グローバル化とリベラリズムは復権し得るか?

グローバル化とリベラリズムは復権し得るか?

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第二次世界大戦後から現在に至るまで、世界は「グローバル化」と「リベラリズム」という二つの潮流によって動かされてきました。これらは、国家や企業、個人の行動様式を規定し、経済成長や技術革新、文化交流を促してきた一方で、近年その基盤が揺らぎつつあります。

米国を中心とするリベラル・グローバル秩序は、これまで自由貿易と民主主義の拡大を後押しし、世界経済の統合と平和的共存を実現してきました。しかし、2025年のトランプ二期目就任を契機に「アメリカ・ファースト」路線が復活し、高関税・国内保護主義が導入されたことで、多国間貿易体制と金融体制双方の揺らぎが顕在化しています。本稿では以下の構成で現状を整理し、再びグローバル化・リベラリズムが復権し得るかを検討します。

※参考「グローバル化」と「リベラリズム」について

グローバル化(Globalization)

  • モノの移動の自由化
    関税引き下げや自由貿易協定の締結により、部品や製品が国境を越えて効率的に流通。
  • ヒトの移動の自由化
    留学・観光・ビジネスを通じた国際的交流や移民の増加。多様な人材が国際市場で競争・協働。
  • 資本の移動の自由化
    クロスボーダー投資の拡大、金融市場の連携強化により、企業が世界各地で資金調達・事業展開を実現。
  • 情報・技術の共有と拡散
    インターネットやクラウド、AI技術などが瞬時に世界中で普及し、企業や研究機関間のコラボレーションを加速。

リベラリズム(Liberalism)

  • 個人の自由と権利保証
    言論・信教・集会の自由、私有財産権の尊重など、個人の権利を法で保護。
  • 法の支配と三権分立
    政府権力を立法・行政・司法に分割し、不当な権力行使を抑制。
  • 民主的制度の重視
    選挙による市民参加と透明性の高い政治プロセスを基盤に政治権力を正当化・制約。
  • 多国間協調と国際機関の活用
    国連・WTO・IMFなどを通じ、紛争や経済摩擦をルールベースで解決し、平和と安定を維持。

 

アメリカの保護主義転換と「戦後の多国間貿易体制」の揺らぎ

製造業のイメージ、鉄鋼を切る労働者

2025年1月、ドナルド・トランプが二期目大統領に就任。「鉄鋼・アルミ25%」「自動車部品15%」と相次ぐ高関税の導入、欧州・日本・中国への報復関税発動、WTO紛争解決機能の軽視──いずれも、GATT/WTOを柱とする「戦後の多国間貿易体制」を自ら揺るがす行為です。では、なぜグローバル化から保護主義へ転換したのか、以下3つの理由があります。

グローバル化から保護主義への転換──主な3つの理由

1.国内産業の「空洞化」と雇用喪失への懸念

1990年代以降、米国製造業は安価な海外生産拠点への依存を深めた結果、国内では工場閉鎖と雇用流出が著しく進行。特に中西部の「ラストベルト(錆びついた地帯)」では失業率が高止まりし、有権者の不満が累積。グローバル化がもたらす競争力強化よりも、まずは「自国内の仕事を守れ」という圧力が強まりました。

2.安全保障とサプライチェーン脆弱性の顕在化

COVID-19パンデミックや半導体不足などで、医薬品や電子部品といった戦略的物資が海外集中型サプライチェーンで寸断され、国防・医療体制に深刻なリスクが露呈。単にコスト最適化を追求するグローバル調達から、自国・同盟国内での生産・備蓄を重視する「レジリエンス強化」の必要性が台頭しました。

3.政治的ポピュリズムとナショナリズムの高揚

「グローバルエリート」「ウォール街」「官僚機構」が恩恵を受ける一方で、地方や労働者層は取り残されたという感覚が強まり、ポピュリスト政党や政治家への支持が拡大。移民問題や「貿易赤字」がナショナリズム的言説と結びつき、選挙戦略として保護主義を掲げる政治リーダーを後押ししました。

これら三つの要因が重なり合うことで、コスト効率を最優先する従来のグローバル化から、自国産業と国民生活の「安全・安心」を優先する保護主義への急激な舵切りが進行しているのです。

