新型コロナウイルスの影響でインバウンド需要が消滅し、国内旅行も遠出は厳しくて売上が減少したことに悩んでいませんか?観光業界は新型コロナウイルスの影響で大打撃を受けています。
今後も、新型コロナウイルスが収束するか定かではありません。コロナ禍でも観光業で黒字化経営していくにはどうすれば良いのでしょうか?
今回は、コロナ禍でも観光業で収益をあげていく方法をご紹介します。国内・国外の観光業の具体的な戦略を紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
新型コロナウイルスの観光業への影響
新型コロナウイルスの影響で観光業界は大打撃を受けています。Statistaの独自調査によると、2020年度の全世界の観光業収益は7,120億ドル(約92兆円)と予測されていましたが、新型コロナウイルスの影響で3,963億円(約51兆円)と予測を大幅に下回る結果になりました。この調査結果から分かるように、全世界の観光業が新型コロナウィルスにより売上低下に悩んでいます。
しかし、このような状況でも、売上を伸ばしている観光業が存在します。この記事では、国内・国外で新型コロナウイルス環境下においても売上拡大を実現している成功事例をご紹介します。
【国内】コロナ禍でも売上拡大する観光業の成功事例3選
日本国内の観光業は、入国規制による訪日外国人が減少して大打撃を受けています。観光庁の「令和3年版観光白書について(概要版)」によると、2020年の訪日外国人旅行消費額は、前年比84.5%減の7,446億円となっています。
訪日外国人旅行消費が見込めなくなり、多くの観光業が苦戦を強いられています。そのような中でも観光業で収益を生み出している成功事例をご紹介します。
IT開発の内製化で最高水準のコロナ対策を実現
星野リゾートはIT人材化計画を立てて人材育成をしており、IT開発の内製化に成功しています。
大浴場やレストランの混雑状況を可視化できるシステムや、非接触型のチェックインシステムなどIT開発に努めており、最高水準のコロナ対策宣言をして、お客様に安心して宿泊してもらえるような取り組みをしています。
また、コロナ禍ではマイクロツーリズム(地元の方が近場で過ごす旅スタイル)を用意して、自社集客をするなど工夫して黒字化経営を実現しています。
メタバースを活用して知名度アップに成功
沖縄では、メタバース「バーチャルOKINAWA」で外国人誘致に成功しています。「バーチャルOKINAWA」は、沖縄美らら島財団の監修の元、首里城の復元を実施しており、世界中どこからでも沖縄の文化を体感できます。
また、仮想空間では、リアルタイムの音楽を楽しむことができたり、名産品を購入できたりします。バーチャルOKINAWAの運営で沖縄土産800万円分を完売するなど、新たな収益の確保に成功しています。
巣ごもり需要で経営黒字化に成功
小田原市の小田原競輪は、赤字経営で廃業が検討されていました。しかし、インターネットを活用したサービス「インターネット投票」が巣ごもり需要とマッチして、競輪を楽しむ方が増加しました。
インターネット投票を導入している競輪が少なく、収益拡大に繋がったのです。また、ライブ配信サービスで生中継と解説を行うことで、若い世代の集客に繋げられ、廃業せずに経営継続ができるまで復活しました。
【世界】コロナ禍でも売上拡大する観光業の成功事例3選
国内・国外問わずに観光業は大打撃を受けています。海外の観光業も売上停滞と苦戦を強いられていますが、そのような中でも収益アップに成功しているところも存在します。売上拡大に成功している観光業は、どのような取り組みをしているのでしょうか?ここでは、コロナ禍でも売上拡大を実現している、世界の観光業の成功事例をご紹介します。
パッケージプランで収益アップ(モルディブ)
コロナ禍でも観光事業が成功しているとして注目を浴びているのが、モルディブです。モルディブには、独自のプライベートアイランドがあり、1,000個の島から宿泊先を選べます。そのため、簡単に三密回避ができるのです。
プライベートアイランドは人気を博し、最大1年間のパッケージプランなどを開発して販売しています。モルディブへの観光客数は低下しましたが、長期滞在顧客の集客に成功することができ、売上を順調に伸ばしています。
福祉関連に食料・場所を提供してブランド認知に成功(ドイツ)
ドイツの観光業者Touristik Union Internationalは、物資を世界中の医療や福祉施設に提供しています。新型コロナウイルスに対抗するための手袋・マスク・消毒液などの物資の寄付を行いました。この寄付活動によりホテルのブランド認知を実現し、オンラインサービスの集客に成功しています。
オンラインサービスでは、ホテルレシピの料理講座、英会話講座、エクササイズ講座を準備しており、自社プラグラムから収益を得ています。医療や福祉施設には物資を提供し、ゲストには自宅で楽しんでもらえるプログラムを提供することで、新たな収益の確保に成功しています。
オフラインとオンラインの融合で収益アップ(アメリカ)
アメリカのロサンゼルスでは、オフラインとオンラインを融合させたサービス展開で、売上アップに成功しています。
アメリカ・ゲーミング協会(AGA)によると、スーパーボウル(アメリカの最大のスポーツイベント)を楽しむ人は、前年比78%アップの76億1,000万ドル(約8,803億円)になりました。スーパーボウルを楽しむ人が増えた要因としては、アプリ開発をして多くのユーザーが取り囲んだことが大きな要因とされています。オフラインとオンラインの融合で収益アップに成功したのです。
まとめ:観光業が収益を上げるためのヒント
国外・国内の観光業でコロナ禍でも収益を上げられているところは、さまざまな工夫がされています。最後に、コロナ禍でも観光業が収益を上げるためのヒントをおさらいしておきましょう。
IT内製化で非対面ビジネスや三密回避のビジネスモデルに切り替えておく
自社のWebサイト上で集客をして紹介手数料をゼロにする
メタバースでイベントを開催して世界中の人々を誘致して収益を上げる
インターネットを活用したサービスを開発して、新たな顧客を囲い込む
完全プライベート空間のホテルを経営して、プランパッケージを考える
福祉や医療施設へ物資を提供して、ブランド認知度の向上に励む
ゲストに対するオンラインプログラムを提供して新たな収益源を得る
オフラインとオンラインを融合してサービス展開する
この記事では、各施策の成功事例を紹介してきました。売上を伸ばしている観光業者から学ぶことは多いはずです。ぜひ、これを機会にWithコロナ時代に備えたビジネスモデルの切り替えを検討してみてください。
株式会社ベリーグッド社では、観光業のビジネスモデルの切り替えや補助金活用のコンサルティングサービスを提供しています。ぜひ、興味がある方はお気軽にご相談ください。
※出典元ホームページへのリンク
『星野リゾートオフィシャルサイト』
『バーチャルOKINAWAオフィシャルサイト』
『小田原競輪オフィシャルサイト』
『CNNTrabelオフィシャルサイト』
『Touristik Union Internationalオフィシャルサイト』
※参考文献
『statista「Forecasted change in revenue from the travel and tourism industry due to the coronavirus (COVID-19) pandemic worldwide from 2019 to 2020」』
『星野リゾート「最高水準のコロナ対策宣言星野リゾートが考える3密回避の旅」』
『株式会社あしびかんぱにーオフィシャルサイト』
『タウンニュース「小田原競輪が存続へ 「巣ごもり需要」で黒字増」』
『CNN travel「How the Maldives became the biggest 2020 international tourism success story」』
『cvent「Hotel Sales During COVID-19: How to Win Future Business」』
『JalR「【海外版・2/9~2/15 IR記事まとめ】MGMリゾーツ通期決算は黒字転換、スーパーボウルのベッティングは過去最高取扱額に (1/2)」』