未来を見据えた新たな都市空間、高輪ゲートウェイシティが2025年3月27日に開業します。世界と日本、地域や世代をつなぐこの街は、ビジネスや観光、そして日常を楽しむすべての人に特別な体験を提供します。ここでは概要と注目のポイントをご紹介します。
- 高輪ゲートウェイシティ(TAKANAWA GATEWAY CITY)とは?
- 高輪ゲートウェイの注目ポイント12選
- 1.「THE LINKPILLAR」シリーズ
- 2.ルミネ史上最大規模の商業施設「ニュウマン高輪」
- 3.パブリックレルム:四季を感じながら人々が集い交流する広大な公共空間
- 4.高輪ゲートウェイ駅が次世代の駅へ進化
- 5. Gateway Parkで楽しむ、魅力的な夜と日常
- 6. 2026年春開館!文化施設「モン タカナワ: ザ ミュージアム オブ ナラティブズ」
- 7.「TAKANAWA GATEWAY Convention Center」—未来を見据えた多目的MICE施設
- 8. JWマリオット・ホテル東京で極上の体験を
- 9. 広域スタートアップエコシステム――未来の課題解決を目指して
- 10. 地球益、ノンカーボンの実現
- 11. 高輪築堤跡の保存と公開に向けた取り組み
- 12. 高輪ゲートウェイの新モビリティ「みなのり」とは?
- 最後に|未来へつながる高輪ゲートウェイシティに注目!
高輪ゲートウェイシティ(TAKANAWA GATEWAY CITY)とは?
高輪ゲートウェイシティ(TAKANAWA GATEWAY CITY)は、JR東日本グループが2025年3月の開業を目指して開発を進めている大規模な都市開発プロジェクトです。このプロジェクトは、東京都港区高輪エリアに位置し、鉄道発祥の地としての歴史を活かしながら、未来の都市づくりを目指しています。
【特徴と目的】
(1)100年先の心豊かな暮らしのための実験場
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- 高輪ゲートウェイシティ(TAKANAWA GATEWAY CITY)は、次世代の暮らしや働き方、文化の創造を目的とした実験場となることを目指しています。
- 開発コンセプト「Global Gateway」に基づき、多様性や文化を融合した都市空間を形成します。
(2)都市開発と文化の融合
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- 都市開発の新モデル一般的な不動産開発を超え、鉄道と都市が連携した「まちづくり×駅」のシナジーを追求。
- 文化創造の推進「文化創造棟」を中心に、文化活動や多様なプレイヤーの交流を促進し、新しい価値を生み出す場を提供。
(3)地域活性化と連携
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- 地方の文化や魅力を発信し、東京と地方を結びつける取り組みを推進。
- 山手線直結という立地を活かし、来訪者の増加による経済効果を期待。
(4) 経済的・社会的価値の創出
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- MICE(会議や展示会)や観光促進を通じた経済活性化。
- 長期的な視点で地域の発展や社会貢献を図る。
(5)JR東日本の強みの活用
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- 鉄道事業で培った信頼性やネットワークを活かし、日本国内外に新たな都市モデルを発信。
【開発の背景】
このプロジェクトは、JR東日本が持つ高輪エリアの広大な車両基地跡地を活用して進められています。鉄道発祥の地としての歴史的意義を重視しながら、地域住民や企業との協力を通じて未来志向の街づくりを展開しています。
高輪ゲートウェイの注目ポイント12選
まちびらきをこの春に控え、注目ポイントを先取りしてご紹介します。
1.「THE LINKPILLAR」シリーズ
高輪ゲートウェイシティの象徴ともいえる「THE LINKPILLAR」シリーズは、オフィス、ホテル、商業施設を備えた複合施設群であり、都市の中心として注目されています。開業順にご紹介します。
【2025年3月に開業】
〇「THE LINKPILLAR 1 NORTH」と「THE LINKPILLAR 1 SOUTH 」
