新型コロナウイルス感染拡大の影響で、さまざまな業界の企業が打撃を受けています。
このようなコロナ禍でも業績を上げている企業も存在しており、成功事例を真似することで業績アップも夢ではありません。国や自治体の補助金・助成金を活用すれば、少ない費用でビジネス投資ができます。
実際に、どのような投資を行えばよいのでしょうか?この記事では、飲食業・建設業・観光業の成功事例を踏まえてビジネス戦略について分かりやすく解説します。
【業種別】新型コロナウイルス関連倒産
帝国データバンクの調査によると、新型コロナウイルス関連倒産件数は全国で1886件(2021年8月16日時点)となりました。業種別上位は「飲食店(312件)」「建設・工事業(186件)」「ホテル・旅館業(104件)」が占めています。
また、新型コロナウイルス感染症による業績への影響について「マイナスの影響がある」と回答した企業は69.3%。「プラスの影響がある」と回答した企業は5.6%という結果になりました。さまざまな企業が新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けていることが分かります。
このような状況でも業績を伸ばしていくためには、どのような対策をすればよいのでしょうか?
結論:補助金を活用した攻めの投資戦略をすることが大切
飲食店や宿泊業は新型コロナウイルスの影響を大きく受けていますが、売上拡大に成功している企業も存在します。売上拡大に成功している企業には共通点があります。
【ビジネス成功の共通点】
- ニューノーマル時代のビジネスを意識する
- コロナ感染症対策を徹底的に行う
- コロナ収束後を見据えた先行投資をする
新型コロナウイルスで業績が冷え込むと投資を控えたくなるものです。しかし、国や自治体が提供する補助金や助成金を活用すれば、少ないコストでビジネス投資が行えます。
補助金を活用した攻めの投資をすることが、新型コロナウイルスが猛威を振るう中で必要不可欠となってきています。
【飲食業】コロナ禍のビジネス戦略
コロナ禍でも売上拡大や黒字経営をするためには、補助金を活用した攻めの投資戦略が必要だと述べました。実際に、どのような投資をするべきなのでしょうか?次に、各業界におけるコロナ禍のビジネス戦略をご紹介します。まずは、飲食業のビジネス戦略の成功事例のご紹介です。
タブレット型トレーニング教材を開発
飲食業界の中でも業績好調なのが日本マクドナルドです。コロナ禍による営業時間短縮や稼働席数の減少により、店内売上は減少。しかし、テイクアウトやデリバリー非常で売上を拡大させることに成功しました。
しかし、デリバリーで売上拡大を狙うためには「オペレーション負荷」に考慮しなければいけません。店内・店外のオーダーが集中するとオペレーション負荷が大きくなります。この負荷に耐えうる人材教育が必要になってくるのです。
そこで、同社ではタブレッド型トレーニング教材「デジタルCDP」を開発。教育時間を短縮するためのトレーニング教材を提供しています。このような教育面の投資を積極的に行うことにより、対応件数を増やすことができて売上拡大を実現しています。
(参照元:ITmediaビジネス「マクドナルド、「4つの戦略」で要注目の1~6月期決算 先行投資の行方は?」)
モバイルオーダー機能の搭載
(出典元:銀座の王将公式ホームページ)銀座の王将ホームページ「お持ち帰りページ」で予約をしておけば、待たずにアツアツの料理が受け取れると高く評価されている!
