多数を占めていることが中小企業庁の報告書から伺えます。 

約650万人の雇用が喪失してしまう

中小企業・小規模事業者の事業承継問題を放置すると、廃業の急増により2025年度までに約650万人の雇用の場がなくなります。国内総生産(国の経済活動状況を示す数値)約22兆円が失われると予測されているのです。

厚生労働省の調査報告書では、新型コロナウイルス前(2018年)の有効求人倍率は1.61倍でしたが、新型コロナウイルス後(2020年)の有効求人倍率は1.18倍まで落ちました。このような不景気の中で黒字経営の企業が廃業してしまうと、仕事が見つけられず路頭に迷う労働者が増えてしまうことになります。

 地域経済の衰退が加速する

出典元:帝国データバンク「全国企業「後継者不在率」動向調査(2020年)」

帝国データバンク「全国企業「後継者不在率」動向調査(2020年)」によると、中小企業・小規模事業者の後継者不在率は全国的に高い数値を誇ります。これらを放置すると、地域経済の衰退、地域の過疎化が加速してしまいかねません。

 

中小企業の後継者問題の解決策

後継者問題を放置すると、地域経済の衰退や雇用機会の喪失を招くため、廃業前に事業承継と向き合ってみてください。ここでは、後継者問題の解決策(事業承継)について解説します。

 

身内から後継者にする

経営者の子どもや配偶者、親族を後継者に選択する承継方法があります。野村総合研究所「中小企業の事業承継の実態と課題」によると、同族承継の割合は33.4%と最も高い水準を記録しています。

しかし、子供や配偶者に断れることも珍しくありません。また、経営者としての資質・能力を持つ人が見つからない悩む方も多いです。事業承継のための教育が想像以上に大変だと廃業を選ぶ方もいます。

従業員を後継者にする

従業員を後継者に選択する承継方法もあります。普段から一緒に働いている従業員であれば、資質・能力があるか見極めやすいです。また、社内や取引先からも同意が得られやすく、引き継ぎもスムーズに行えます。他の従業員から信頼を得ている役員・従業員がいる場合におすすめの承継方法です。

(参考: https://100years-company.jp/articles/inheritance/040044

外部から後継者を雇用する

外部の第三者を後継者に選択する承継方法があります。別会社を経営している有能な人材を後継者にできれば、シナジー効果が出て事業拡大・事業成長に繋げられるでしょう。しかし、有能な人材を雇用する場合は、事業に不安要素があったり、多額の負債があったりすると断られてしまいます。有能な人材が納得できるように事業を整えておく必要があります。

M&Aによる事業承継

M&Aを活用して事業承継する方法もあります。M&Aの買収側企業が事業を引き継いでくれるため、従業員の雇用を守ることができます。また、会社を売却すれば多額の売却益を獲得できるため、M&Aによる事業承継を選択する経営者が増えてきました。

事業引継ぎ支援センターを利用する

事業引継ぎ支援センターを利用して事業承継する方法もあります。事業引継ぎ支援センターは、後継者問題に悩んでいる経営者の支援サービスを提供している公的機関です。

後継者問題に悩んでいる経営者と起業を検討している起業家をマッチングさせるサービス「後継者人材バンク」を提供しています。公的機関のため支援サービスは基本的に無料で、事業承継に関する知識がなくても丁寧に教えてもらえることが大きな特徴です。

後継者マッチングサイトに登録する

後継者マッチングサイトを利用して事業承継する方法もあります。後継者マッチングサイトとは、後継者を探している会社経営者と事業を引き継ぎたいと考えている人をマッチングさせるサービスです。オンラインサービスのため、全国から後継者を募ることができ、募集要項に合う人を探しやすくなります。

コンサルティング会社へ相談する

どのような方を後継者にすれば良いか分からない場合は仲介会社へ相談してみても良いでしょう。コンサルティング会社へ相談をすれば、ヒアリングをしてくれて最適な事業承継の方法を提案してくれます。

豊富な事業承継の実績を持つ仲介会社であれば、豊富なネットワークを活用して悩みを解決してくれます。

 (参考:https://masouken.com/M&A%E3%82%84%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E6%89%BF%E7%B6%99%E3%81%A7%E5%BE%8C%E7%B6%99%E8%80%85%E4%B8%8D%E8%B6%B3%E3%81%AE%E8%A7%A3%E6%B1%BA%E3%83%BB%E5%AF%BE%E7%AD%96

 

事業承継の新しい仕組み「地域共創基盤」とは?

