中小企業庁「令和元年度(2019年度)の中小企業の動向」によると、2018年度の開業率は4.4%で廃業率は3.5%となっています。企業規模を問わない開業率と廃業率ですが、廃業する企業や事業者が多いことが伺えます。
フリーランスも生き残るのは、想像以上に難しいことが、調査結果から理解できるでしょう。そのような中でも、フリーランスで生き残るためには、どのようなスキルが求められるのでしょうか?どのようなことをやっておくべきなのでしょうか?今回は、フリーランスが生き残るために必要なスキルをご紹介します。
フリーランスで生き残るために必要なスキル
フリーランスで生き残るのは想像以上に大変ですが、長く活躍するためにはどのようなスキルが必要になるのでしょうか?まずは、フリーランスで生き残るために必要なスキルをご紹介します。
専門知識・技術
専門知識や技術は、どのような職種でも磨いていく必要があります。各職種別に磨いておきたい専門知識・技術は以下の通りです。
エンジニア | プログラミング言語(Python・JavaScript・Go・Ruby・SQL・PHP・Kotlin・Swiftなど) |
コンサルタント | 論理的思考力・市場動向や競合企業のリサーチ能力 |
デザイナー | デザイン力 |
ライター | 文章力・SEO対策・アイキャッチや図解の制作・翻訳 |
営業力
営業力は新規顧客から契約を獲得したり、既存顧客と良好な関係を築いていったりする上で必要です。フリーランスは営業力を身に付けて、継続的に仕事がもらえるように努力しなければいけません。仕事獲得、売上アップのために求められる力です。
観察力
物事を観察し、変化に気づく力も必要です。フリーランスは、さまざまな人と付き合う必要があります。各クライアントに対して「どのような人なのか?」「どのような考え・価値観を持っているのか」を観察して機転を利かさなければいけません。また、人物ではなく、モノを観察して品質に問題がないかを注意深く見るようにしましょう。
交渉力
クライアントとは立場が異なりますが、双方が納得できる取引をするために交渉する必要があります。クライアントの要望を聞きながらも、自分が実現したいことも伝えて、双方が満足できる取引を実現するために求められる力です。
プレゼンテーション力
自分から情報発信するために必要な力です。商談や会議の場で、自分の考えを相手に伝えるシーンは多いです。このような場合に、自分の意見を相手に理解してもらわなければ意味がありません。プレゼンテーションは、自分の意見をわかりやすく伝えるために、磨く必要があります。
コミュニケーション能力
仕事の目標を達成するためには、顧客とコミュニケーションを取り、的確に意図を汲み取る必要があります。そのために必要となる力です。人は、無意識に自分の話をする傾向がありますが、相手の話を傾聴し、本心を引き出せるようになることが大切です。
課題分析力
現状を整理して、抱えている課題を解決していくためには、どうすれば良いかを考えられる力を指します。課題には、顕在的なものと潜在的なものがあり、既に表面化されている課題を発見するのは難しくありません。
その一方で、お客様も気づいていない潜在的な課題を発見することは、想像以上に難しいです。しかし、潜在的な課題を発見して解決していくことができれば、相手から信頼されるようになります。
職務遂行能力
フリーランスは、獲得した案件に責任を持ち、最後までやり抜く力が求められます。職務遂行能力とは、「どのような手順で行えば業務が終わるのか?」「どれぐらいの期間があれば完成するのか?」「どれぐらいの予算が必要になるのか?」を予知して、期日までに仕事を終わらす能力のことをいいます。
自己管理能力
自分で仕事の獲得、遂行をしなければいけないフリーランスは、自己管理能力が必要不可欠です。抱えている案件の優先順位を明確にして、効率的にこなしていく力が求められます。また、フリーランスを続けていくためには、体が資本になります。そのため、規則正しい生活や病気の予防を徹底して、体調管理に配慮しましょう。
フリーランスが生き残るための仕事獲得術
必要なスキルを身に付けられても、仕事を獲得できなければ、意味がありません。そのため、どのように仕事を獲得していくべきなのかを押さえておきましょう。ここでは、フリーランスが生き残るための仕事獲得術をご紹介します。