移民問題の深刻化とリベラルの挫折

最高裁判所 ワシントンDC 米国

一方で、リベラル勢力が支持を集めにくくなっている背景には、主に次の3つの要因があります。

1.経済的不安と労働市場への競合意識

違法移民の増加は、低賃金労働者の間で「職を奪われる」「賃金が抑えられる」といった経済的危機感を生み出しました。リベラル派が推進してきた移民受け入れや多文化共生政策は、「自国民優先」「自国の生活基盤を守る」ニーズと衝突し、結果として「リベラル政策は自分たちの暮らしを脅かす」との反発を招きました。

2.アイデンティティ不安とナショナリズムの台頭

言語・文化の違いを顕著に持つ集団の流入は、「伝統的なコミュニティが崩される」「治安が悪化する」といった不安を煽りました。リベラルが訴える「多様性尊重」の価値は、一部の有権者に「自己文化の軽視」と映り、結果として排外主義を掲げるポピュリスト政党が勢力を伸ばす土壌を作りました。

3.国家能力への不信と「寛容の限界」論

違法移民対策の不手際や、受け入れ後の社会保障負担の拡大が目立つと、「リベラルは理想ばかり語り、現実の問題を解決できない」というイメージが定着しました。結果として、強い国境管理や治安維持を掲げる「法と秩序」志向の保守的リーダーへの支持が高まり、リベラル勢力は有権者の信頼を失いました。

ドナルド・トランプが二期目大統領に就任したことにより、中南米からの不法移民に対し国境の壁建設を再開。さらに、イスラム圏7カ国からの入国禁止、留学生ビザの厳格化を実施し、排外主義と保護主義を結びつけました。この政策は、低賃金労働者の保護を名目としつつも、移民コミュニティの分断と人権侵害を招いたものです。

トランプ政権は、裁判官の批判、大学への予算凍結、特定メディアの排除などを行い、リベラル勢力の立場を弱める政策を進めています。

🔵司法制度への圧力

・ロジャー・ストーン量刑引き下げ介入

2020年、トランプ氏は司法省に対し盟友ロジャー・ストーン被告の量刑軽減を執拗に要求し、元の検察推奨7〜9年判決を4年以下へ大幅に軽減。司法の独立を著しく傷つけた。

・連邦裁判官への公的批判

自身に不利な判決を下した裁判官をツイッターで名指し、「政治的偏り」と非難。裁判官の独立を公然と侵害した。

・司法省トップの頻繁交代

刑事部門や選挙関連捜査の責任者を次々と更迭・配置換えし、捜査の透明性が喪失。

🔵大学・学術機関への圧力

・連邦研究資金凍結の脅し

「保守派スピーカーを阻む大学には助成金を見直す」と表明。バークレー校などが標的となり、学問の自由と大学自治が揺らいだ。

・学生運動への摘発介入

反トランプ集会をICEに摘発させ、学内デモが萎縮。言論・集会の自由が圧迫。

🔵報道機関への圧迫

・主要メディアの取材制限

APやReutersをホワイトハウス会見から締め出し、「不都合な真実を伝える敵」と断定。

・「フェイクニュース」攻撃と訴訟ちらし

CNN、NYタイムズ、ワシントン・ポストを「人民の敵」と罵倒し、名誉毀損訴訟をちらつかせ報道機関の自主規制(チリング効果)を誘発。

・内部告発への厳罰方針

エスピオナージ法を駆使してジャーナリストや告発者への捜査を強化。情報公開が萎縮。

欧州の右派台頭──移民問題の波及

欧州の地図

一方で、欧州全域で右派政党が影響力を拡大し、移民・難民問題を軸に社会の分断が一層深まっています。アメリカだけではなく、欧州においても、反リベラリズムが台頭しています。

ドイツ:AfDの勢力化

2017年連邦議会初登場から、2019年欧州議会選で15%超、2024年州議会選でも上位。東ドイツでは失業率と相まって支持が集中し、「伝統的価値観の防衛」「イスラム進出警戒」を訴えています。