オフィス、ホテル、商業施設が入る複合棟で、高輪ゲートウェイ駅に隣接する利便性の高いロケーションが特徴です。
「ニュウマン高輪」が地上1~5階に展開し、約200店舗のショッピングや食体験を提供します。高層部には大手企業のオフィスが入居予定で、ビジネス機能も充実しています。
【2026年グランドオープン】
〇「THE LINKPILLAR 2」
泉岳寺駅に隣接する大規模複合棟で、さらなる商業エリアやオフィス空間が追加されます。
〇「TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE 」
住宅と学校が入る施設として、住環境と教育の新しい形を提案します。
2.ルミネ史上最大規模の商業施設「ニュウマン高輪」
高輪ゲートウェイシティの中心には、ルミネ史上最大規模の商業施設「ニュウマン高輪」が誕生します。 「ニュウマン高輪」は、「THE LINKPILLAR 1 NORTH」「THE LINKPILLAR 1 SOUTH」「THE LINKPILLAR 2」の3棟をまたぐ形で展開され、ルミネ史上最大規模の商業施設です。
- 約200店舗が集結し、最新のフードテックを取り入れたレストラン、親子で楽しめる書店、日本文化をテーマにした雑貨店など、新しいライフスタイルを提案するショップが勢ぞろいします。
- 延床面積約6万平方メートルの広大な空間は、買い物だけでなく、多彩な体験を楽しめる場所として設計されています。
- 「まだ見ぬ生活価値」を発見できる、まさに未来志向の施設です。
3.パブリックレルム:四季を感じながら人々が集い交流する広大な公共空間
「高輪ゲートウェイシティ」では、街に活気と彩りをもたらすために、約4ヘクタールにも及ぶ広大な公共空間(パブリックレルム)を整備します。この空間は、江戸時代の「東海道五十三次」からヒントを得た「53 Playable Park」というコンセプトに基づいて設計され、遊びや交流を楽しめる広場や通りが南北約1km以上にわたり点在しています。
このエリアの特徴として、空間の半分以上が在来種を中心とした豊かな緑で彩られ、周辺の水の流れや地形、植生を活かすことで、日本の四季の美しさを体感できるデザインとなっています。また、この空間は、地域の人々が交流したり、環境保全活動を行ったりする場としても活用される予定です。
4.高輪ゲートウェイ駅が次世代の駅へ進化
高輪ゲートウェイ駅には街へと続く南改札が新たに新設され、利便性が向上します。 駅構内には、芝生ファニチャーを配した多目的空間「EKI Park」が誕生。リラックスした雰囲気の中で交流が楽しめ、まるで公園のような心地よさを提供します。
5. Gateway Parkで楽しむ、魅力的な夜と日常
高輪ゲートウェイシティの中心、「Gateway Park」は、賑わいと交流が生まれる特別な空間として誕生します。訪れる人々を引きつける多彩なプログラムと魅力的なイベントで、日中から夜まで新しい体験を提供します。
日中の魅力多様な人々が集う交流の場
【活気あふれるマルシェ】
地元の特産品や旬の食材が並ぶマーケットでは、買い物だけでなく、人と人とのつながりを楽しむことができます。
【未来を体験するシアター 】
高輪ゲートウェイシティの未来を先行体験できるシアターでは、インタラクティブな展示や映像が楽しめます。未来の街の姿を、視覚や感覚を通じて体験できる特別な空間です。
【アートインスタレーション】
鮮やかなアート作品が随所に配置され、散策するだけで視覚的な楽しさと発見に出会えます。アートを通じて新しい発想や感動を感じていただけます。
夜の魅力ナイトタイムエコノミーを楽しむ特別な時間
【ナイトミュージアム&バー】
国内初となるキネティック・アートを取り入れたナイトミュージアムが登場。動きと光が織りなす幻想的な空間を堪能した後は、併設されたバーでゆったりとしたひとときを。街の夜を彩る特別なスポットです。
【幻想的な照明や噴水の演出】
夜間に街を幻想的に演出する照明や噴水のプログラムが展開されます。このプログラムは、かつて高輪が港として栄えた情景をイメージし、建物の外装やプロムナードを光で彩るものです。
主な特徴として、建物を「帆船」に見立てた照明演出があり、約700個のLEDライトがプロムナードに埋め込まれ、未来への旅立ちを象徴する光のショーが行われます。また、Gateway Parkでは、季節や光の演出に連動した噴水ショーも予定されています。
具体的な演出例には以下のものがあります。