新規開拓
フリーランスの案件獲得の中で、最も難しいのが新規開拓です。新規開拓の方法には、下記のようなものがあります、
- 法人に直接営業をかける
- 広告宣伝費を活用して集客をする
フリーランスになったばかりの方は、新規開拓に苦戦してしまうでしょう。そのような場合は、後述するクラウドソーシングやエージェントを活用して、実績を作ることから始めてみてください。
アップセル・クロスセル
取引先との信頼関係が出来上がっている場合は、交渉をしてもらうと仕事量や単価が上がります。「○○さんにお任せしたい」など取引先と信頼関係が構築できている自信が持てたら、「仕事量を増やしてもらえないか?」「単価を上げてもらえないか?」と交渉してみましょう。
紹介
既存顧客との関係を大切にしていれば、紹介してもらえることがあります。紹介案件は「お墨付き」が得られているため、契約に至りやすいです。また、有利な立場で話が進めやすくなります。そのため、紹介案件が得られるように既存顧客や知人を大切しましょう。
クラウドソーシング
ランサーズやクラウドソーシングを活用するのも1つの方法です。全般的に単価が安い傾向がありますが、求められるスキルも低いです。そのため、フリーランスに成り立てで、実績を作りたい方におすすめです。
エージェント
近頃は、フリーランス向けのエージェントサービスも登場しています。自分で仕事が獲得できないと悩んだ場合は、エージェントを活用してみましょう。仕事紹介だけではなく、契約手続きの代行も行ってくれて便利です。キャリアの相談先にもなるため、1人で仕事を進めていく自信がないフリーランスに最適です。
(参考資料:みらいマーケティング本舗「【フリーランスの生存戦略】10年後生き残れるのはたった1割!?」)
フリーランスが生き残るためにやっておきたいこと
スキルと仕事獲得術を押さえたら、他のフリーランスと差別化して優位に立つためにも計画を立ててみましょう。計画を立てることで、仕事量など調整しやすくなります。その他にも、フリーランスでやっておきたいことはさまざまです。ここでは、フリーランスが生き残るためにやっておきたいことをご紹介します。
自分の強みを明確にする
フリーランスで活躍していくために、自分の強みを明確にしておきましょう。
- 何ができるのか(経験・スキル)
- どのようにやるか(人間力)
- 他のフリーランスとは異なる自分の強みとは何か
生き残れるフリーランスは、他の人との違いを明確にして、セルフブランディングに成功していることが多いです。
ポートフォリオを作成する
フリーランスはクライアントに提案する際に、実績の提出を求められることがあります。そのため、実績を掲載したポートフォリオを作成しておきましょう。また、実績がない方はクラウドソーシングやエージェントを活用して実績作りから取り組んでみてください。
資金計画を立てる
フリーランスは自己管理能力が求められます。フリーランスは努力により稼ぐことができますが、目標を明確に定めておかなければ労働過剰になります。その結果、体調を崩したりしては本末転倒です。そのため、どれぐらいの収入を得て、どれぐらいで生活していくのか、資金計画を立てておきましょう。
スキルアップを図る
フリーランスは、常にスキルアップしていく必要があります。例えば、Webライターの場合は競争激化となるため、文章力を始め、図解やイラストの作成、翻訳など、幅広いスキルアップをしていく必要があります。
人脈作りに励む
仕事を獲得するためには、人脈作りに励む必要があります。積極的に人とかかわっていき、信頼関係を築いていきましょう。関係を構築していくことができれば、思いがけないタイミングで仕事を紹介してもらえたりします。
(参考資料:みらいマーケティング本舗「【フリーランスの生存戦略】10年後生き残れるのはたった1割!?」)
まとめ
今回は、フリーランスが生き残るために必要なスキルをご紹介しました。10年後まで生き残れるフリーランスは僅かです。狭き門のため、フリーランスに求められるスキルや仕事獲得術は覚えておきましょう。自分はフリーランスに向いているのか理解した上で、働き方を選択してみてください。