私たちは日常生活の中で、紫外線やストレス、そして食生活や飲酒からの活性酸素という隠れた敵にさらされています。このような状況は特に加齢と共に症状が現れることがあります。活性酸素は、私たちの体の細胞やDNAに悪影響を及ぼすことが研究で明らかになっており、それを抑制することがアンチエイジングのポリシーともいえます。これを防ぐためには、抗酸化が必要不可欠となります。
今回、この記事では、活性酸素から体を守り、健康的な生活を送るための抗酸化の必須ポイントを5つご紹介します。これには、良質な睡眠を確保することや、有酸素運動としてのウォーキングを取り入れることがあります。また、料理においては、カルテノイドという抗酸化作用を持つ色素を豊富に含む食べ物を取り入れたバランスの良い食事を心掛けることがポイントです。特に、カルテノイドは油と一緒に食べることでより良く吸収されると言われています。
さらに、呼吸を深くし、呼吸に気を配ることや、抗酸化成分が豊富な食べ物の一覧を参照し、それらの食べ物を料理に活かすことも重要です。カルテノイドは、ほかの抗酸化成分と同様に、体内での活性酸素の分解を助け、体内のバランスを保つ役割が備わっています。さらに、これらの成分は油溶性のものも存在し、油と一緒に食べることで吸収が良くなると言われています。是非、これらのポイントを抗酸化の総称として意識し、健康な生活を目指しましょう。
食事で取り入れる抗酸化対策
抗酸化作用を持つ食材を摂る
抗酸化作用を持つ食材を摂ることは、健康な食事の基本です。
緑黄色野菜や色とりどりの他の野菜、果物をバランス良く食事に取り入れることで、ビタミンCやビタミンEなど、強い抗酸化作用を持つ成分を効果的に摂取することができます。特にベリー類や緑茶は、強力な抗酸化成分が豊富に含まれていて、その摂取は健康促進に寄与します。
食事の計画時には、強い抗酸化作用を持つ食材を重視し、ビタミン豊富な緑黄色野菜やその他の食材を積極的に取り入れることが、抗酸化対策を食生活で行ううえで重要です。さらに、これらの栄養素が豊富に含まれる食材を知ることで、バランスの取れた食事を楽しむことが可能となります。このようなアプローチで、健康で長寿な生活を目指しましょう。
【ビタミンC】
トマト、パプリカ、ブロッコリー、キウイ、ストロベリー、オレンジなどの果物や野菜に多く含まれます。
【ビタミンE】
ひまわりの種、アーモンド、ヘーゼルナッツ、スピナッチ、ブロッコリーなどに多く含まれる。
【β-カロテン】
にんじん、カボチャ、さつまいも、スピナッチ、ケールなどの色鮮やかな野菜や果物に多い。
【フラボノイド】
りんご、玉ねぎ、紅茶、チョコレートなどに含まれる。
【リコピン】
トマト、スイカ、パパイヤに多く含まれる。
【ポリフェノール】
緑茶、紅茶、コーヒー、赤ワイン、ダークチョコレート、オリーブオイルなどに豊富。
【セレン】
ブラジルナッツ、魚、鶏肉、全粒穀物などに含まれる。
【亜鉛】
牛肉、豚肉、鶏肉、カキ、全粒穀物、豆類に含まれる。
【オメガ-3脂肪酸】
サーモン、マグロ、サバ、チアシード、ウォールナッツに含まれる。
【スピルリナ】
藍藻類の一つで、高い抗酸化作用を持っています。
これらの食材を日常的に摂取することで、さまざまな抗酸化成分(カテキンやアントシアニン、ブルーベリーやカルテノイドなど)をバランス良く摂ることができます。このような取り組みは、がんや生活習慣病の予防にも寄与します。また、過度な加工や調理は、食材の抗酸化成分を低下させる可能性があるので、加熱しすぎないことをお勧めします。
抗酸化物質は単体で摂取するよりも、他の成分と一緒に摂取することで、相乗効果があるので、1つの食材にこだわるのではなく、色々な食材を摂ることが大切です。さらに、バラエティ豊かなメニューを作成することで、抗酸化対策をよりやすく実践できるようになります。食材の一覧を参照しながら、多種多様な食材を組み合わせたメニューを考えてみましょう。
水・氷出し緑茶を飲もう
とはいえ、これらを網羅するのは、意外と大変です。
夏も佳境に入りましたが、残りの夏の日々の飲み物に是非加えていただきたいのが、水や氷で出した緑茶です。
水や氷でゆっくりと出した緑茶は、灰汁やえぐみがなく、カフェインが少ないことでも知られています。
上質なお茶を純氷でゆっくりと出したお茶は、驚くほどお茶の甘みでまろやかな味わいです。
高価なお茶でなくても、いつものお茶と家の氷で十分楽しめます。お茶の渋みがなく優しくまろやかな味になります。
※氷出しのお茶の入れ方
茶葉の量 10gを冷水ポットの中に入れ、抽出しやすいように薄く広げます。
薄く広げた茶の葉の上に氷を冷水ポット一杯になるように入れます。
氷がゆっくり解けるに従い、お茶のエキスもじんわりとしみ出してきます。
※そのまま触れずに、常温で3~4時間ほどおいておきます。
引用:福本園オンラインショップ
緑茶は、ビタミンCを摂れます。ハイビスカスティーなどでも、ビタミンCを摂ることもできますが、酸味が強く毎日飲むのには、抵抗がある人も多いでしょう。
緑茶は、スポーツドリンクや麦茶と違いカロリーの心配がありません。熱中症予防にスポーツドリンクは良いとされていますが、糖分があるため、スポーツ少年の虫歯が増えているとも言われています。良かれと思ってやっていることが、裏目に出てしまっています。
アイスコーヒーをついたくさん飲んでしまいますが、カフェインを過剰に摂取してしまいます。
水・氷出し緑茶は、カフェインが少ないので胃に負担がなく、フラボノイドの清涼感があります。抗酸化成分フラボノイドと夏の日差しで失われがちなビタミンCとを豊富に含む緑茶を飲んでみてはいかがでしょうか?
