客単価を上げるために工夫できることとは?

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事業を運営する上で、重要な指標となる客単価。客単価を上げるには、さまざまな方法がありますが、戦略に則って実施することが大切です。

今回は、客単価を上げるための工夫7選や、客単価が下がる原因を解説します。

この記事を読めば、自社の商品やサービスにどの方法が向いているのか分かるので、ぜひ最後までご覧ください。

客単価を上げるための工夫6選!

客単価を上げるには、単価を上げる・関連商品を提案するなどの施策があります。ここでは、客単価を上げるための工夫6選を紹介します。

商品やサービスの単価を上げる

客単価は「売上×客数」で決まるため、商品やサービスの単価を上げれば、客単価も上がります。ただし、単価を上げるだけでは客離れが発生して、全体の売上が下がる可能性があるので注意が必要です。

お客様に不満を抱かせない値上げ方法は、以下のようなものがあります。

・パッケージや包装を変更して高級感を出す

・急に値上げをせず、3か月や半年前から値上げの予告をする

・商品の価値をPOPなどで伝える

単価を上げる際は、お客様に納得感を与えることが大切です。「以前から値上げが予告されていたから仕方ない」「価値のある商品だからこの値段でも妥当だ」など、価格が適正である理由を説明しましょう。

より高額な商品やサービスを提案する

お客様が検討している商品よりも、上位の商品を提案することにより客単価を上げる方法です。この方法はアップセルと呼ばれ、客単価を上げるための定番施策です。

例えば、洗濯機を検討しているお客様に、シンプル機能の5万円の製品ではなく、乾燥機能や洗剤の自動投入機能などが付いた10万円の製品を提案します。

アップセルを成功させるには、顧客担当者への意識の徹底や製品に関する知識・セールストークの向上などが必要です。

お客様は高機能な商品を手に入れて満足でき、販売側は売上アップとなるので、お互いwin-winの関係となれます。

オプション品や関連商品を提案する

ある商品を検討しているお客様に、オプション品や関連商品の提案をして、一緒に購入してもらえれば客単価が上がります。先ほどのアップセルに対して、クロスセルと呼ばれる施策です。

例えば、パソコンの購入を検討しているお客様に、キーボードやマウス・モニターなどの関連製品を提案します。また、ウィルス対策ソフトや故障時のアフターサポートなどのオプション品の提案などもクロスセルの一つです。

営業や販売をしていると、メインの商品が売れて気が緩み、関連製品などのPRを忘れてしまうケースは多いです。

クロスセルを実施するには、関連製品を合わせてPRすることを徹底して教育する必要があります。

ゴルディロックス効果(松竹梅の法則)を利用する

ゴルディロックス効果を聞いたことがない人でも、松竹梅の法則と言えば知っているのではないでしょうか。

松・竹・梅の3段階の選択肢があると、人間は無意識で真ん中の竹を選びやすいという法則です。

この考えをビジネスに応用すると、10,000円で売りたい商品がある場合、13,000円と7,000円の商品も用意します。

13,000円・10,000円・7,000円の3つの選択肢があると、人間は真ん中の10,000円を選びやすくなるので、狙った商品が売れるようになります。

10,000円と7,000円の2択だと、安い方を選ぶ傾向にあるため、10,000円の商品が売れなくなってしまいます。

定期的に新商品を展開する

同じ商品ばかり並べていると、お客様が新しい商品を購入する機会が減るので、客単価が上がりません。

新商品や季節限定商品などを定期的に展開して、お客様の興味を惹けば客単価アップが見込めます。お店に来るたびに新しい商品が並んでいたら、お客様は「面白い店だな」と感じてリピーターの獲得にも繋がります。

新商品を発売する際にSNSでの告知や、お客様へのSNS登録を誘導すれば、お店のファンを増やせるでしょう。

決済手段を増やす

決済手段を増やすとお客様の利便性が上がるため、まとめ買いなどで客単価がアップします。また、現金の持ち合わせがないお客様でも、キャッシュレス決済であれば手持ちの現金以上の商品を購入していただけます。

特にECサイトは決済手段が増えると、顧客が増える傾向にあります。

例えば、コンビニ決済や代引きを取り入れれば、クレジットカードを持てない若年層に訴求可能です。年配の方が多いのであれば、銀行振込や代引きが好まれます。自社の客層に合わせて決済手段を増やしていきましょう。

総務省が発表した令和2年度の通信利用動向調査報告書によると、インターネットを使って商品を購入する際の決済手段は、1位がクレジットカードの75%、2位がコンビニ支払いの36.5%、3位が代金引換の24.6%となっています。

