みなさん。こんにちは。今回は次世代のプロジェクトワークスペースサービス「LibeLi-io」を運営している金 誠樹氏へのインタビュー記事を掲載します。このサービスを立ち上げるまでの経緯、今後の方向性について語っていただきました。
山口県出身でオーストラリアの大学を経て、韓国のIT系企業に務める。4年間韓国での滞在を経て日本に帰国し、SIer企業にてプログラマー、SEとして大手航空業界の航空システムや工場のラインシステムなどを開発。
その後NHNJapan、SEGAといったエンターテインメント企業にてプロジェクトマネージャーや組織マネジメントに従事。
SEGAではスマートフォンゲームの海外事業立ち上げから参画し開発部隊の責任者として組織立ち上げを行い、海外事業を牽引。
事業会社を経た後はフリーランスのPMとして数々のプロダクト開発のプロジェクトに参画。
19年間のプロダクト開発経験から2020年初頭よりLibeLi-ioの構想を立ち上げ、2021年7月に現在のLibeLi-ioを設立。
ーー「LibeLi-io」について教えてください。
金 誠樹氏(以下、略称):LibeLi-ioは、システム開発や新規事業といったあらゆるプロジェクトでの活用されることを目的に開発をした次世代のプロジェクトワークスペースで、主にできることは3つあります。
1つ目は、チーム内で目線を合わせをしつつ、プロジェクトの進め方(プロセス)を作成し常にゴールまでの道のりを共有しあえること、2つ目は、1つ目で作ったプロジェクトのプロセスに対しアウトプットドキュメントを作成することができ、直感的な管理が行えることです。
3つ目は現在開発中で2022年9月にリリースを予定していますが、プロセスをマイルストーンとみたて、スケジュールやアサイン、またサブタスクの追加が行えるプロジェクト管理機能と、プロセスごとにファイルなどをアップロードできるファイルドライブ機能です。
アウトプットドキュメントに関してもう少し説明を加えますと、シーンに応じたフォーマットを用意しており、メンバーで共有しながら活用することができます。
以下が例になりますが、様々なシーンを想定したドキュメントフォーマット群を用意しています。
・ウィキ:マークダウン形式を用いてリッチな文章ドキュメントを作成することが可能
・作図系フォーマット:メンバーでリアルタイムコラボレーションを行いながらワイヤーフレーム、ビジネスモデル図、業務フロー、シーケンス図など様々な作図が行える種類別フォーマットがあり、それぞれの作図に特化した機能が備わっている
・ユーザーストーリーマッピングに特化したカンバンボードスタイル:チームでカンバン形式のボードを活用し、ペルソナの定義、ユーザーフローの可視化、プロダクトの要件をまとめることが可能
・描いたワイヤーフレームまたは、外部ツールで作成したワイヤーフレーム画像を取り込み、プロトタイプシミュレーションを作成できるプロトタイプフォーマット
・オンラインホワイトボードのように使えるフリースタイルフォーマット など
ーーなるほど、これがあるとビジネスサイドの人もエンジニアも同じ目線に立てますね。
金:そうですね。新規事業やプロダクトを作る際に、要件を出すビジネスサイドとそれを受け取るエンジニアサイド間で多々情報共有の事故や要件や意図の食い違いが発生しています。これは昔から今まで変わることのない大きな課題の一つだと感じており、LibeLi-ioを活用することでビジネスサイドの人でも、エンジニアでも、「LibeLi-io」で見ながら、コミュニケーションが取ることができるようになるので、非常に効率的です。
また、最近スクラムやアジャイル開発で行われるケースが増えてきていますが、その場合、みんなでホワイトボードで議論して進めますが、参加しているメンバーの誰かがその内容を書き残さないと、内容を忘れてしまったりということが起こります。
そうなると、後からその情報を探すために、膨大な時間を浪費してしまうことがありましたが、「LibeLi-io」を活用すれば、ホワイトボードを使わずに済みますし、欲しい情報もすぐに見つかります。そのうえ、単なる情報共有だけでなく、スケジュール管理やローカルで作成した資料をプロセスごとに格納することにより、プロジェクトの全てをこのLibeLi-ioひとつで推進することが可能です。
まさに、プロジェクトの推進、チームのコラボレーション強化、スケジュールの管理、アウトプットの作成およびその情報共有と管理を全てこれひとつで実現することができるんです。
ーーなるほど、それは本当に効率的になりそうですね。次に、このサービスを開発しようと思ったきっかけについて教えてください。
金:私がIT業界に入ってから、もう19年ぐらいになるのですが、プロマネとして色々な開発プロジェクトに携わってきて、メンバー間での目線を合わせることであったり、ドキュメント管理であったり、結構細かいことで時間を取られざるを得ないことがありまして、プロジェクト業務は非効率的なことが多いなと思いました。
確かに世の中にはいろいろなツールが存在しみんな試行錯誤しつつツールを駆使しながらプロジェクトを進めていますが、やはり多くのツールは点の最適化となっており、全体感をもってプロジェクトの課題を解決できるツールがないため、3年ぐらい前から、これらの課題を自分で解決するしかないなと思い、LibeLi-ioの企画ををスタートさせました。
このLibeLi-ioの企画を始めて今まで、そしてこれからも大切に思っていることとしては、常にプロジェクトを点ではなく全体としてとらえ、全体感をもって利便性が向上されるような仕組みを作り提供していくことを大切にしています。
「LibeLi-io」に関しては、「目線を合わせる」「プロジェクトの進め方を合わせる」そして、ドキュメント管理やスケジュールなどプロジェクトに必要な全てを可視化できる状態にして、さらにはナレッジが貯まるようなプロダクトにしたいと思います。
その結果、プロジェクトマネジメント人材が不足している課題においても、PM教育という観点でも役立てるようなコンテンツを今後も追加開発していきたいと思っています。リアルな進め方が可視化されそれを理解しながら進められるということはPMにとっても今まであまりなかった新しい教育に役立てることができると、私の今までの教育経験上確信しています。
ーー開発資金や開発はどうされていますか?