中小企業の後継者不足の問題を解決する方法を紹介しましたが「地域共創基盤」という新しい事業承継の方法が注目を浴びています。地域共創基盤とはどのような仕組みなのでしょうか?ここでは、注目を浴びている「地域共創基盤」について詳しく解説します。

事業承継の資金不足の問題まで解決

事業承継には、株式譲受の資金や相続税の納税資金、運転資金など多額の資金が必要です。身内や従業員から後継者を見つけられても、事業承継の資金不足が原因で断念されることも珍しいことではありません。

地域共創基盤は、サービス運営会社のCFOジャパンが株式取得をするため、事業承継の資金を用意する必要はありません。事業資金の問題が解決できれば、身内や従業員を後継者にできます。CFOジャパンが提供する「地域競創基盤」は、地域経済活性化のための事業承継を考える経営者を手厚く応援してくれるサービスです。

人材戦略・財務戦略・経営戦略をサポート

CFOジャパンは中小企業の事業承継を支援しているため、豊富なノウハウ(人材戦略・財務戦略・経営戦略)を保有しています。プロ人材紹介事業でスカウトしてきたマネジメント人材の派遣、コンサルティング事業で支援してきた経営ノウハウ、そして財務戦略を駆使して、経営チームとして後継者候補をサポートする点も心強いです。資金面のサポートだけではなく、人材戦略・財務戦略・経営戦略をもサポートしてくれるため、地域経済の活性化のために、事業承継したいという希望を叶えてもらえます。

事例:株式会社カネジョウ(長野県)

株式会社カネジョウは長野県岡谷市にある婦人服の店舗です。1885年創業と130年以上の歴史を持ち、地域の人々に長く愛されてきました。一時は拡大路線の歪みから赤字が続き債務超過に陥っていました。このような状況の中、創業家の小口博毅氏が7年前に5代目として代表を引き継ぎ、初年度から黒字化、弛まぬ努力により債務超過を脱することに成功しました。しかし、代表就任時より体調面の不安、社内改革の遅れといった課題も抱えていたため、債務超過を解消した初年度から事業承継先を外部に求めていました。そのような中で地域活性化に貢献できるサービス「地域共創基盤」を利用することに決めました。

「地域共創基盤」は、バイアウトファンドとは異なり、売却を前提とした買収ではありません。単体企業としての競争力を高めつつ、事業シナジーが見込まれる企業への投資も継続的に行うことで「地域共創基盤」グループを作り、この取り組みにより生まれたキャッシュフローで給与等の処遇改善、雇用及び投資を生み、地域経済活性化への貢献を目指します。

株式会社カネジョウのように地域の方から長く愛された中小企業・小規模事業者の後継者問題を解消することで地域活性化が図れることが「地域共創基盤」の魅力です。

(参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000069158.html

 

【まとめ】中小企業の後継者問題は「地域共創基盤」で解決

中小企業の後継者問題は、誰を後継者に選ぶかだけでなく、株式譲渡や相続税など資金面の問題やノウハウ面の問題などが出てきます。身内や従業員を後継者に選びたいけれど、事業承継に関する資金面に不安だという悩みを解決してもらえるサービスが「地域共創基盤」です。

地域共創基盤は地域活性化を目的として誕生したサービスです。地域共創基盤を活用した複数の企業と今後シナジーを生み出すこともできるという点でも大きな注目を浴びています。

事業承継の後継者や資金面が不安だけれども、地域や従業員のために会社を残したいという方は「地域共創基盤」を検討してみてください。