産学官連携活動の実用化事例を5つご紹介いたします。
千葉大学
施設園芸ハウス用薬剤入り防虫ネットの開発
千葉大学はダイオ化成と農研機構と共同で、エトフェンプロックスという虫が嫌がる薬剤を練り込んだ糸で織り上げた薬剤入り防虫ネット『虫バリア』を開発。暑く蒸れるハウス内で通気性を保ちながら、虫をよけ、丈夫な防虫ネットは、全国から引き合いがある商品となりました。
静岡県立大学
自然薯の副産物である「むかご」の有効活用(むかご羊羹の開発)
食品栄養価学部と、とろろ汁屋「元祖 丁子屋」が連携して、有効成分「ジオスゲニン」を分析、大腸がんに効果があることを突き止め、むかご羊羹を開発、販売に至りました。
福岡女子大学
赤ちゃんだし「Oiseries」の開発
博多の味本舗との産学連携で、赤ちゃんの味覚と嗅覚を育てるために「Oiseries」を開発。嗜好性を形成する時期に、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、幼児期の4段階を開発、商品化、ニーズの高い商品の販売が実現しました。
山梨大学
地域特産の「あけぼの大豆」のルーツ探索と栽培適地の研究によるブランド力向上
農業生産法人レクラみのぶが、山梨大学に身延町特産のあけぼの大豆を守るため、山梨大学に品種の遺伝子解析と土壌状態の研究依頼、あけぼの大豆など農産物の生産で生計が立つモデルを確立することを目的に事業を進めています。
豊橋技術科学大学
施設園芸作物の収穫作業支援ロボットの研究開発(収穫からパッキングまで摘み取り現場で行うセル型農業ロボット)
シンフォニアテクノロジー(航空部品)が豊橋技術科学大学と共同で開発した事業です。この事業では、大葉の摘み取り後から出荷までの作業を支援するロボットを開発しました。AIカメラで大葉の大きさや形、色などを検査し、基準を満たすか判断し選別するのに成功し、大葉農家などに圧倒的な作業効率をもたらしました。
まとめ
産学連携の事業は、身近な商品開発から、いくつもの大学や企業を巻き込んだ大規模な事業まで、幅広くあります。国の後押しもあり、私立、国立問わず多くの大学、専門学校で産学連携に参画しています。
アイディアはあるが、ノウハウ、開発する人、設備がなく諦めている企業にとっては、産学連携は、不可能が可能になるチャンスともいえます。
産学連携に積極的に取り組む企業は、大企業だけではなく中小企業でも増えてきています。各大学のホームページに、産学連携の問い合わせ先がありますので、まずは、問い合わせてみるのもよいでしょう。