餃子の王将は、コロナ禍でも46億円の営業利益を出すことに成功しています。このような結果を残せている理由は、テークアウト事業が好調だからです。自社サイトにテークアウトの注文ができるページが設けられています。
時間を指定して予約をしておけば、テークアウト専用窓口で待たずに商品が受け取れる仕組み。
このようなモバイルオーダー機能が搭載された自社サイトを運営することで、集客、売上拡大に成功しています。
(参照元:ITmediaビジネス「餃子の王将、コロナ禍で店外売り上げが急増 「自社配達」か「ウーバー」か問題を考える)
顧客情報管理システムを導入する
(出典元:ことわりをはかるみせばんどうFacebook)
コロナ禍の飲食店を救うのは既存顧客の存在。これからは、顧客情報を管理する時代が来るかもしれない。
コロナ禍でも前年比150%の売上拡大に成功したのは「ことわりをはかるみせ ばんどう」です。ばんどうは、Facebook運営をしており、既存顧客に向けて新作の高級弁当を告知。その結果、既存顧客から注目を浴びることができて売上拡大に成功しました。
この成功事例から分かることは、既存顧客リストをどれだけ確保しているかの重要性です。既存顧客に向けてお得なクーポンや最新メニューの情報を発信できるかが、コロナ禍の業績の明暗を分けているといっても過言ではありません。
飲食店に顧客情報管理システムやクーポン配布システム、LINE@を導入して既存顧客とのコミュニケーションを取る必要性が問われてきているのです。
(参照元:PRESIDENT「「フロー型からストック型に」コロナ禍でも元気な飲食店に共通すること」)
コンサルタント堀内の見解
Withコロナ時代では、「モバイルオーダー機能」が搭載された店舗ホームページが標準仕様となるでしょう。事前予約もより待たずに料理が食べられる、テークアウト商品が受け取れる店舗に人気が集まっていくはずです。また、飲食店も既存顧客の情報管理を行って、最新メニュー情報やクーポンなどの施策を考えていく必要があります。また、飲食業デリバリーが認知されたため、店舗スタッフだけではなくデリバリースタッフを採用していくのも1つの方法です。そのため、タブレッド型トレーニング教材を開発するなど教育体制の強化などを考えていく必要があるでしょう。
【建設業】コロナ禍のビジネス戦略
建設業は労働者の確保が難しくて、人材不足により倒産する企業も多いです。このような問題を解決するために、どのような投資を行えば良いのでしょうか?ここでは、建設業のコロナ禍のビジネス戦略について解説します。
<h3>自立型ロボットの導入</h3>
(参照元:清水建設公式ホームページ)天井ボードを貼り付けている多能工作業ロボット「Robo-Buddy」
大手建設会社の清水建設は、自立型ロボットの活用を発表しました。資材搬送の手伝いをするロボット「Robo-Carrier」、鉄骨柱溶接ロボット「Robo-Welder」、天井ボード貼りや床材を施行する多能口ロボット「Robo-Buddy」を開発。2019年度から東京都内の現場で導入されており、自立型ロボットと人による行動工事を進めています。このようなロボットを活用した業務効率化は、その他の建設会社でも始まっており、新たなビジネスモデルとして浸透してきています。
(参照元:ビジネスIT「建設業界のロボット活用、清水建設や大成建設ら7社は人手不足にどう対応するのか?」)
アシストスーツの導入
(参照元:大成建設公式ホームページ)
つらい中腰姿勢の維持や重量物の持ちあげの補助効果を発揮するアシストスーツ
建設業界の作業員の高年齢化は深刻な問題となっており、現場作業の軽労化を考えていかなければいけません。この問題に取り組んだのが大成建設です。大成建設では、アシストスーツを導入して、作業員の腰部負担を軽減。
アシストスーツに関しては、国内外でさまざまなタイプの商品が販売されています。モータなどの駆動力を用いる「アクティブ型」とバネやガスを用いる「パッシブ型」があります。補助金を利用したアシストスーツの導入は増加しているため、作業員の高年齢化対策として検討してみてもよいでしょう。
(参照元:ビジネスIT「建設業界のロボット活用、清水建設や大成建設ら7社は人手不足にどう対応するのか?」)
特化型ビジネスチャットの導入
(出典元:建設DX「direct」公式ホームページ)現場の情報の抜け落ちがなくなると圧倒的な支持を集める「direct」
中小企業の建設会社でも取り組むべきDXとして、建設業の特化型ビジネスチャットの導入があげられます。建設業界は、現場状況の報告書や工程スケジュールなどを共有しなければいけません。また、工事途中の変更点などがあった場合も、現場担当者全員で共有しておく必要があります。このようなコミュニケーションが上手く行えずにトラブルを起こす建設会社も少なくありません。
