政府が取り組む海外展開支援策とは?令和3年度補正予算案は最高額!

アバター投稿者:

新型コロナウイルス感染拡大の影響で日本経済は大打撃を受ける中、令和3年12月24日に「令和3年度補正予算案」が閣議決定されました。補正予算案の総額は107兆5,964億円と前年比で0.9%増加し、10年連続で過去最大を更新。経済産業省関連の予算額は5兆4,290億円となりました。

政府が取り組む施策に興味を持ち、補助金を有効活用していけばビジネス機会に繋げられます。さまざまな施策がありますが、今回は「海外展開支援策」について解説します。この記事を読めば、政府が取り組む海外展開支援策が理解でき、関連の補助金に関する知識が身につきます。ぜひ、海外展開に興味がある方は参考にしてみてください。

(※令和3年度補正予算案で決まった補助金申請の方法、申請期間に関しては2022年2月5日時点は決まっていません。公表され次第、情報をアップしていきます。)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA235Q40T21C21A2000000/

政府が取り組む海外展開支援策の種類

政府が取り組む海外展開支援策は主に5種類に分類できます。

1.コンテンツ海外展開促進

コンテンツ海外展開促進は、日本発のコンテンツ等の海外展開を促進し、日本ブームを通じた関連産業の海外展開や、訪日外国人の促進などを目的とした施策です。コンテンツ海外展開促進の目的を達成するための支援対象は、下記の通りです。

ローカライズ&プロモーション支援 コンテンツが主体となる海外展開を行う際のプロモーション
海外からの資金調達等のピッチング支援 コンテンツ制作に必要な資金調達やパートナー獲得するためのピッチ映像(紹介映像)の制作
withコロナ時代のライブエンタメ支援 コンテンツ制作に必要な資金調達やパートナー獲得するためのピッチ映像(紹介映像)の制作
コンテンツ業界のDX支援 コンテンツ制作や流通を実現するためのシステム開発
ストーリー性のある映像制作支援 デジタル配信を念頭においたストーリー性のある映像の制作

https://www.meti.go.jp/information/publicoffer/kobo/2021/downloadfiles/k211215001_01.pdf

2.コンテンツ関連ビジネスマッチング

コンテンツ関連ビジネスマッチングとは、ビジネスマッチングの機会を提供することにより、日本コンテンツの国際取引活性化や新市場創出を図るための施策です。アニメ、マンガ、映画、音楽などのコンテンツは、日本を代表する要素であり、今後も更なる成長分野として期待されており、ビジネスマッチングの場を設けることで、活性化を狙っています。

令和3年度コンテンツ海外展開促進事業(コンテンツ関連ビジネスマッチング事業)

3.国際共同製作促進

国際共同製作促進とは、映画による国際文化交流を推進して日本の映画の振興に資するために、日本の優れた映画の製作と普及に繋がるような、国際共同製作映画の製作活動を支援する施策です。文化庁が中心となり、国際共同製作を促進するために、映像製作費の一部を補助するなどの支援も行っています。

https://www.bunka.go.jp/shinsei_boshu/kobo/pdf/93566301_01.pdf

4.財産権侵害対策強化

財産権侵害対策強化とは、国内のコンテンツ制作会社と協力しつつ、効果的・効率的な知的財産権侵害対策の検討、および実施を行う施策です。また、侵害発生国の政府機関や海外権利者団体等とも連携し、海外において氾濫している知的財産侵害問題の解決に向けた取り組みを行っています。

https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/contents/downloadfiles/report/2017_kaigaishijochosa.pdf

5.海外販路の拡大

海外販路の拡大とは、優れたコンセプト持つ商品やサービスの輸出や、海外展示会への出展などの支援をいいます。専門アドバイザーによる海外展開に関する相談対応や、デジタルツールを活用した海外展開を行う上での費用の補助などを行っています。

https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/contents/kaigaitenkaishien_index.html

 

海外展開支援策に活用できる補助金

政府は、海外展開支援策に取り組んでいますが、経費の一部を補助して支援をしています。海外展開支援策に活用できる補助金は、以下の通りです。

コンテンツ海外展開促進・基盤強化事業費補助金

新型コロナウイルスの影響を受けたコンテンツ関連事業者が行う、顧客体験の向上や収益チャネルの新規設立といった、収益基盤の強化に関する取り組みを補助するものです。海外展開する上でのプロモーション費なども、補助対象となります。新型コロナウイルス感染拡大の影響でイベント中止となった場合でも、キャンセル費用が補助されます。