フランス:国民連合の復権

2022年大統領選で決選投票へ進出、2024年欧州議会選で27%超。南仏・工業地帯の地方自治体を掌握し、移民排斥・公共空間規制を実験的に展開しています。

イタリア:リーガと連立政権

北部リージョン基盤のリーガは、地中海での移民船阻止や難民一時収容所運営を肝とし、フォルツァ・イタリアと連携。国内法制を改変して排外策を強化しました。

北欧・中欧の新興右派

・スウェーデン民主党

2018年に国会席次を大幅増、福祉国家の持続性を「移民負担」で疑問視。

・ポーランドPiS

EU難民受け入れ義務に反発し、東部国境で「安全地帯」を設定。

・オーストリアFPÖ

シリア難民受け入れ反対を掲げ、若年失業と移民問題を結びつけて支持を拡大。

🔵背景要因と社会影響

1.経済格差の拡大

グローバル化恩恵の都市集中で地方の所得停滞が深化。

2.治安・テロ不安

パリ同時多発テロ(2015年)以降、イスラム過激派への警戒が根強い。

3.情報分断

SNS誤情報が恐怖を増幅し、右派情報網を強化。

4.EU不信と主権回復論

ブレグジット後、難民分担政策への反発が広まり、ナショナルコントロール回復論が定着。

これらはEU政策にも波及し、共通移民政策の後退やシェンゲン協定停止論議を誘発。欧州リベラル秩序は深刻な試練に直面しています。

第二次大戦前のブロック経済再来の懸念

大恐慌の新聞のイメージ

現代の保護主義的潮流は、1930年代のブロック経済──高関税・為替操作・二国間優遇策による地域経済圏形成──と多くの類似点を共有します。以下、その詳細を掘り下げます。まずは1930年代に起こったことについて述べたいと思います。

1930年代のブロック経済──原因と帰結

🔵大恐慌と保護主義

1929年の大暴落後、米国はスムート=ホーリー関税法で平均関税を約60%に引き上げ。他国は報復し、貿易総額は1929–32年で66%減少。内需拡大策を模索したものの回復は遅延。

🔵通貨切り下げ競争

金本位制が崩壊し、英が1931年にポンドを切り下げ、独はマルク切り下げ。他国も追随し、通貨戦争となって混乱を深刻化。

🔵地域貿易ブロック

英連邦の「帝国優遇関税」、欧州大陸の「ルクセンブルク連合」、伊墺の「ローマ協定」、日本の「大東亜共栄圏」構想などが成立。地域内の自給自足が強化され、国際サプライチェーンが分断。

🔵政治・軍事対立への連鎖

経済封鎖と通貨戦争が政治的極端主義を助長し、ナチス・ドイツや日本軍国主義の台頭を促進。保護主義が侵略へ転化する危険性を露呈。

現代のブロック化懸念──構造的類似と相違

🔵多層的保護主義

米中貿易戦争、トランプ政権高関税、中国「双循環」政策など、複数レイヤーでの市場囲い込みが進行。単一摩擦を超えた複雑な保護主義構造を形成。

🔵デジタル領域の“データ・ブロック”

欧州GDPR、中国サイバー法、米国クラウド規制が異なるデータローカライゼーションやデジタル課税を導入し、IT分野の分断を加速。

🔵サプライチェーンの“デカップリング”

半導体や電池など戦略物資に対し、特定同盟国間での調達・製造に限定する動きが顕著。産業クラスターの国内回帰や多極分散が進行。

🔵貿易協定の分岐と重複

RCEP、CPTPP、USMCA、日米貿易協定などが重層化。原産地規則・知財条項の違いが企業に遵守負担を課し、実質的にブロック圏内統合を強化。

🔵アメリカ保護主義への「対抗措置」としての中国・EUの動き

アメリカが保護主義を加速すると、主要な貿易相手であるEUや中国も遅れて同様の措置を取る可能性があります。こうした対抗措置の連鎖は、「保護主義の嵐」を一層激化させ、逆にブロック経済化を加速させる危険を孕んでいます。

