ホワイトハッカーになる方法

ホワイトハッカーになる方法とは?

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サイバーセキュリティの脅威が増加する中、国を挙げての対策が進んでいますが、基本的には個人や組織ごとの対策を強化しなければ、そのリスクを抑制することはできません。

情報セキュリティへの意識が企業レベルで高まり、近年活躍が期待されているのがホワイトハッカーの存在です。サイバー攻撃に対し、毒をもって毒を制すというコンセプトで注目が集まるホワイトハッカーとは、具体的にどのような役割を果たすのでしょうか。

この記事では、そんなホワイトハッカーの主な役割や、ホワイトハッカーになるための方法、必要な資格などについて、解説します。

ホワイトハッカーとは

ホワイトハッカーとは、高度なコンピューターやプログラミングへの知見を、社会貢献のために活用するハッキング能力に長けた人材を指します。多くの場合、ハッカーとは不正に組織のシステムへ侵入したり、悪意のあるプログラムを埋め込んだりする悪質な存在と考えられていますが、厳密に言えばハッカーはこの限りではありません。

ハッカーにはブラックハッカーとホワイトハッカーという分類があり、高度なハッキング能力を悪用する人を前者、社会貢献に役立てる人を後者と呼びます。IT活用が高度化し、サイバー攻撃も広く散見されるようになったことで、ホワイトハッカーへの注目が高まってきました。

ホワイトハッカーに需要はある?

情報セキュリティ分野において重要な役割を果たすホワイトハッカーの需要は、近年大きくなりつつあります。というのも、サイバー攻撃が世界中で増加傾向にあり、日本も例外ではないためです。

サイバー攻撃は発生件数がただ増加しているだけでなく、企業を狙ったサイバー攻撃の増加が顕著です。企業を標的としたサイバー攻撃が増加しているのは、サイバー攻撃によって身代金を請求したり、金銭的価値のある機密情報を不当に取得できたりすることが明らかになったこともありますが、企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、業務やデータのデジタル化が進んだことも挙げられます。

業務のデジタル化は、生産性向上やコスト削減の面で絶大な効果をもたらしますが、一方で注意しなければならないのがサイバー攻撃です。高度な業務がデジタル化されていながら、セキュリティ対策は一昔前という企業は決して少なくなく、このような組織のシステムは瞬く間にサイバー攻撃の標的となります。

そんな事態を回避するためには、セキュリティ対策をあらかじめ強化しておかなければなりませんが、具体的に何をすれば良いのか、自社のどんなところにセキュリティホールがあるのか、今ひとつわからないというケースも見られます。そんな時に活躍するのがホワイトハッカーで、自社のセキュリティリスクを評価し、必要な対策を施すサポート業務に従事します。

ホワイトハッカーの活躍事例

ホワイトハッカー、あるいはそれに類する人材の募集は、すでに国内外で始まっています。例えばIT最大手の米Googleは、自社サービスのバグを発見したハッカーに対して、最大1.6億円もの報奨金を支払う用意があることを発表しており、Appleも1億円の報酬を提示しています。

高度なハッキング能力を有する人材を高額な報酬で囲い込むことにより、セキュリティリスクを未然に回避する取り組みです。

また、日本においても自衛隊や警察組織における「ホワイトハッカー求人」が見られます。国内外のサイバー脅威から日本や市民を守るための組織作りに注力しており、内部人材の育成と、外部からの優秀人材の確保に取り組んでいるのが特徴です。

ホワイトハッカーとしてリスペクトされている著名人

「WWW(ワールド・ワイド・ウェブ)」の発明で知られるティム・バーナーズ=リー、
アップル社の創業メンバーであり、スティーブ・ジョブズとともに「Apple I」を開発した
スティーブ・ウォズニアック、コンピュータセキュリティ専門家が参加しているカンファレンス「BlackHat」の創設者のジェフ・モスなど今のインターネットの土台を作ったエンジニアになります。

ホワイトハッカーの業務内容

それでは具体的に、ホワイトハッカーはどのような業務に従事するのでしょうか。基本的に、ホワイトハッカーという呼び方は通称であり、組織に属してホワイトハッカーとしての業務を遂行する場合、セキュリティエンジニアなどの職種に割り当てられるケースが一般的です。

ホワイトハッカーの日々の業務は、組織のセキュリティ環境の構築と改善です。各システムやアプリの脆弱性診断を実施し、改善が必要な場合には改修作業などを実施します。また、日々のログなども定期的に確認することで、不正アクセスなどのサイバー攻撃が水面下で発生していないか、サイバー攻撃の予兆は見られないかなどの確認も欠かせません。

