公的セクターにおける地域活性化成功事例

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近年、日本の社会問題となっている課題の一つに、人口減少や少子高齢化が挙げられます。

このような状況下においては、民間企業だけでなく、政府や自治体などの公的セクターによる課題解決が必要となっています。

そこで今回の記事では、公的セクターにおける日本・海外の人口増加施策の成功事例について、詳しくご紹介していきます。

ぜひ最後まで読んで、他の地域の事例を参考にしてみてください。

公的セクターによる人口増加施策とは

まず始めに、公的セクターが取り組む人口増加に向けた施策とは、具体的にどのようなものかについて、その背景をご紹介します。

公的セクターが取り組む背景

公的セクターが積極的に人口増加へ取り組む背景としては、一つ目に少子高齢化の進展があります。

少子高齢化は、日本の抱える大きな社会的課題の一つで、労働人口の減少につながることから懸念されていますが、大きな影響を受けるのは民間企業だけでなく、公共サービスも同様です。

公共サービスの担い手減少は顕著で、令和3年4月時点で約280万人であった総職員数ですが、ピークであった平成6年と比較すると約48万人減っています。

予算削減の風潮が強まったことで人件費カットが進み、全国の地方公務員数は昔と比べると大幅に減少していますが、財政的な制約に加えて、人の確保もままならなくなれば、サービスや社会インフラの維持がますます困難となります。

そのため、公的セクターでは民間企業と同様に、より一層組織全体の生産性を高めることが重要とされています。

二つ目の背景は、昨今の新型コロナウイルス感染症のような予測不可能な出来事の存在です。

現在、公的セクターのほとんどが日々対応業務に追われている状況で、想定外の事態にも対応できるような環境の整備が進んでいなかったため、リスクを正しくコントロールすることが困難になっています。

このような事態を繰り返さないよう、ニューノーマル社会に対応するための施策への注目が高まり、公的セクターにおいても社会的課題解決に積極的に取り組むことが求められています。

三つ目の理由は、東京への一極集中と地方の疲弊です。

どの地域においても共通の問題として、人手不足が挙げられますが、過疎地域では特に人口流出による経済・社会の持続性の低下が問題としてあります。

人口減少や高齢化に加えて、地域経済が縮小することで、社会問題はより深刻化する可能性が高まります。

そのため自治体は地域の課題をしっかりと認識し、それに対する対策を講じることが急務となっているのです。

参考:総務省「地方公務員数の状況」

https://www.soumu.go.jp/iken/kazu.html

公的セクターの取り組みに関する具体例

人口減少の課題解決施策としては、さまざまなアプローチが挙げられます。分かりやすいところで言うと、「保育所に子供を預けられずに困っている親がいる」という問題の解消も、ひいては人口増加につながります。子供を育てやすい環境を整備することで、子を持つハードルを下げることができるためです。

政府はこのような政策課題の解消に向けて、保育所の整備や「2025年までに待機児童0人」などの具体的な政策や政策目標を打ち出しています。

民間企業でも近年CSRが叫ばれ、育休の取得の奨励といった取り組みを、SDGsや地域社会の課題解決の一環として取り組んでいます。しかし民間企業は営利を目的として活動する組織であり、営利を目的とせずに税金を活動資金とする政府や自治体とは異なります。

このように国や地域が抱える問題に対し、政策課題を設定し、政策目標を掲げて取り組んでいくのが公的セクターです。身近な行政サービスについては自治体が運営するケースも多く、我々は多くのサービスを公的セクターから享受しています。そのため、人口減少を食い止めて十分な人材を確保し、日本全国に同等のサービスを提供・維持する体制が不可欠となっています。

日本における成功事例

続いて日本における成功事例について、いくつかご紹介していきます。

徳島県神山町の事例

まずご紹介するのは、徳島県神山町の自治体です。

神山町は地方創生のロールモデルとしてメディアでも多く取り上げられ、大勢の視察者や移住者が訪れる、まさに「人が人を呼ぶ町」です。

そんな神山町は、1955年に周辺の5つの村が合併し、最初は人口2万人の町としてスタートしました。

しかし年々人口は減少し、ついに当初の4分の1まで人口が減ってしまいました。

そこで、まずは2005年に町内全域が光ファイバーで敷設されることになり、全国屈指の高速ブロードバンド環境を実現させました。

また町内でのオフィス開設・通信費、古民家改修費用などの運営費用の補助など、支援制度を充実させ、多くのICTベンチャー企業を誘致させることに成功しました。

成果としては、古民家や蔵を改装したサテライトオフィスを整備し、2010年にサテライトオフィス第1号を開設しました。

サテライトオフィスは場所を選ばない働き方を可能とし、2010年以降も多くの企業が進出し、それに伴って移住者も増えました。

さらに2012年には初めて社会動態が人口増となり、その後も多くの転入者が神山町を訪れています。

参考:WirelessWire News「徳島県神山町はいかにして「地方創生の聖地」になったのか(神山町サテライトオフィスレポート)」

https://wirelesswire.jp/2019/10/72412/

福岡県福岡市の事例

次にご紹介するのは、福岡県福岡市の事例です。

福岡市は政令指定都市であり、全国でも人口の多い地域の一つです。

福岡市では誰でも使える無料Wi-Fi「Fukuoka City Wi-Fi」を2012年に開始し、地下鉄・JRの駅、空港、バスターミナル等の交通拠点や観光拠点など、73拠点、328アクセスポイントで展開しました。