1.EUの対抗関税・産業保護

EUは過去の米国鉄鋼・アルミ報復関税に対し、ワシントン発の製品に対して報復関税を発動してきました。今後も米国が高関税を強化すれば、電気自動車やデジタルサービスなど新たな分野で対抗関税や補助金による自国産業保護策を拡大するでしょう。

2.中国の報復的非関税措置

中国は米国の輸入制限やハイテク輸出規制に対し、食品や農産品の輸入検疫強化、企業認証制度の改定といった非関税障壁を活用してきました。今後も半導体やワクチンなど戦略的物資で同様の「技術と認証での締め出し」を強化し、報復のメカニズムを用いる可能性があります。

3.多国間交渉の分断

両者が二国間・地域的な保護主義をエスカレートさせると、WTO交渉やEPA・FTAのような多国間協議は後退。EUと中国それぞれが「アジア圏」「欧米圏」と分断された貿易ブロックを形成し、新たな経済境界線を引くリスクが高まります。

強権国家の領土拡大とリベラル秩序への挑戦

ロシアと中国の国旗

現代の国際政治において、ロシアや中国などの強権国家が「力による現状変更」を続けることで、リベラル秩序の根幹である「領土不可侵」「民族自決」「人権尊重」が公然と蹂躙されています。これらの動きは、国連や国際司法裁判所が掲げる「平和的解決」「人権尊重」とは真逆の行為であり、リベラル秩序の信頼性を根底から揺るがしています。

ロシアのウクライナ東部併合

2022年以降、ロシアはドネツク・ルハンシクを中心とするウクライナ東部地域を軍事力で掌握し、事実上の編入を進めました。国連安保理常任理事国という立場を利用し、他国の非難決議を阻止。戦略的要衝を手に入れることで、「力が正義」を示す一面を世界に示しました。

中国の香港・新疆統制

中国政府は2019年に国家安全法を香港に導入し、言論・集会の自由を徹底的に抑圧。民主派活動家や新聞社を次々と摘発・解体し、香港を事実上の一党独裁下に置きました。同時に新疆ウイグル自治区では「再教育キャンプ」を通じてウイグル人の文化・宗教を根絶し、漢民族の移住を促進。人権問題を「内政問題」として国際批判をかわしつつ、国内支配を強化しています。

トランプ二期目政権はアジア安全保障には消極的であり、経済ディール優先で中国企業の米国内投資・雇用創出を最重視しているため、台湾防衛への具体的コミットメントは曖昧化しています。そのため、最悪のシナリオでは、中国が台湾海峡を封鎖し、限定的軍事行動を伴う威嚇を強め、一方で米議会は分断し、制裁措置は棚上げとなります。その結果、台湾は「一国二制度」的な従属状態を余儀なくされ、香港化が進む可能性が高くなるのではと一部のシンクタンクでは予想しています

2026年中間選挙と権力集中

ホワイトハウス

共和党の議会制圧

2026年中間選挙では、民主党再建に失敗し共和党が上下両院を制す。これによりトランプ政権は立法抑止力をほぼ失い、「アメリカ・ファースト」政策の推進余地が一段と拡大します。

大統領権限強化の動き

権力集中が進み、民主党勢力は名目上の存在へと転落。三権分立と市民的自由が著しく損なわれます。

・司法弾圧:政敵とみなす司法長官や判事の更迭を図り、捜査・判決に介入。

・大学弾圧:保守派スピーカーの招へいに反対する大学への資金供給停止。

・メディア弾圧:「フェイクニュース」指定による取材権剥奪や訴訟恫喝。

・デモ弾圧:公共秩序維持を口実に州兵配備や集会禁止令を多用。

トランプによる権力集中は一方で以下のような政治経済的影響を及ぼすようになり得ます。

国内分断の固定化と制度の機能不全

共和党が上下両院を制し、大統領の意向が強く反映される「準一党支配体制」が現実化すると、三権分立の形骸化が進行します。トランプ政権が司法・メディア・教育機関に対して圧力を強め、反対意見を排除する体制が構築されることで、「制度による制御」が失われ、民主主義的な手続きが形式的なものになる恐れがあります。これにより、立法や監視機能の劣化が進行し、権力の私物化が常態化するリスクがあります。