日常生活で抗酸化対策
日焼け止めを塗る、タバコを避けるなどの生活習慣を見直すことで、活性酸素の発生を抑えることができます。
日焼け止めを塗る
高齢者に多いシミ(脂漏性角化症)の量と濃さは、これまで蓄積してきた紫外線の量を反映しています。運転する人の左頬にシミが多いのも、持続的に紫外線が一方の頬にあたっているためです。
そして、シミの問題は女性に限ったものではありません。
日焼け止めを塗るのが面倒だと思っている男性も、何もしないと高齢者になった時にシミだらけになってしまいます。シミが出るのを防ぐためには、今から積極的に日焼け止めを塗ることをお勧めします。少なくとも、頬骨のあたりはしっかりと塗りましょう。
ここでは、日焼け止めの効果について見ていきたいと思います。
紫外線(UVAとUVB)をブロックする
日焼け止めを塗ることは、紫外線(UVAとUVB)からのダメージを直接ブロックし、皮膚に到達する量を減少させます。その結果として生成される活性酸素を減少させるため、抗酸化対策として効果的な方法と言えます。
紫外線にはUVAとUVBがあります。それぞれがどのように人間の体に作用するか、解説します。
UVAの作用
日焼け止めクリームの容器に記載されている【SPF50+ PA++++】のPAは、UVAをブロックする指標を示しています。+が多いほど防ぐ効果が高くなり、最強は、PA++++になります。
UVAは波長が長いため、皮膚の表層である表皮を通過して真皮まで到達し、シミやしわの発生に大きく関わっています。皮膚の老化や色素沈着、炎症、そして皮膚がんのリスクを高める要因となります。
UVBの作用
日焼け止めクリームのSPFは、UVBを防ぐ効果の指標になります。よく見かける50+という表示は、50以上という意味で、紫外線防御効果が最大になります。
UVBは波長が短いため、主に皮膚の表層である表皮に作用します。日焼けの主な原因となり、皮膚が赤くなるのはUVBの影響とされています。
UVBは、昼間の太陽が高い位置にある時や夏の間に多く放射され、ビタミンDの生成を促します。日光に当たることは必要であり、冬の日照時間が短いヨーロッパでは夏に積極的に日光浴します。これは、ビタミンDが欠乏しないようにするためです。
一方でUVBは、皮膚内部での活性酸素の生成を促進します。UVBに暴露しつづけることは、皮膚がんの形成のリスクを高めることでも知られています。
紫外線(UVAとUVB)は皮膚のDNAをダメージし、活性酸素を生成します。これにより、細胞の酸化ストレスが増加し、老化の進行や皮膚がんのリスクが高まる可能性があります。
適度に日光に当たることは必要ですが、日焼け止めを塗り、紫外線の量を減らすことで皮膚に及ぼすダメージを減らすことは抗酸化生活には、不可欠なことです。
抗酸化成分が配合されている
近年の日焼け止め製品には、紫外線をブロックする成分だけでなく、抗酸化成分(ビタミンC、ビタミンE、フェルラ酸など)が含まれているものも増えてきました。これらの抗酸化成分は、活性酸素の影響を中和し、肌の酸化を予防します。
塗り方のこつ
SPFの値が大きいからといって、安心はできません。日焼け止めを塗る際大切なことは、塗り残しなくまんべんなく塗ることと、塗り直しをすることです。
紫外線をブロックするように設計されている化粧品ですから、手で拭ってしまうことで、効果がなくなってしまいます。ウォータープルーフ商品では汗に対応していますが、物理的に拭ってしまう事に対しては、どの商品も対応できていません。
のびが良く、塗りやすいクリームやジェルをまんべんなく、毎日塗ることがお勧めです。高価な日焼け止めクリームを少しずつ塗るより、惜しげもなく頻回に塗れる方が、広範囲で皮膚へのダメージを減らすことができます。そういう意味では、手頃な価格のニベア商品などは、お勧めです。
多くの日焼け止めには、紫外線吸収剤という化学物質が入っています。敏感肌の方や小さなお子様は、紫外線吸収剤が入っていない紫外線散乱剤を使った日焼け止めを選んでください。ノンケミカルと表示されています。
日差しに当たる時は、必ず直前に塗り直しましょう。
タバコを避ける
たばこの煙は、私たちの体にとって有害な成分と化学物質を多数含んでおり、これが体内の酸化ストレスを増加させる主要な要因となります。以下に、たばこと酸化のメカニズムに関する詳細を説明します。