「帆のはためき」:建物を帆船に見立て、光で帆が風になびく様子を再現。風速センサーを使って光の動きを変化させることで、街の環境を視覚的に表現します。
「フォローウィンド」:北風を吉兆の象徴として捉え、光で帆がはためく様子を演出。建物の低層部には波のような水飛沫の演出も加わります。
これらのプログラムにより、高輪ゲートウェイの夜は動的で魅力的な空間となり、訪れる人々に特別な体験を提供します。
6. 2026年春開館!文化施設「モン タカナワ: ザ ミュージアム オブ ナラティブズ」
近代的な高層ビル「LINKPILLAR」に対して、一段と有機的で目を引くデザイン。それが、2026年春に開業する文化施設「モン タカナワ」です。
隈研吾氏が手掛けたデザインの「モン タカナワザ: ミュージアム オブ ナラティブズ」は、地上6階・地下3階建ての複合文化施設として誕生します。施設のテーマは「100年先へ文化をつなぐ」。伝統と現代、過去と未来を融合し、新たな物語を紡ぐ場所として、次世代へ文化を継承する役割を担います。この施設の注目のポイントをご紹介します。
(1)1,200席のライブシアター「ボックス1000」
ライブ・パフォーマンス空間として約1,200人を収容可能なスペースで、音楽や舞台芸術など迫力あるライブイベントを楽しめます。 夜には最新技術を駆使したコンサートやパフォーマンスが開催され、音楽や舞台芸術をダイナミックに楽しむことができます。
(2)展示室
約1,500平方メートルの広大な空間で、大規模な展覧会や最先端のイベントを開催。
オルタナティブスペースDJイベントやパブリックビューイングが楽しめる自由な空間に加え、畳スペースで和文化を体感できる特別な体験もできます。
シーズンごとに設定されたテーマを基に、アート、サイエンス、ポップカルチャーを融合させた多彩なイベントが展開されます。
(3)巨大本棚
巨大本棚、書籍やグッズ、アナログメディアのアーカイブが並ぶ、文化に触れる楽しさを提供する空間として訪れる人々に新たな発見と学びの喜びをもたらします。
(4)屋上庭園
スパイラルの頂点には、草木や果樹、野菜が植えられた屋上庭園が広がります。足湯やテラスからは絶景を楽しむことができ、都市の喧騒を忘れさせる癒しのひとときを提供します。
(5)建築美
【日本在来種の植栽とスパイラルデザイン】
建物は日本在来種の植物で覆われ、四季折々の表情が楽しめる緑豊かな外観が特徴です。スパイラル状のデザインが建物全体に自然な流れを生み出し、訪れる人々に調和と一体感を感じさせます。
【屋内外がシームレスにつながる空間】
エレベーターや階段を使わず、ゆるやかなスロープを歩きながら屋上庭園までアクセス可能な設計。屋内外の境界をなくす理念に基づき、まるで自然の中を散策しているような感覚を味わえます。
【自然光と木材を活かしたデザイン】
建物の随所にガラスと木材を使用し、自然光をふんだんに取り入れた明るく開放的な空間。ガラスの透明感と木材の温かみが絶妙に調和し、柔らかな雰囲気を演出します。
【文化と未来を結ぶ「物語」づくり】
伝統文化に現代の価値観やテクノロジーを融合させ、新しい「Narrative(物語)」を創出。ライブパフォーマンスや展覧会だけでなく、和文化、アート、サイエンス、アカデミックなど、多様な視点を取り入れた分野横断型プログラムが展開されます。
(6)夜に訪れる新たな文化の舞台「モン タカナワ」で特別なひとときを
「モン タカナワ:ザ ミュージアム オブ ナラティブズ」は、昼間の賑わいに加え、夜間も多彩な体験を楽しめる特別な文化施設です。スパイラル状の建物がライトアップされ、幻想的な雰囲気に包まれる夜のモン タカナワは、一段と魅力的です。
■多用途スペース「ボックス300」
夜間にはDJイベントやパブリックビューイングが展開され、自由で創造的なエネルギーにあふれた空間に。実験的なアートやパフォーマンスを間近で体感できます。
■「月見テラス」での癒しの時間
夜景を眺めながら足湯を楽しむ「月見テラス」は、都会の喧騒を忘れさせるリラックス空間です。季節に合わせたライトアップや特別イベントも予定されています。
■ライトアップで輝く建築美
「モン タカナワ」の建物全体がライトアップされ、自然と調和したスパイラル構造が美しく浮かび上がります。緑豊かな外壁と光の演出が融合し、まるで大きなアート作品の中を散策しているような気分に。
7.「TAKANAWA GATEWAY Convention Center」—未来を見据えた多目的MICE施設