金:そうですね。開発に関しては、リアルに自分の貯金のほとんどをつぎ込んでα版まで開発を行いました。家族にも家計のやりくりを協力してもらいながら、全身全霊でLibeLi-ioへ情熱を注いできました。その後は、資金調達を行い、β版まで開発してきました。実は、この「LibeLi-io」はベトナムで開発をしているのですが、通常は、海外のエンジニアと話をするときの目線合わせが大変なのですが、このツールを活用することで、非常に効率良く、さらにクオリティー高く開発ができています。
例えば、シーケンス図においては、自動的に横の均等化機能があったり(他社のツールでは、書いているときにずれたりしてやりづらい)、操作的に楽になるようなこだわったものを作り続けています。
ーーなるほど、そうなると対象ユーザーは、PM(プロジェクトマネージャー)になりますか?
金:そうですね。PM(プロジェクトマネージャー)とか、PO(プロダクトオーナー)など、プロジェクトを推進する立場の方になります。あとは、中小企業の経営者もユーザーになります。特に中小企業の場合は、新規事業が盛んに行われているにもかかわらず、仕組化ができてないことが多いので強いニーズがあると思います。
ーー今の導入社数は何社ですか?
金:大手教育系企業、大手ゲーム会社、SIer、ITコンサル会社などの業界で導入されており、日に日に引き合いが増えてきています。新規事業を行う部署からの引き合いもあります。新規事業部署から話があるというのは、大半の新規事業が、ITを活用したサービスという背景があるからだと思います。
実際、某教育系大手企業にて新規事業プロジェクトでの活用をへの導入も決まっており、やはり新規事業で活用されるとのことでした。詳細はお伝え出来ませんが、導入プロジェクトとしては、先ほどお伝えさせていただいた新規事業はもちろん、DX推進、社内業務改善プロジェクト、PM教育などすでに幅広く活用が始まっています。
ーー料金設定はどうなっていますか?
金:他社のツールが結構高いので、それよりも少し安い金額設定にしています。開発回りも徐々に安定してきたため、9月からは完全無料で使えるフリープランをご用意させていただく予定となっております。プロジェクトプロセスの可視化、スケジュール管理、作図やカンバン、WIKIといったあらゆるドキュメントフォーマット、そしてファイルドライブ機能をこの値段で活用できるというだけでも経営者の方々からするとコストダウンとなるため非常にメリットが高いと思っております。
ーー日本以外の国でも展開はされていますか?
金:はい、すでにグローバルへの展開をしています。最初は、アジア圏を中心に展開しようと思っています。
ーー他社のツールとの大きな違いはどこになりますか?
金:他社のツールは、例えば絵を描く機能しかなかったり、ファイル共有機能のみだったり、ある特定の部分に限定された機能になっています。
「LibeLi-io」では、ITのプロジェクト、新規事業プロジェクトに特化したものにしつつ、推進型で一貫した機能ということで継続して活用していただけることを考えています。また今後多くのテンプレートをご用意させていただく予定となっています。
そのためにも、利用者の皆様が使いやすいフォーマットや機能を今後も作っていきたいと思っています。直近では「プロセスを描いて、それに対応したドキュメントをアウトプットしスケジュール管理をしながら推進を行う」というところをもっと手軽に、簡単にできるようにしたいと思います。
ーーそれは素晴らしいですね!お時間頂きありがとうございました!