2025大阪万博 ベンチャー企業と中小企業が掴むべきビジネスチャンスとは?

2025大阪万博: ベンチャー企業と中小企業が掴むべきビジネスチャンスとは?

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2025年に開催が予定されている大阪万博は、世界中から1億人以上の人々が来場すると予想されています。日本企業にとってはオリンピックなどに匹敵する大きなビジネスチャンスとなり得ます。本記事では、大阪万博のビジネスチャンスをベンチャー企業や中小企業がどのように活かすことができるのか、詳しく解説します。

2025年大阪万博の概要

2025年大阪万博は、2025年4月13日から10月13日まで、大阪市此花区の夢洲で開催される予定です。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」であり、持続可能な社会、健康長寿社会、新たな産業創出、文化創造など、様々な分野で未来社会をデザインするアイデアが集まる場となります。

会場となる夢洲は、テーマパーク・ユニバーサルスタジオジャパンなどもある臨海部の人工島で、大阪市都市部から西へ約10㎞程度の場所にあります。

会場面積は約155万㎡。四方を海に囲まれた夢洲のロケーションを活かし、世界とつながる海と空が印象強く感じられる会場デザインになると発表されており、期待が高まっています。

来場者は約2,820万人にものぼると想定されており、万博による経済効果は約2兆円と巨大な経済的インパクトも見込まれています。2005年に開催された愛知万博「愛・地球博」の入場者数は、想定されていた1,500万人を大幅に超える2,200万人を記録したことから、大阪万博もそれ以上の動員と盛り上がりが期待されているのです。

大阪万博によるビジネスチャンス

このように、巨大な集客と経済的インパクトが期待される大阪万博。企業にとってはどのようなチャンスがあるのでしょうか?具体的にご紹介していきます。

パビリオンへの出展

大阪商工会議所と大阪産業局では、スタートアップ支援事業の一環として万博会場で大阪府と大阪市が手がける地元パビリオン「大阪ヘルスケアパビリオン Nest for Reborn」の一角に、大阪府内に拠点を置く中小企業とスタートアップ企業が展示できるゾーンを用意します。

町工場・脱炭素・ファッションなど26のテーマを週替わりで紹介し、合計260社の出展を目指します。

具体的なテーマの例としては、スマートシティーなど「未来の街」、「まちこうばのエンターテインメント」と題された、ものづくり体験の提供、ヘルスケア分野の技術体験などが挙げられています。

選定された事業者は、万博に向けて各テーマに沿った技術や展示物を開発することになり、成果物の展示だけでなく、資金確保や企業連携などの支援も期待できます。

パビリオンは万博におけるコンテンツの中でも非常に注目度が高いです。

「新事業を立ち上げたい」「自社の技術をもっと売り出したい」といった思いを持っている事業者の方は、ぜひ出展に挑戦してみてはいかがでしょうか。

未来社会ショーケース事業に出展

「未来社会の実験場」をコンセプトとしている今回の大阪万博では、会場を未来社会のショーケースに見立て、さまざまな先進的な技術やシステムを会場に実装する「未来社会ショーケース事業」を展開します。その協賛企業を、下記の6つの領域で募集しています。

・スマートモビリティ万博

・デジタル万博

・バーチャル万博

・アート万博

・グリーン万博

・フューチャーライフ万博

2022年9月には、協賛企業の第一弾が発表され、来場者移動EVバス、大阪・関西万博バーチャル会場、来場者向けパーソナルエージェントなどの事業が発表されました。

前段で紹介したパビリオンは、スタートアップ応援枠に関しては関西拠点の企業に限られています。また一般ブースは出展費用が数十億円と、花形コンテンツである一方、非常に高額です。

そんな中、一般的な企業におすすめできる出展携帯はこのショーケース事業です。この未来社会ショーケース事業では協賛金額を幅広く複数設定してあるので、比較的少ない予算でも万博に出展できる可能性が広がります。

1970年に開催された前回の万博で会場に実装されたモノレールや動く歩道などが、万博をきっかけに広く普及したことはよく知られています。同事業によって会場で自社商品や技術を来場者に体験してもらえることは、技術の普及や大きなフィードバックを得るまたとない機会となるでしょう。

インバウンド拡大による新規需要

大阪万博は日本の魅力を世界に発信する絶好のチャンスです。開催期間中のインバウンド需要の拡大には大きな期待が集まっています。コロナ禍による旅行需要の大幅減の影響で大きく落ち込んでしまった外国人観光客の数が水際対策が大幅緩和されたことと円安の影響で、にわかに急増しています。