ただ、どれだけセキュリティ対策を徹底していても、サイバー攻撃を受けるリスクをゼロにすることはできません。ホワイトハッカーは、実際にサイバー攻撃を受けた際の初動対応から事態の沈静化、事後報告に至るまで、インシデント発生時の対応も任されます。

攻撃の要因を特定したり、どのような被害を受け、被害を食い止めるために必要な指示や対処を実行する責任や権限が、ホワイトハッカーには与えられます。セキュリティ全般業務の多くは、ホワイトハッカーに任せられるものと考えましょう。

ホワイトハッカーになるには

それでは、ホワイトハッカーの職に従事するためには、具体的に何から始めれば良いのでしょうか。ホワイトハッカーは、ハイテクの進化とともに台頭してきたポジションであるため、具体的に「こうすればホワイトハッカーになれる」というルートは定まっていません。しかしホワイトハッカーに共通して言えるのは、いずれの人物も、情報セキュリティ分野における豊富な知識と経験を有しているということです。

ホワイトハッカーを目指すのであれば、まずこの領域におけるエキスパートになるための勉強やキャリアを積み重ねるのが良いでしょう。わかりやすいキャリアプランとしては、セキュリティエンジニアやセキュリティコンサルタント、セキュリティアナリストを目指し、後にフリーランスとして幅広い組織のセキュリティ構築や対策に従事するというものです。

セキュリティエンジニアやセキュリティコンサルタントなどを目指す場合、プログラミングやOS関連の知見は間違いなく必要です。初歩的なプログラミングやコンピューター関連のノウハウを磨くことで、セキュリティに役立てられるスキルを身につけましょう。

ホワイトハッカーに必要なスキル

ホワイトハッカーには、IT関連の高度なスキルセットが求められます。プログラミングの知識はもちろんですが、プログラミングを実践できるノウハウを身につけていることが大前提です。

また、あらゆるサイバー攻撃から身を守るためには、Webアプリケーションだけでなく、OS関連の知見も必要です。ミドルウェアについて詳しい人材はさらに少数であるため、積極的に知識を身につけ、現場で活かせる機会を大切にしなければなりません。

情報セキュリティを考える上では、日本や世界のサイバー犯罪関連の法律に詳しいことも、ホワイトハッカーを目指す人の味方となるでしょう。

実用的な技術ではありませんが、社会貢献がしたい、あるいは正義感が強いといった性格的特性も、ホワイトハッカーとしての適性を図る上で大切な指標です。技術力があれば企業を標的に大金をせしめることのできるハッキング技術は、いとも簡単に悪用することができてしまいます。

そのような技術を持っていながら、社会のために身を粉にして働こうという気概がなければ、ホワイトハッカーとして活躍することは難しいかもしれません。ホワイトハッカーは、あくまで技術を悪用する人間と対抗するための存在なので、技術を私利私欲のために使いたいと考える人には向いていないでしょう。

ホワイトハッカー関連の資格

ホワイトハッカーになるためにはこの資格が必要、というものは特にありませんが、ホワイトハッカーとして企業に迎え入れてもらう場合、情報セキュリティ関連の資格を持っていると、その技術を客観的に評価してもらいやすいのでおすすめです。

ホワイトハッカー関連の資格は、日本にも複数存在します。代表的なのは「情報処理安全確保支援士技術者」の資格です。これは情報セキュリティのスペシャリストを目指す人が取得する資格で、セキュリティエンジニアなどを目指す場合、持っておくことが推奨されます。

他にも、ITストラテジストなどの職種を指す「高度情報処理技術者」の資格があります。経産省が認定する国家資格で、レベル1から4までの区分が設けられた情報処理技術者資格のうち、4に該当する職種の認定を取得している場合に認められる資格です。ただ、全部で8種類ある高度情報処理技術者の資格は、いずれも合格率が20%を前後している難関資格であるため、資格勉強へ真面目に取り組む必要があるでしょう。

まとめ

この記事では、ホワイトハッカーの役割や、具体的にどのような業務に従事するのか、ホワイトハッカーになるためにはどんなスキルが必要なのかについて、解説しました。ホワイトハッカーとなるには高度な情報セキュリティの知識はもちろん、実践的なノウハウも知っている必要があり、企業へ高度なセキュリティ対策を施せる人材でなければなりません。

近年は情報セキュリティ分野の資格も整備され、経産省が認定する国家資格も登場しました。ゼロからホワイトハッカーを目指す場合、まずはこれらの資格取得に向け、勉強を始めると良いでしょう。