フリーラジカルと活性酸素
たばこを吸うことで体内に取り込まれる化学物質の中には、フリーラジカルや活性酸素を生成するものが含まれています。これらは細胞やDNA、タンパク質、脂質にダメージを与える能力があり、その結果として多くの健康問題が引き起こされます。
抗酸化酵素の機能低下
たばこの成分は、体内の抗酸化酵素の機能を低下させる可能性があります。これにより、体がフリーラジカルや活性酸素を適切に中和・除去する能力が低下し、酸化ストレスが増加します。
炎症の増加
たばこの煙に含まれる化学物質は、炎症反応を促進することが知られています。炎症は、さらなる活性酸素の生成を促進するため、酸化のメカニズムが強化されます。
血管の損傷
たばこの成分は、血管の内皮にダメージを与えることが知られており、これが動脈硬化のリスクを増加させます。動脈硬化は、酸化LDLコレステロールの蓄積と密接に関連しているため、酸化の一環と見なすことができます。
酸化ニコチン
ニコチンもまた、酸化ストレスを増加させる要因となります。ニコチンは心拍数や血圧を上昇させることが知られており、これが酸化ストレスの一因となる可能性があります。
たばこの煙は、体内での酸化反応を促進し、様々な健康リスクを高める重要な要因となります。
スキンケアをする
ビタミンCやEが配合されたスキンケア製品を使用することで、肌の酸化を防ぎ、若々しさを保つことができます。スキンケアと抗酸化は密接に関連しています。その理由を詳しく説明いたします。
抗酸化成分を持つスキンケア製品
多くのスキンケア製品は、ビタミンC、ビタミンE、フェルラ酸、緑茶エキスなどの抗酸化成分を含んでいます。これらの成分は、活性酸素によるダメージから肌を守る役割を果たします。
皮膚のバリア機能強化
正しいスキンケアにより、皮膚の外部バリアを強化することができます。これにより、外部の有害な要因(例: 紫外線や大気汚染)からのダメージを最小限に抑えることができ、結果的に活性酸素の生成も減少します。
皮膚は、水と脂で守られています。水分は、保湿成分で、皮膚に潤いを与えています。水分の層の外側を脂でコーティングするように、皮膚を守っています。
脂は毛穴から分泌され、過剰に分泌されても、少なすぎても皮膚にダメージを与えます。
脂の分泌は自律神経の支配下にあり、ストレスで増えすぎたり、少なくなりすぎたりします。
適切な水と脂で皮膚を守れればよいのですが、ストレスや体質などで皮膚の状態は常に不安定です。そこで、刺激の少ないスキンケア製品を正しく使うことで、正常な状態に保つことが可能になります。
皮膚の再生と修復
スキンケア製品の中には、皮膚の再生や修復をサポートする成分も含まれています。例えば、レチノールやペプチドは、活性酸素によるダメージを受けた肌の修復をサポートするとともに、コラーゲンの生成を促進します。
以上のように、スキンケアは肌を抗酸化ダメージから保護するための鍵となります。適切なスキンケアを行うことで、活性酸素の影響を受けにくい健康な肌を維持することができます。
ストレスを減らす
ストレスを感じると活性酸素が増えることが知られています。リラックスする時間を作ることで、抗酸化効果を高めることができます。
以下に、ストレスと酸化のメカニズムについて詳しく説明いたします。
ストレスホルモンの放出
ストレスを感じると、体はアドレナリンやコルチゾールなどのストレスホルモンを放出します。これらのホルモンの過剰な放出は、体内の酸化ストレスを増加させる可能性があります。
活性酸素の生成
ストレスは、ミトコンドリアの機能に影響を与え、活性酸素の生成を増加させる可能性があります。活性酸素は、細胞やDNA、タンパク質、脂質にダメージを与える能力があり、その結果として慢性疾患や老化の原因となることが知られています。
免疫システムの低下
長期的なストレスは、免疫システムの機能を低下させることが知られています。免疫システムが低下すると、体の抗酸化能力も低下し、酸化ダメージのリスクが高まる可能性があります。
抗酸化酵素の機能低下
一部の研究では、ストレスが体内の抗酸化酵素の機能を低下させる可能性が示唆されています。抗酸化酵素は、体内の活性酸素を中和する役割を持っています。