こうした傾向は今後も持続していくのに加え、大阪万博は目玉コンテンツとしてさらなる集客機会となるでしょう。

この大きなインバウンド需要の拡大に備え、withコロナ時代の新しいニーズに対応した訪日外国人向けのサービス提供なども非常に注目を集めています。首都圏に限らず、地方自治体や地方民間企業もインバウンド誘致のためのプロモーションやサービス提供を始めていますが、2025年の大阪万博にまつわるビジネスチャンスとしてこうした近隣地域におけるサービス提供やプロモーションは非常に有効でしょう。

特に関西空港はこれまでもインバウンドの玄関口として非常に多くの人々が行き交う拠点です。こうしたポテンシャルの高いエリアにおいて、万博をメルクマールとしたサービス提供やプロモーションは、費用対効果が非常に高くなることが期待されています。

toCのサービスを提供している事業者の方は、2年後を見据えたロードマップの作成や見直しを実施するのが良いかもしれません。

統合型リゾートIRにまつわるビジネスチャンス

全国で唯一大阪での建設が決まっているカジノやホテル、コンベンションセンター(国際会議場)などを備えたIRも、万博開催会場の夢洲に建設される予定となっています。統合型リゾートIRはそれだけで年間約2,000万人の来場者が予想され、毎年の経済波及効果は約1兆1,400億円と見込まれています。大阪府をはじめとして参画している事業者は非常に力を入れて推進しているプロジェクトです。

旅行客に向けたラグジュアリーリテールや飲食といったソフト面でのビジネスチャンスはもちろんですが、そのほかにも遊興施設内で提供するゲームや映像機器といった精密機器にまつわるアイディアや先端技術、IPコンテンツなども需要が高まると予想されます。

当初は万博との相乗効果を狙って同時開業が目標でしたが、建設工数や万博そのものを最優先する上で、現在開業は後ろ倒しになっています。その分、関連するビジネスチャンスにまつわる準備期間やリサーチ期間に充てることができるので、興味のある事業者の方はこの機にリサーチやプロダクト開発などを着実に進めていくのが良いかもしれません。

出会いの場としての万博

前出の通り、今回の大阪万博では「共創」がテーマの一つとされています。特に「TEAM EXPO 2025」プログラムでは、「いのち輝く未来社会のデザイン」を実現するために、自らが主体となって未来に向けて取り組んでいる、また取り組もうとしている活動を募って登録を行っています。

また同時に、共創チャレンジを支援できる様々なスキル・強み・リソースを持つ法人・団体等を“共創パートナー”として集め、チャレンジする人々と支援する人々が出会い・共創するプラットフォームを提供する試みも行われています。

世界中から集められた新しい技術の数々が発表され、リアル・オンラインを問わず共創していくことを目指す「大阪万博」。

自社のビジネスモデルやプロダクトをさまざまな企業や投資家に対して提示できる大きなチャンスにもなり得ます。積極的にアクションを取ることで、資金調達やビジネスパートナーとの出会いなど、自社の事業にさまざまな新しい風を送り込むことができる絶好の機会と言えます。

また、現段階では起業を検討していたり、ビジネスパートナーを探しているような段階の方も、会場を訪れるだけで自身のビジネスに生かせるヒントを得たりと、多大なインスピレーションを受けることができるでしょう。

ぜひ前向きに参加や来場を検討してみると良いかもしれません。

大阪万博に潜むリスク

非常に大きな経済インパクトと集客が予想される大阪万博ですが、このところ懸念が高まっているのはパビリオンの建設の遅れです。

建設するために必要な建築許可申請が、23年7月初めの時点でまだ一件も出されていないことが分かり、開幕までに建設が間に合うのか懸念が広がっています。遅れている理由については、建築資材の高騰や建築作業員の人出不足などで、世界経済の現状や日本社会の雇用の問題などが大きく影響してると考えられます。

加えて、東京オリンピック・パラリンピックをめぐる談合事件もあったことから、通常こうした巨大事業を取りまとめてきた代理店が不在となっていることも進捗の遅れに影響しているのではないかと考えられています。

中止や延期などの可能性は非常に低いとはいえ、何らかのトラブルが突発的に発生する場合もあります。万博に合わせてビジネス検討やサービス導入、そのほか巨額の投資を計画している事業者の場合は、こうした万博計画の進捗やリスクについての情報を常にアップデートし、十分把握しておくのが良いかもしれません。

まとめ

今回の記事では、2025年の大阪万博によってもたらされるビジネスチャンスについて具体的にご紹介してきました。国内外から2,000万人以上もの集客が期待され、万博のコンテンツ、周辺の施設や関連サービスなど幅広い観点で、さまざまなビジネスチャンスがあると考えられます。自社の強みにあった分野で、ぜひ参画やチューニングを検討してみてはいかがでしょうか。

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