この順位を参考にして決済手段を増やせば、より多くのお客様の利便性が上がると考えられます。

出典:総務省「令和2年 通信利用動向調査報告書

客単価が下がる原因

客単価を上げるのと同時に、なぜ客単価が下がるのかを知る必要があります。ここでは、客単価が下がる原因を紹介します。

安易な値下げやクーポン

値下げやクーポンの発行は、一時的に客単価アップや新規顧客を獲得する効果がありますが、戦略なしに続けてしまうと客単価が下がる可能性があります。値引きやクーポンは、以下のような戦略を練ってから実施しましょう。

・目的を定める

・ターゲットを設定する

・ブランドイメージを守る

まず、「目的を定める」ですが、値下げやクーポンを配布する目的を定めましょう。例えば、「利益率が高い製品を多く販売するため」「リピーターを獲得するため」などです。

目的を定めるコツは、自社の課題を解決できる目的にすることです。自社の課題を再点検して、課題解決に繋がるような値引きやクーポンを配布しましょう。

続いて「ターゲットを設定する」ですが、ターゲットが明確になっていないと、値下げやクーポンの効果が薄くなってしまいます。新規顧客向けなのか常連向けなのか、ターゲットを明確にしましょう。

これらの2点を守って値下げやクーポンを配布すれば、客単価アップや新規顧客獲得などの効果が表れます。しかし、乱発すると顧客から「すぐに値下げをする店だ」「定価で購入すると損をする」などのイメージを持たれてしまい、ブランドイメージが崩れます。

自社が顧客からどのようなイメージを持たれているかを意識して、値下げやクーポンの回数を検討しましょう。

固定客が少ない

固定客は、値引き品よりも高付加価値の商品を購入する傾向になります。そのため、新規顧客ばかりで固定客が少ないと、客単価を下げる要因になります。

固定客を増やすには魅力的な商品を販売することはもちろんですが、接客力を向上させて、お客様にファンになってもらう必要があります。

商品に関する勉強会を開く・ロールプレイングで接客の練習をする・売上の高い販売員のノウハウを共有するなどで、接客力を高めましょう。

客単価以外で売上を向上する工夫

業績を上げるには客単価だけでなく、売上そのものを向上させる施策も大切です。ここでは、売上をアップさせるための工夫を紹介します。

新規顧客を増やす

売上を向上させるには、新規顧客の獲得は欠かせません。

以前は、新規顧客を獲得する方法は、新聞の折り込みチラシやテレアポなど、アナログな施策が主流でした。しかし、近年では、新規顧客を獲得する方法は、次のように多様化しています。

・Web広告

・SNS

・オウンドメディア

・展示会、Webセミナー

Web広告は地域やターゲットを絞って配信でき、費用対効果が高い宣伝方法です。SNSやオウンドメディアは新規顧客の獲得だけでなく、ブランディングや新規顧客をリピーターにするなどの効果があります。それぞれ、特徴や効果が異なるため、自社の顧客層と親和性が高い宣伝方法を選ぶことが大切です。

また、新規顧客を獲得して、リピーターになるまでには以下のようなプロセスがあります。

  1. 潜在顧客:ニーズはありつつも、自社の商品やサービスを知らない顧客層
  2. 見込み顧客:自社の商品やサービスを認知しているが、まだ購入には至っていない顧客
  3. 新規顧客:新たに自社の商品やサービスを購入した顧客
  4. 既存顧客(リピーター):何度も自社の商品やサービスを購入してくれる顧客

広告などで潜在顧客を見込み顧客に変化させて、見込み顧客に商品を深く知ってもらい新規顧客にします。新規顧客には接客や魅力的な商品などで、自社のファンにさせればリピーターになります。

この流れを意識して、顧客を成長させていきましょう。

リピーターを増やす

何度も自社の製品を購入して売上に貢献するリピーターは、事業を運営するのに欠かせない顧客です。

マーケティング用語に「1:5の法則」という言葉があります。これは新規顧客を獲得するのは、既存顧客よりも5倍のコストがかかるとの意味です。新規顧客の獲得は大切ですが、新規顧客をリピーターにする方が効率的に売上をアップすることができます。

新規顧客をリピーターにする定番の方法にメルマガがあります。メルマガは一定の間隔で自社の商品やサービスを紹介できるため、再び商品を購入してもらえる可能性が上がります。

その他にも、ダイレクトメールやSNSでの発信などの方法もあります。

さまざまな手段を駆使して、顧客に定期的な情報発信をして、何度も商品を購入してくれるリピーターになってもらいましょう。

まとめ

客単価を上げるには、商品の単価を上げる・クロスセル・アップセルなどの方法があります。それぞれの施策には、メリットやデメリットがあるので、自社に最適な方法を選んでください。

また、客単価を上げるだけでなく、安易な値下げやクーポンの発行・固定客が少ない、など客単価を下げる要因を排除することも大切です。

新規顧客の獲得やリピーターを増やして、全体の売上も意識しながら、客単価を上げてください。