高輪ゲートウェイシティに新たに誕生する「TAKANAWA GATEWAY Convention Center」は、最新技術と洗練されたデザインが融合した次世代型MICE施設です。2025年3月のまちびらきに向け、2024年7月1日より予約受付を開始しました。施設の特徴は次の通りです。
(1)国内最大級の駅直結MICE施設
〇「LINKPILLAR Hall」
約2,000名を収容できる多目的ホールを中心に、合計15室の会場を備えています。
【高機能設備】
高解像度プロジェクターや300インチスクリーン、リアルタイム映像配信インフラなど、リアル・オンラインの両方で利用可能な最新設備を完備。
(2)洗練されたデザインと快適な環境
【地域性の反映】
コンベンションフロアには、品川湊の光の揺らぎをイメージしたデザインを採用。プロフィリットガラスと杉材ルーバーで上質な空間を演出。
【多彩な空間】
会議の合間にリフレッシュできるガーデンテラスやワーキングスペース付きのカンファレンスロビーなど、参加者の多様なニーズに応えます。
(3) 街全体を活用した「街ごとMICE」
【駅前広場の活用】
約6,500㎡の広場をイベントスペースとして利用可能。
【広告展開】
街の広場や駅構内での広告掲示によるブランド認知度向上を実現。
【周辺施設との連携】
JWマリオット・ホテル東京、文化創造棟、トラベルセンターなどとの連携で、24時間滞在を楽しめる環境を提供します。
(4)抜群の交通アクセス
高輪ゲートウェイ駅直結で、羽田空港から約17分、成田空港から約60分。
新幹線の停車駅にも近く、国内外からのアクセスが非常にスムーズ。
(5)サステナブルな取り組み
【環境認証】
世界基準のLEEDゴールド認証を取得した設計で、エネルギー効率や資源利用を最適化。
【循環型システム】
ケータリングの食品残渣をバイオガス設備で再利用するなど、サーキュラーエコノミーを推進。
【ペーパーレス対応】
環境に配慮した会議運営を積極的にサポート。
(6)利用シーン
【国際会議】
最新設備でグローバルな情報交流を実現。
【セミナー・展示会】
分割可能な会場で、多様な規模のイベントに対応。
【企業イベント】
株主総会、製品発表会、決算説明会など、用途に応じた柔軟な運営が可能。
さらに、「TAKANAWA GATEWAY Travel Service Center」(1階)では、海外からのゲストに向けて、旅の計画をサポートするサービスを提供。会議や講演の前後に快適でスムーズな移動体験をお届けします。
8. JWマリオット・ホテル東京で極上の体験を
コンベンションセンターを訪れるビジネス利用者や国際会議参加者にとって、同施設の高層階に位置する「JWマリオット・ホテル東京」は、ラグジュアリーな滞在先として理想的な選択肢となります。
禅の理念を取り入れた客室で、深い藍色をアクセントにした繊細なデザインが、心に安らぎをもたらします。
レストランとバーでは、イノベーティブなヨーロピアン料理から寿司バーまで、7つのダイニングで多彩な美食を堪能できます。
プール・スパ・フィットネスは、都心を一望できる贅沢な施設で、ビジネスの合間にリフレッシュできます。
9. 広域スタートアップエコシステム――未来の課題解決を目指して
技術革新や持続可能性、社会実装に関心のある方、また、最新技術やビジネスモデルを活用して自社の成長戦略を加速させたい企業にとって、注目すべきポイントが「TAKANAWA GATEWAY CITY」の広域スタートアップエコシステムです。
「TAKANAWA GATEWAY CITY」は、世界中の社会課題に取り組むスタートアップやアカデミアを結集し、次世代のソリューションを生み出すための日本最大規模の「未来への実験場」として環境、モビリティ、ヘルスケアを重点テーマに、社会実装までを見据えたスタートアップエコシステムを構築しています。 多様な人材と技術が結集し、新たな価値を創出するハブとしての役割を担っています。
広域スタートアップエコシステムでは「TAKANAWA GATEWAY Link Scholarsʼ Hub」を核に、多様な知と技術が交差する場を提供。国内外のスタートアップ100社以上を支援します。以下の特徴があります。
(1)都市OSとデータ基盤を活用
鉄道データや街のデータを活用した分析ができます。
(2)専門家のサポート
弁護士や税理士などの専門知識の提供があります。