また、全国に先駆けて、多言語対応による観光情報の発信や、分かりやすい簡素な認証などの先進的なサービスを提供してきました。

この結果、市民だけでなく観光客にも積極的に利用され、観光客の増加や新規ビジネスの創出に寄与されました。

さらに、福岡市の魅力や旬な情報を伝えるだけでなく、災害時には緊急情報の発信にも役立ちます。

これは、通信回線のバックアップとして活用されることも想定しているため、市民も観光客も、いざというときに災害情報を得やすくなります。安心して暮らせるような街づくりが進んだことで、別地域からの移住や家庭を持とうというモチベーションの向上に貢献しています。

現在においても、福岡市では拠点を次々に拡大しており、民間との共働によって広くサービスを展開しています。

参考:福岡市

https://www.city.fukuoka.lg.jp/wi-fi/index.html

福井県鯖江市の事例

次にご紹介するのは、福井県鯖江市の事例です。

鯖江市では、市民の生の声を生かした個性的な政策を市政に反映することで、生活の質向上やまちの未来を担う若手の発掘などを実現しました。

その結果、2018年には国土交通省の平成30年度地域づくり表彰「全国地域づくり推進協議会会長賞」や第11回協働まちづくり表彰グランプリ受賞など全国にその名を広めました。

政策としては、まず2010年に公布された「鯖江市民主役条例」によって市民が主体となって市政へ参加し、行政は機会創出をサポートしていくという基盤作りを行いました。

また女子高生が中心となってまちづくりを推進する「鯖江市役所JK課」や、半年間自由に過ごしてもらう体験移住プロジェクト「ゆるい移住」など、ユニークな政策を自治体発信で行ってきました。

特に、鯖江市は、全国で最も女性就業率の高い地域としても知られており、SDGsの中でも目標5の「ジェンダー平等を実現しよう」に力を入れています。

このように、かなり個性的な政策の数々ですが、実際にこれらの政策によって多くの成功をし、行政によるトップダウンではなく市民ファーストの政策を打ち出しています。

参考:LIFULL STORIES「“ゆるい”取り組みでは地方創生はできない、なんてない。」

https://media.lifull.com/stories/2019082869/

海外における成功事例

次に、海外における成功事例についてご紹介します。

ドイツ・レーゲンスブルクの事例

まず一つ目に、ドイツ・レーゲンスブルクの事例です。

レーゲンスブルクは、元々工業製品に関する産業が盛んで、特にBMW社の人気モデルは全てレーゲンスブルクの工場で製造されています。

このように、昔から製造業に強いということを生かして、レーゲンスブルクでは地元の大学と協働して、他国と差別化する付加価値の高い製品を作る研究を進めていきました。

また開発技術の向上によって、人材育成にも力を入れ、レーゲンスブルクからは多くの優秀な若い人材が輩出されるようになりました。

大企業だけでなく、中小企業もどんどん利益やブランド力を上げていき、若者の地元での就職率も増加しました。

その結果、若者の都市への流出が減少し、人口増加や街全体の活気付けにも貢献しました。

ドイツ・レーゲンスブルクは、日本の地方都市での課題でもある、人口流出やエリート人材不足を上手く乗り越えた都市の事例として、大きな成功をおさめました。

アメリカ・ポートランドの事例

最後に、アメリカ・ポートランドの事例です。

ポートランドは、アメリカ西海岸のオレゴン州北西部に位置し、まちづくりの手法が世界各国から注目を集めています。

まずは住民自治を支える制度です。

日本の町内会や自治会に類似した「近隣組合」の制度によって、ポートランドでは古くから住民参加が条例で義務付けられています。

また2010年からは、知識や経験の少ない人たちが、行政と一緒にまちづくりを行うための次世代リーダーを育成するためのプログラム「Diversity and Civic Leadership:DCL」が行われています。

まちづくりに対して、あらゆるプロセスで多くの市民が関わり、意思決定に市民の意見を反映させることで、居心地の良い街づくりを市民が自ら取り組み、長きにわたって住みたいという意志を創出することができます。

おわりに

今回の記事では、公的セクターにおける人口増加施策の成功事例について、日本と海外に分けてご紹介しました。

様々な事例を紹介したように、公的セクターによる課題解決のアプローチは多種多様で、地域の状況や文化によって異なります。

ぜひ他の国や地域の成功事例を参考にしながら、積極的に政策を進めていきましょう。

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