経済政策のポピュリズム化と構造的停滞

「アメリカ・ファースト」を掲げた保護主義的な政策が加速すると、短期的には雇用や製造業支援で一部の支持層に恩恵が及ぶかもしれません。しかし、中長期的には輸入関税や国際協調の放棄による報復関税、サプライチェーンの分断が経済に打撃を与える可能性が高くなります。特にインフレや金融市場の不安定化が進み、トランプ支持層だった中間層・低所得層の生活が圧迫され、支持の離反が起こるリスクがあります。

国家信用の低下と国際投資の減少

司法の独立性や報道の自由が失われることで、アメリカの制度的信頼性に対する評価が国際的に低下し、海外投資が逃避する可能性があります。また、ドルの基軸通貨としての信頼が揺らげば、金融市場への影響は深刻です。資本流出と長期金利の上昇によって、国内景気は逆風に晒されることになります。

こうした動きに対抗するグローバル化勢力や、リベラリズムの価値観を重視する人々・団体は、複数の戦略を組み合わせて反撃に出ると考えられます。それらの取り組みこそが、グローバル化とリベラリズムが再び力を取り戻す契機となるかもしれません。

ナショナル勢力(州政府・地方自治体)の自立強化

 カリフォルニア州サンフランシスコ、ゴールデンゲートブリッジ

トランプ政権による中央集権化に対し、カリフォルニア州やニューヨーク州をはじめとする「ブルーステート(民主党優勢地域)」では、州憲法や州条例を盾に、独自の政策・価値観を維持する動きが活発化するでしょう。

🔵環境政策

連邦政府がパリ協定など国際枠組みから離脱しても、州レベルで独自に温暖化対策を継続(例:カリフォルニア気候枠組み)。

🔵教育・人権

LGBTQ保護、移民支援、多文化教育など、連邦に逆行する政策を州単位で強化。

🔵司法抵抗

州検事総長が連邦命令に対し訴訟を起こし、「法の支配」を守る防波堤となる。

このように、州政府の抵抗線が「分権型リベラリズム」の砦として機能する可能性があります。

テック企業・国際企業による「経済的反乱」

シリコンバレーの社屋に沈む夕日

シリコンバレーを中心とするテック業界や多国籍企業は、グローバルな人材・資本・情報流通に依存しており、孤立主義的政策に反発する立場です。

🔵トランプ政権による移民制限・検閲・言論弾圧に対し、企業側が裁判で対抗。

🔵独自のCSR(企業の社会的責任)で、人権・環境・多様性に基づいた価値観を発信・拡張。

🔵世界中のユーザー基盤と連携して、「国家」を超える文化的・経済的ネットワークを構築。

つまり、企業は国家主導の権威主義に対し、市場・テクノロジー・ブランド力によって対抗軸を形成する可能性があります。

Z世代と市民社会による「分散型レジスタンス」

空白の吹き出しを持つ若者たち

トランプ的な中央集権型・強権的統治に対し、Z世代やミレニアル世代を中心とする草の根運動が、ローカルかつネットワーク型の社会運動として抵抗します。

🔵SNSやミーム文化を駆使した「デジタル・レジスタンス」(例:#MeToo、#BlackLivesMatterのような運動の再活性化)。

🔵学生や若者が中心となった街頭デモやキャンパス運動(言論の自由・表現の自由・学問の自由の防衛)。

🔵市民ファンディングやDAO的な組織で、中央政府に依存しないコミュニティベースの新しい民主主義実験。

これらは非階層的で流動的な運動体として展開され、トランプ的権威主義とは真逆の「開かれた民主主義」のモデルとなるでしょう。

国際社会・同盟国との連携による包囲網の構築

グローバルな貿易と金融の概念

アメリカの内向き化に対抗するため、EUや日本、カナダなどの民主主義国家が「ポスト・アメリカ時代」の価値同盟を再構築する動きが加速します。

🔵リベラルなルールベース国際秩序の再確認(例:自由貿易、WTO、国際人権基準)。

🔵民主主義サミットやG7で、アメリカ国内の圧政に対する象徴的な非難や包囲網の構築。

🔵中国やロシアの覇権主義と同様、トランプ的米国も「非自由主義国家」として牽制対象に。

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