ビットコインが一枚

アメリカ規制当局と仮想通貨取引所、そして今後について

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仮想通貨取引所のFTXの破綻やステーブルコインの暴落により、今仮想通貨は冬の時代といわれています。

また、仮想通貨関連の事業者を中心に融資を行っていた、シグネチャー銀行も破綻し、大手の銀行に合併吸収されました。そのため、アメリカ規制当局は、仮想通貨に関する規制や法整備を進め、仮想通貨の被害を未然に防げるように対策を講じ始めました。しかし、アメリカ規制当局に関して情報が少なく、どのように今後動くのかわからない人も多いのではないでしょうか。

当記事では、アメリカの規制当局が仮想通貨に対する規制や今後の対応に関して解説します。今後、仮想通貨を始めたい方や仮想通貨に関して、将来的な展望を知りたい方は、ぜひ最後まで読んでください。

仮想通貨の問題点や規制当局や政府が懸念するポイント

仮想通貨 コインとグラフ

現在の仮想通貨の問題点や政府などが懸念するポイントは以下の通りです。

  • 価格の変動が激しい
  • 国際的な規制がなく、利用者へのリスクが大きい
  • 米国ドルへの脅威

それぞれ詳しく見ていきましょう。

価格の変動が激しい

仮想通貨は、株価に比べて変動が激しいです。

理由は、以下の3つが挙げられます。

  • 仮想通貨を保有している人が株式に比べて少なく、少数の人が通貨の価値をコントロールできる
  • 一日の値動きに制限がない
  • 市場がまだ発展途上

株式に比べて仮想通貨の利用者は少なく、流動性が低いです。そのため希望価格の取引で行うのが難しく、市場や状況に応じて価格を調整しなければなりません。そのため一度に多額の取引を行えば、急激な値動きが発生してしまいます。

また、急激な値動きに制限がなく、株式のようにサーキットブレーカーはありません。仮想通貨市場には、サーキットブレーカーのような急激な値動きに対応した機能がなく、一気に暴落や急騰してしまいます。

また仮想通貨の技術はまだ発展途上のため、急激な技術の発展から値動きが激しくなってしまいます。

国際的な規制がなく、利用者へのリスクが大きい

仮想通貨には国際的な規制もありません。

株式の場合、上場するまでに正式な手続きや審査が必要です。しかし仮想通貨の場合、個人や団体が作成した通貨を簡単に取引所で取引ができます。

また、取引に対して規制がなく、詐欺の被害や、ステーブルコインを謳いながら暴落した通貨も多数存在します。アメリカ政府や政治家、規制当局は仮想通貨の問題を重く受けとめており、一部の議員は仮想通貨の取引に法整備が必要と訴えました。

米国ドルへの脅威

現在中国は、米国ドルの取引を削減し、独自の通貨軸の普及を考えています。

また、中東や他の国々でも米国ドルから別の通貨への移行を検討しており、仮想通貨を活用して米国ドルからの脱却を考えている国も存在します。米ドルを介さずに取引を行うことができ、さらに取引の記録を誰かに知られることはありません。

アメリカ規制当局の現在の動向

星条旗とビットコイン

仮想通貨の問題が明るみに出て、現在規制当局は以下の対応を考えています。

  • 仮想通貨を使った詐欺への対応
  • 適切な立法の制定や法案作成
  • 第2のFTXを未然に阻止

仮想通貨を使った詐欺への対応

仮想通貨に関する詐欺が多く、被害が後を絶ちません。

また取引の情報がアメリカの当局では把握できず、犯罪の解決が難しいため、対応が急がれています。仮想通貨の取引を把握するためには、取引情報の開示や運営側からの定期的な報告を義務付けるなどが挙げられます。

適切な立法の制定や法案作成

アメリカの証券取引委員会と商品先物取引委員会は、仮想通貨取引の規制を発表し、明確な法案作成に動きました。

仮想通貨業界から明確な法案が出されていないという批判から、法案の制定を急いでいます。特に、アメリカの証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)は、仮想通貨から投資家を守るために、厳しい対応をしています。

第2のFTXを未然に阻止

FTXの破綻により、多くの投資家が資産を失いました。

FTXの破産による被害総額は負債総額は、最大で500億ドル(約7兆円)にも上ります。株式のように多くの人が利用しているわけではないため、一人ひとりの被害が大きいです。

公式サイトでは、100万人ほどが利用していると表記されているため、一人あたり、平均700万円ほどの被害が発生しています。

今後どのような規制が考えられるか

洗濯機にドル札を入れている男性

今後アメリカでは、以下の規制が考えられます。

  • 仮想通貨の取引所設立の制限もしくは認可制
  • デジタル資産の保有証明や課税
  • 顧客の身元確認とマネーロンダリング対策の強化
  • ガイドラインの作成
  • ステーブルコインの規制

仮想通貨の取引所設立の制限もしくは認可制

仮想通貨取引所は現在、法人設立届や事業届を提出すれば、設立が可能です。

BINANCEやクラーケンなどタックスヘイブンに法人を設立し、運営している取引所は多く、アメリカ規制当局は取引の制限をしています。今後、新しい取引所も平等に制限できるように、各取引所を株式のように許可制にすることが検討されています。

デジタル資産の保有証明や課税

今までデジタル資産の保有や証明が行われてきておらず、被害金額や人数の把握が困難でした。

また、資産の場所がわからず、毎年いくら儲けていたのかわからないため、正確な課税が行えませんでした。そのため、今後アメリカでは、仮想通貨の取引をアメリカの規制当局の管理下に置き、資産の動きを監視する動きがあります。