■補助額

補助金の予算 557億円
補助率 1/4~1/2
補助上限額 5,000万円

 ■補助申請期間

2022年2月5日時点では、補助申請期間は発表されていません。順次公表予定となっています。

(出典元:https://www.meti.go.jp/information/publicoffer/kobo/2021/k211215001.html

 デジタルツール等を活用した海外需要拡大事業

輸出など海外展開のノウハウを保有しておらず、海外需要を取り込めていない中小企業が、海外需要に満たしていけるように、越境EC(電子商取引)を積極的に取り入れる場合の費用を補助してもらえます。また、ブランディング、プロモーション等の取り組み行う場合にも、費用の一部を補助してもらえます。

■補助額

補助金の予算 12.4億円
補助率 2/3
補助上限額 500万円

■補助申請期間

2022年2月5日時点では、補助申請期間は発表されていません。順次公表予定となっています。また、デジタルツール等を活用した、海外需要拡大事業の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

(出典元:https://www.chusho.meti.go.jp/shogyo/chiiki/2021/211202digital-tool.html

補足:令和3年度補正予算の情報

経済産業省関係の令和3年度補正予算は、5兆4,290億円と言われており、海外需要拡大支援策の他にも、さまざまな経済施策が挙げられています。中小企業が活用できる補助金が豊富に用意されているため、どのような補助金が予算に含まれているかを確認しておくと便利です。

詳細に関しては、経済産業省が発表している「経済産業省関係令和3年度補正予算のポイント」をご確認ください。

https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2021/hosei/pdf/hosei_yosan_gaiyo.pdf

海外需要拡大支援策に関するよくある質問

海外需要拡大支援策の内容や関連する補助金を紹介してきましたが、よくある質問をご紹介します。

Q.補助金を活用したい場合はどうすれば良いですか?

経済産業省関係の補正予算の補助金に申請したい場合は、補助金申請システム「jGrants」を利用します。

 【補助金申請の手順】

  1. jGrantsの公式サイトにログインをする
  2. ID・パスワードを取得する
  3. 補助金を検索する
  4. 補助金申請をする
  5. 事業を実施する
  6. 計画変更などが発生した場合は報告する
  7. 事業実績を報告する
  8. 補助金の請求をする

※補助金申請から受取までは、補助金申請システム内で手続きを行います。 

Q.海外需要拡大支援策の補助金はいつから始まりますか?

海外需要拡大支援策の補助金は、2022年2月5日時点では補助事業を決めている段階です。補助事業が決定した後に補助金申請の受付が始まるため、現時点では公表されていません。

3月以降に申請開始予定と言われています。申請開始に関する詳細情報は、特定非営利活動法人映像産業振興機構で、随時公表予定となっているため、確認してみてください。

Q.海外展開サポートをしてもらえますか?

海外展開のノウハウを持っていない方でも、独立行政法人JETROが下記のようなサポートしてくれます。

  • 専門アドバイザーによる海外展開に関する相談対応
  • 海外展示会出展・現地有力バイヤーの招聘・ミッション派遣等で商談機会を創出し、海外販路拡大を支援
  • 中小企業海外展開現地支援プラットフォームにて海外の主要拠点

JETROは海外74カ所、国内48カ所のネットワークをフル活用して、海外ビジネス情報の提供や、海外進出支援をしている機関です。そのため、自社にノウハウがない場合でも、海外需要拡大支援策を活用して海外進出が行えます。

まとめ

今回は、2022年度に政府が取り組む海外需要拡大支援策をご紹介しました。新型コロナウイルス感染拡大で日本経済が大打撃を受けており、政府は過去最高額の予算となった令和3年度補正予算案を閣議決定しました。

政府の取り組みを把握して、関連する補助金を活用していけば、ビジネス機会が得られるはずです。ぜひ、参考にしてビジネス戦略に活かしてみてください。また、補助金や海外進出など事業の方向に悩まれている方は「株式会社ベリーグッド」にご相談ください。補助金・IT専門のコンサルタント会社としてビジネスをサポートさせていただきます。