炎症の増加
ストレスは、体内の炎症反応を増加させる可能性があります。炎症は、さらなる活性酸素の生成を促進するため、酸化のメカニズムが強化されます。
生活習慣の変化
ストレスが高まると、不健康な食生活や運動不足、タバコやアルコールの摂取量の増加などの生活習慣の変化が起こることがあります。これらの変化は、体内の酸化ストレスをさらに増加させる可能性があります。
このように、ストレスは体内の酸化バランスに多大な影響を及ぼす可能性があります。ストレスを適切に管理し、リラクゼーションや適度な運動などの健康的な生活習慣を維持することで、酸化ダメージのリスクを低減することができます。
運動と抗酸化について
適度な運動は、体内の抗酸化酵素の活性化を促します。しかし、過度な運動は逆に活性酸素を増やすので、バランスが大切です。
適切な運動をする
適度な運動は身体の健康を維持・向上させるために非常に重要で、次のような抗酸化に関する効果が期待できます。
抗酸化酵素の活性化
適度な運動は、体内の抗酸化酵素の活性を高めます。これにより、活性酸素を無害化する能力が向上し、細胞や組織のダメージを防ぐことができます。
活性酸素の発生と対処能力のバランス
適度な運動により体は活性酸素に適切に対処する能力を獲得し、過度な活性酸素の影響を最小限に抑えることができます。
血流の改善
運動により血流が良くなることで、酸素や栄養素が身体中に効率的に運ばれ、細胞の健康が維持されます。また、良好な血流は抗酸化物質の運搬もサポートします。
免疫機能の向上
適切な運動は免疫機能を強化します。強化された免疫機能は、体内の酸化ダメージに対してより効果的に対処することができます。
ストレス低減
運動はストレスの軽減に役立ちます。ストレスが減少することで、ストレスに関連する酸化ストレスも減少します。
脂肪組織の減少
適度な運動により体脂肪が減少すると、炎症を引き起こす物質の放出が抑えられます。炎症は酸化ストレスの一因となるため、その低減は抗酸化に有益です。
適度な運動は、体の抗酸化システムを強化し、酸化ストレスを低減する効果があります。適切な休息を心掛け、無理のない運動は抗酸化生活にとって大切です。
過度な運動を避ける
過度な運動が体内で酸化を促進する理由はいくつかあります。適切な量の運動は健康の維持に有益ですが、過度な運動は身体への負担となり、以下のようなメカニズムで酸化ストレスを引き起こすことが知られています。
活性酸素の増加
運動中、私たちの身体はより多くの酸素を消費します。過度な運動を行うと、ミトコンドリアでの酸素の利用が増加し、それに伴って活性酸素(ROS: Reactive Oxygen Species)が生成される量も増加します。
筋組織の微小な損傷
強度の高い運動や長時間の運動を行うと、筋組織に微小な損傷が生じることがあります。このような筋肉のダメージは、炎症反応を引き起こし、その結果として活性酸素の生成が増加する可能性があります。
鉄の過剰
激しい運動を繰り返すと、赤血球が破壊されることがあり、これによって鉄が遊離します。遊離鉄は、過酸化脂質反応の触媒として機能し、活性酸素の生成を増加させることが知られています。
抗酸化酵素の消耗
過度な運動により、体内の抗酸化酵素や抗酸化物質の消耗が速まることがあります。これにより、活性酸素に対する体の防御力が低下し、酸化ダメージのリスクが高まる可能性があります。
免疫機能の低下
長時間の激しい運動は、一時的に免疫機能を低下させることが知られています。これにより、炎症反応や感染症のリスクが増加し、酸化ストレスが増大する可能性があります。
適切な回復期間や栄養摂取をとることで、過度な運動による酸化ストレスのリスクを低減することができます。運動の量や強度を調整し、体のサインをよく観察しながら健康的に運動を続けることが大切です。
まとめ
活性酸素から体を守るためには、食生活の見直し、日常生活の中の小さな工夫、スキンケアの取り入れ、ストレスの軽減、そして適度な運動が鍵となります。これらを日常の中で実践することで、より健康で長生きするための第一歩を踏み出すことができるでしょう。
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