(3)実証実験の機会
街全体を活用した実験フィールドを提供しています。
(4)スタートアップ支援施設 「TAKANAWA GATEWAY Link Scholarsʼ Hub 」
この施設には以下の特徴があります。
【Studio 1~3】
コワーキングスペースを中心に、アクセラレーターやベンチャーキャピタルが参加。実証実験エリアで新しいサービスを体験できます。
【Lab】
環境・ヘルスケア関連の基礎研究設備を備え、ディープテック系スタートアップの初期投資を軽減できます。
(5)グローバル連携とプログラム
東京大学やNUSとの協力し、100年単位での長期的支援を目指し、プログラムを通じてスタートアップの成長を促進しています。
また、シンガポールのBLOCK71などとの連携で、日本のスタートアップの海外展開も支援しています。
(6)「未来への実験場」としての価値
「TAKANAWA GATEWAY CITY」は、約10万人の来街者を対象とし、イノベーションを生み出す街として機能します。この場所で実証されたサービスや技術は、日本全国、そして世界へと展開されます。
*重点テーマは次の通りです。
【環境】
次世代型物流(FCトラックによる配送)。
アップサイクル(古着の再生・販売)。
サーキュラーエコノミーの促進。
【モビリティ】
ロボットによるフードデリバリーや清掃・警備。
次世代モビリティの導入(1km以上のプロムナードでの活用)。
【ヘルスケア】
スマート健康ステーション™での最先端サービス。
移動データと連携した飲食デリバリー。
10. 地球益、ノンカーボンの実現
高輪ゲートウェイシティは、JR東日本が掲げる「ゼロカーボン・チャレンジ2050」の先導プロジェクトとして、街全体でCO₂排出量「実質ゼロ」を目指すノンカーボン都市のモデルケースです。この街では、再生可能エネルギーを活用した省エネ・創エネ技術やエネルギーマネジメントシステムを導入し、効率的なエネルギー利用を実現しています。特に、水素エネルギーの活用が特徴で、水素燃料電池を駅構内や物流、モビリティに活用し、将来的には街内で再生可能エネルギーから水素を製造する計画も進められています。また、食品廃棄物からバイオガスを生成し、街で利用することで廃棄物削減とエネルギー循環を実現。これらの取り組みを通じて、街そのものが地球環境に優しく、持続可能な未来を支える都市モデルの実現を目指しています。
また、高輪ゲートウェイシティでは、地球環境に配慮した持続可能な都市のモデルを目指し、「地球益」を中心とした新たな価値創造に取り組んでいます。この理念に基づき、JR東日本は2024年12月に「高輪地球益ファンド」を設立し、環境、モビリティ、ヘルスケア領域のスタートアップを支援します。このファンドは、街全体を実証フィールドとして活用し、地球と人間が調和する利益の実現を目指した技術やサービスの社会実装を促進します。
さらに、ビジネス創造施設「LiSH」を拠点に、スタートアップと地域のパートナー企業が協力し合うエコシステムを構築。イベント「GATEWAY Tech TAKANAWA」では、ピッチコンテストを通じて革新的な事業アイディアを募集し、優れたアイディアにはファンドからの出資や実証実験の支援が行われます。これにより、地球規模の社会課題に対するソリューションを創出し、持続可能な未来の実現に向けて具体的な成果を目指します。
11. 高輪築堤跡の保存と公開に向けた取り組み
高輪築堤跡は、1872年(明治5年)に日本初の鉄道が新橋・横浜間に開業した際、高輪海岸沿いに敷設された鉄道敷設の遺構で、日本の近代化を支えた重要な歴史的遺産です。この遺構は発掘調査によって良好な状態で出土し、2021年には国の史跡に指定されました。JR東日本は、この歴史的価値を継承しながら、2027年度の現地公開を目指し保存と活用を進めています。
高輪築堤は、日本の歴史と未来を体感できる観光スポットとして生まれ変わります。約150年前の日本初の鉄道を支えた高輪築堤の遺構では、ARやVR技術を活用した当時の鉄道の再現が楽しめ、歴史好きな観光客にとって貴重な学びの場となります。歴史的景観と現代的デザインが融合したフォトジェニックな空間は幅広い世代に楽しみを提供し、主要都市や空港からのアクセスの良さも魅力です。これらの要素が一体となり、国内外の観光客にとって日本の歴史と未来を感じられる唯一無二のスポットとなります。
12. 高輪ゲートウェイの新モビリティ「みなのり」とは?