特化型ビジネスチャットを導入すれば、このような問題を解決していくことができて、生産性向上につなげていけるでしょう。情報共有がしやすいと注目を浴びているビジネスチャットが「direct」です。
(参照元:AnyONE「【建設業】ビジネスチャットとは?導入効果と選び方を紹介」)
コンサルタント堀内の見解
建設業界は、人員不足という問題を懸念していかなければいけません。若者世代の建設業の定着率は低く確保が難しいです。そのため、今後は自立型ロボットが活躍していくと予測されています。自立型ロボットとの協働や現場巡回のロボットが注目を浴びているのです。また、平均年齢が高めの現場では、アシストスーツの配布がされています。アシストスーツ導入のための補助金申請は人気です。また、建設業界に特化したビジネスチャットを導入も補助金対象となるため、導入を検討してみるとよいでしょう。
【宿泊業】コロナ禍のビジネス戦略
次に宿泊業のコロナ禍のビジネス戦略をご紹介します。
AI起用の宿泊施設診断システム
(出典元:星野リゾート公式ホームページ)旅先が決まっていない人に最適なプランを作ってくれる「ぴったりホテル診断」
コロナ禍でも黒字経営で安定しているのが星野リゾートです。星野リゾートはマイクロツーリズム(自宅から近い観光地や場所を楽しむ旅スタイル)で成功をしています。
また、星野リゾートは自社ホームページにも投資をしていることで有名です。OTAや旅行会社からの総客には手数料が発生するため、自社ホームページで顧客獲得できる仕組みを構築しているのです。
自社ホームページのデザインや写真にこだわるだけではなく、AI起用したシステム「ぴったりホテル診断」を開発。お客様が質問に回答することで、要望に見合う宿泊施設をリコメンドしてくれるシステムです。このようなシステム開発で自社ホームページからの受注に成功しています。
(参考元:ITmedia「星野リゾート星野佳路代表に聞く マイクロツーリズム成功の秘訣とポストコロナへの施策」)
非対面接客ロボット
客室コンシェルジュとして働くロボット「ロボボン」
コロナ禍でも売上を伸ばしているのが、最先端ロボットが働く「変なホテル」です。変なホテルには、受付係を務める人間型ロボットや、宿泊施設の周辺情報や利用方法を案内するパートナーロボット「ロボボン」がいます。
また、客室内にはスマートフォンをかざすとタクシー送迎が依頼できる「スマートプレート」を設置。コンシェルジュサービスの無人化を実現しています。
宿泊業界は、外部要因により売上が左右されてしまいがちですが、人件費のコストが重くのしかかります。しかし、非対面接客ロボットやツールを導入すれば、人件費削減が期待できます。
(参照元:ニュースイッチ「非接触でおもてなし、シャープ「ロボホン」が宿泊施設で活躍」)
スマートチェックインの導入
withコロナ/afterコロナでは非対面接触ビジネスが主流となる
スマホ画面をフロントに見せるだけでチェックインが済むCUICINが注目を浴びています。旅行者のスマホに館内案内やWi-Fi情報、周辺の観光情報を伝えることもできます。CUICINを導入すれば、宿泊名簿への記入や案内カタログを配布する必要性がなくなります。
また、システムが収集できた顧客情報を集計できて、ビジネス戦略に活かすことができる画期的なシステムです。CUICINの魅力は導入ハードルが低いことです。そのため、小規模の宿泊施設でも気軽に導入できます。
(参考元:TechCrunch 「スマホ見せればチェックイン、宿泊業界のDXに新たな風をもたらすクイッキン」)
コンサルタント堀内の見解
Withコロナ時代でも、黒字経営ができている宿泊施設ではマイクロツーリズムを成功させています。AIを起用した宿泊施設診断システムをホームページに搭載するなど、自社ホームページの強化をしましょう。自社ホームページで集客ができれば、手数料が発生しません。また、コロナ収束後は、インバウンド事業が徐々に回復するため、多言語に対応できるロボット、スマートチェックインなどのシステムが重宝していくので導入すると良いでしょう。
まとめ
今回は、コロナ禍で行いたい補助金を活用したビジネス投資について解説しました。最後におさらいをしておきましょう。
飲食業 | モバイルオーダー機能が搭載されたホームページが標準仕様となり、システムを活用して顧客管理、従業員育成をしていく必要がある。 |
建設業 | 自立型ロボットやアシストスーツを活用して作業員の負担を減らす。建設業に特化をしたビジネスチャットを使用して、生産性向上を図る必要がある。 |
宿泊業 | マイクロツーリズムや自社集客のためのホームページ強化を行う。少人数のスタッフで宿泊施設を運営できるように、ロボットやシステムを導入する必要がある。 |
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