これは、仮想通貨の詐欺の被害の把握にも繋がり、仮想通貨取引の健全化にもつながると考えられています。

顧客の身元確認とマネーロンダリング対策の強化

3つ目に、取引所に参加する顧客の身元確認やマネーロンダリング対策が挙げられます。

仮想通貨取引所やウォレットプロバイダーによる身元の確認を行い、不正取引の撲滅や反社会的勢力への資金援助の阻止が可能です。また脱税の対策にも効果があり、一部の議員は富裕層の取締を強化できるとして、早めの導入を訴えています。

ガイドラインの作成

現在、BINANCEなど大手取引所がアメリカで取引するのは難しく、多くの機能が制限されています。理由としては、取引所に対する提訴や訴訟が多く、規制当局が明確なガイドラインを作っていないためです。

具体的には、現在BINANCEは、アメリカに在住の人に別の取引所の利用を呼びかけたり、別の国から登録を促したりしています。2019年に、BINANCEは、アメリカ在住の利用者にメールで通達しました。

他にもOKXは、アメリカでの登録はできますが取引はできません。

理由としては、ロシアなど敵対する国家や国際テロ組織に資金が渡るのを防ぐためです。ガイドラインができれば、多くの仮想通貨取引所がアメリカでの取引を再開できます。

ステーブルコインの規制

ステーブルコインは価値が一定の通貨です。

しかし過去には、USTが99.99%暴落した事例もあります。原因としては、USTに搭載されていたアルゴリズムがうまく機能せず、ハイパーインフレーションを起こしたからです。

多くの人がほとんどの資産を失ったため、アメリカ当局は運営責任者のド・クォン(Do Kwon)氏の身柄を要求しました。今後アメリカ規制当局は、ステーブルコインの信頼性や透明性を確保するため、発行元の資本基準や資金の保有要件などを導入する可能性があります。

仮想通貨の取引はどう変化していくのか

仮想通貨のコインが複数デスクに乗っている

また規制によって、今後の取引や仮想通貨の環境は、以下のように変化すると考えられています。

  • 株価のように市場価格の変動が緩やかになる
  • 銀行からの融資が難しくなる
  • 企業の参入が増える
  • 機関投資家が参入する
  • セキュリティの向上

株価のように市場価格の変動が緩やかになる

規制によって、仮想通貨の価格変動が緩やかになると考えられています。

株価のように急激な変化ができない構造にしたり、サーキットブレーカーの導入を義務付けたりすることです。また、仮想通貨が上場するために多くの審査を行い、一つ一つの通貨の信頼を担保し、取引数を増やせます。

銀行からの融資が難しくなる

シグネチャー銀行のように、仮想通貨もしくは関連企業へ投資していた銀行がまた破綻しないように、銀行からの融資を厳しくすると予想されています。

銀行の破綻はアメリカの経済に大きな影響を与えるため、連邦政府は経営が芳しくない銀行に経営改善を呼びかけました。各銀行は経営リスクを抑えるため、仮想通貨など信用が担保できない団体や、個人への融資を制限したり、高めの金利を提示したりしています。

企業の参入が増える

銀行からの融資が難しい仮想通貨取引所や個人に代わって、大手企業が参入しています。

たとえば三井住友銀行フィナンシャルグループは、ブロックチェーンの活用を発表しました。今後ブロックチェーンだけでなく、仮想通貨への参入も期待されています。

また同じく大手の三菱UFJ銀行は、円連動ステーブルコインの発行を2022年に発表しました。今後、同様な形で、多くの企業が参入すると考えられています。

機関投資家が参入する

仮想通貨への規制や法整備が進めば、通貨や取引所への信頼も高まるため、機関投資家も増えていきます。

野村総合研究所が調査した、「生活者1万人アンケート(2021年8月実施)」によれば、仮想通貨を保有している人は推計で約180万人で、投資信託保有者人口と比べるとその1/6程度です。

2021年8月よりも現在は30%ほど価値が低いため、推計よりもさらに少ない人数が仮想通貨を持っていると考えられます。これは先程も説明した通り、銀行の破綻や取引所の閉鎖が原因で、仮想通貨への信頼性が大きく揺らいでいるからです。

信頼性が増せば、自然と保有者も増えていくため、今後の法整備や規制に期待しましょう。

セキュリティの向上

技術の進歩により、仮想通貨取引のセキュリティが向上していきます。

より強固な暗号化や認証手法の採用により、ハッキングや詐欺行為のリスクが低減されることが期待されます。具体的には、OKXが活用している指紋認証システムや取引所が全く関与しない、第三者のシステムを使った方法が挙げられます。

また第三者からのセキュリティチェックを行い、簡単にハッキングされないか、などのテストも一つの方法です。

今後仮想通貨の取引に対しての規制は必至

都会の夜景にビットコインのネットワーク

仮想通貨取引所の破綻やステーブルコインの暴落を受け、多くの人が資産を失いました。現在、両方の経営責任者がアメリカの当局に身柄を引き渡されたため、今後仮想通貨への規制は確実に行われます。

また、規制当局や議員が仮想通貨に対して問題視しており、近い将来法整備が進むと考えられています。今後の規制次第では、仮想通貨業界は、アメリカ市場からの撤退を余儀なくされることもあるでしょう。

仮想通貨の取引をする前に、今後起きるリスクや将来性を確認しながら、資産運用をしましょう。

※参考文献

『BINANCE公式サイト』
『OKX公式サイト

 

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