「みなのり」は、TAKANAWA GATEWAY CITYと高輪エリアを結ぶオンデマンドモビリティサービスで、2024年11月に実証運行がスタートしています。このサービスは、駅周辺の交通課題を解決し、地域の利便性や活気を高めることを目指した新たな移動手段です。
「みなのり」の特徴
(1)交通課題の解決
高輪ゲートウェイ駅周辺は、南北方向の交通手段は整備されているものの、東西方向の移動が不便で、特に急な坂や狭い道が多い高輪・白金エリアでは移動が大変です。「みなのり」は、この空白地帯を補完する形で導入されます。
(2)オンデマンド型の柔軟性
予約制で運行され、利用者が指定した出発地から目的地まで運ぶサービス。半径約2kmのエリア内で20箇所の乗降スポットを設置し、朝8時から夜20時まで運行予定です。
専用アプリや電話で簡単に予約でき、交通系ICカードやクレジットカード決済が利用可能です。
(3)地域住民と観光客を支援
高齢者や子育て世代を意識した料金プランを設定(ワンタイム500円、回数券2,300円、月定額9,000円)。港区コミュニティバス乗車券保持者や小学生には割引もあります。
観光利用も視野に入れ、観光客にとっても高輪エリアを快適に移動できる手段を提供します。
(4)持続可能なモビリティ
小型で環境に配慮した車両を使用し、地域に根ざした安心感のあるサービスを目指します。固定ドライバーによる運行で利用者との信頼関係を構築します。
(5)デジタル技術を活用した効率化
KDDIのデータ分析技術を活用し、乗降スポットの配置や運行ルートを最適化。利用者のニーズに応じた柔軟な運行を実現します。
観光客にとってのメリット
「みなのり」は、急な坂や狭い道が多い高輪エリアでの観光を快適にし、TAKANAWA GATEWAY CITYや白金・白金台エリアへのアクセスを便利にします。鉄道駅と直結するため、観光目的で訪れる人々にも利便性が高く、地域全体の魅力を向上させるサービスです。
「みなのり」は新しい移動手段として地域に活気をもたらし、観光客と住民の双方にとって価値のあるサービスになることが期待されています。
最後に|未来へつながる高輪ゲートウェイシティに注目!
新幹線や羽田空港からのアクセスが抜群な高輪ゲートウェイシティは、海外からの来客や観光客はもちろん、国内ビジネスの拠点としても大きな注目を集める街です。ショッピングやイベント会場としての魅力に加え、都市OSを活用した社会課題解決や最先端技術が集結するこの場所は、世界中から注目される新しいイノベーションの拠点となるでしょう。
昼間は活気あふれるマーケットや最新の体験型シアターで、夜はライトアップされた幻想的な景観やナイトイベントで、昼夜それぞれ違った楽しみ方を提供します。2025年のまちびらきを皮切りに、高輪ゲートウェイシティは未来の暮らしを体験できる魅力的な街として、訪れるすべての人々を迎え入れることでしょう。ぜひ、新しい都市の息吹を感じに足を運んでみてはいかがでしょう。
※参考文献
新MICE施設「TAKANAWA GATEWAY Convention Center」誕生!
「TAKANAWA GATEWAY CITY」を拠点とした広域スタートアップエコシステム~100社以上のスタートアッ
「高輪地球益ファンド」の設立について