Z世代社員を知ろう!デジタルネイティブ世代と上手に付き合う方法

Z世代社員を知ろう!デジタルネイティブ世代と上手に付き合う方法

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Z世代(Gen Z)は、1990年代後半から2010年代前半に生まれた世代で、インターネットやスマートフォン、SNSが当たり前の環境で育ったデジタルネイティブです。彼らは、技術に対する高い適応力を持つ一方で、個性を大切にし、リアルなコミュニケーションやセルフケアを重視します。Z世代の価値観や行動を理解することは、経営者にとっても強みとなるでしょう。本記事では、Z世代の特徴を踏まえ、どのようにすれば心地よい関係性を築き、企業の発展に貢献できるかを考察します。

Z世代の特徴とは?

若い社員が談笑している

Z世代にどのように接すればよいか、悩んでいる方は多いと思います。良かれと思って激励したら、かえって引かれてしまうこともあるかもしれません。まずは、彼らを理解することから始めましょう。Z世代にはどのような共通の特徴があるのでしょうか?以下でご紹介します。

(1) デジタルとリアルをバランスよく活用

Z世代はデジタルデバイスやSNSを駆使し、効率的に情報を収集・共有します。またTikTokやInstagramなど、ショート動画を特に好む傾向があります。一方で、デジタルデトックスや、リアルなコミュニケーションも重視しており、心理的安全性のある環境での意見交換が彼らのモチベーションに大きく影響します。

(2) 個性と多様性を重視

Z世代は、自分のアイデンティティを大切にし、個性や自己表現を積極的に行います。また、多様性(ダイバーシティ)と包括性(インクルージョン)にも敏感で、ジェンダーや文化的な背景に関係なく、公平な環境を求めます。

(3) リアルタイムのフィードバックと成長機会

Z世代は、即時性のあるフィードバックを求め、成長の機会に積極的です。彼らは、単なる業務指示よりも、なぜその業務が重要なのかというWHYを理解することを求めています。

(4) 安定志向と現実主義

Z世代は、不確かな時代いわゆるVUCA時代に育ったため、安定したキャリアや収入を求めつつも、副業やフリーランスといった多様な働き方にも関心を持っています。また、コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスを重視する現実的な一面もあります。リスクを避け、効率的に成果を上げる方法を好みます。

具体的に何をすればよい?

打合せ風景

では、具体的にはどのような対応策があるのでしょうか?それぞれのポイントに対する経営者の具体的な対応策を提案します。

(1) デジタルツールを活用し、リアルタイムで情報共有できる環境を整える。

社内コミュニケーションや業務にSNS風のプラットフォームやショート動画形式の報告・指導を導入し、リアルタイムで情報共有できる環境を整えます。たとえば、内部の研修動画や短い業務アップデートを動画で配信し、Z世代のデジタル慣れを活かすことができます。

社内での情報共有や教育にも、ショート動画を取り入れることで、Z世代が効率よく情報を吸収しやすい環境を整えられます。メールや長文の報告よりも、短く要点を押さえたビデオメッセージやトレーニング動画を提供することで、社内コミュニケーションが改善されます。

(2) リアルなコミュニケーションを取り入れる。

定期的にリアルなコミュニケーション(対面のミーティングやワークショップ)を取り入れてみましょう。オフラインで社員同士の絆を深めることはZ世代にとって心理的安全性に繋がります。

心理的安全性については、こちらの記事も参考になります:新卒者に人気の職場の秘密!心理的安全性がもたらすメリットとは?

(3) 多様なバックグラウンドを尊重する企業文化とフラットな組織作りをする。

社内でダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を推進し、ジェンダーや文化、ライフスタイルの違いを尊重する職場環境を作りましょう。オープンなコミュニケーションの場を設け、多様な意見を尊重することで、Z世代が安心して自分らしさを発揮できる環境を整えることができます。

また、上司と部下の垣根をなくし、自由に意見交換ができる職場環境を作ることがポイントとなります。Z世代が気軽に自分のアイデアや意見を表現できる環境は、心理的安全性の高い職場を実現します。企業にとっても、デジタルネイティブである彼らの意見を取り入れることは、新しい発見や展開が求められる企業にとって大きなプラスとなります。

(4) 1on1ミーティングやリアルタイムでフィードバックをする。

パフォーマンス評価を年1回にまとめるのではなく、1on1ミーティングやリアルタイムでのフィードバックを頻繁に行ってみましょう。小さな成果でもすぐに認め、フィードバックを提供することで、Z世代のモチベーションを維持することができます。

(5) 自己成長できる環境を用意する。

定期的なトレーニングやスキルアップのプログラム、メンタリング制度を導入し、Z世代が自己成長できる環境を用意しましょう。学び続けることをサポートすることで、長期的なキャリア成長への意欲を高めることができます。

(6) 安定したキャリアプランを提示する。

安定した雇用やキャリアパスのビジョンを明確に提示し、彼らが長期的なキャリアを築ける場を提供することで、Z世代が安心して働けるようになります。

(7) 柔軟な働き方を導入する。

リモートワークやフレックスタイム、サイドプロジェクトの許可など、柔軟な働き方を認め、個々のライフスタイルに合わせた働き方を提供することは、Z世代を理解する一歩となります。また、副業を許可し、ボランティア活動を通じてSDGsに取り組んだり、自分のスキルを他の場面でも活かす機会を提供することも、企業にとってプラスとなります。

(8) WHYを説明する。

Z世代が意義を感じられるよう、担当するプロジェクトが会社全体や社会にどのように貢献しているのかを明確に伝えることは重要です。WHY(なぜその仕事が重要か)を説明されることで、Z世代は意義のある仕事だと感じることができ、意欲が湧きます。

(9) 社会貢献や環境問題に関連するプロジェクトを提供する。

環境保護や社会貢献に強い関心を持つZ世代には、CSR(企業の社会的責任)やサステナビリティに関連するプロジェクトに関わる機会を提供し、やりがいを感じられるようにすることもよいでしょう。

これらのポイントを押さえることは、Z世代の力を引き出し、企業全体の成長に貢献することにつながります。

まとめ

タブレット端末、パソコン、スマホなどを使いながら打合せをする様子

Z世代は、デジタルネイティブとして高度なテクノロジーリテラシーを持ちながら、個性や多様性を尊重し、安定と成長を求める世代です。企業は、彼らの特徴を理解し、即時性のあるフィードバック、成長機会の提供、多様性を尊重する職場環境、そして意義を感じられる仕事を提供することで、Z世代の力を最大限に引き出すことができます。また、彼らが好むショート動画を活用したマーケティングや社内コミュニケーション戦略を導入することで、Z世代とのエンゲージメントを高め、組織全体の成長に繋げることができるでしょう。

Z世代にとって居心地の良い職場は、彼ら特有のものではなく、先輩世代にとっても理想の職場なのではないでしょうか。ジェンダー問題や、上司と部下の関係性に縛られ自由な表現ができなかった時代、目的も告げられずタスクがトップダウンで指示され、訳も分からず仕事を進めてきたといった、数々の理不尽から解放された環境と言えるでしょう。先輩世代が無意識に切り捨ててきたものを再認識することで、Z世代の社員をより深く理解できるはずです。変化の速いネット時代に企業が前進するためには、Z世代がデジタルネイティブであるメリットや、上の世代が捉えきれない感覚を活用することが、賢明な選択ではないでしょうか。

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※参考文献

Z世代とは?特徴や語源、意味などを分かりやすく解説 

Z世代の特徴や性格とは?仕事や働き方に対する価値観やその向き合い方を紹介

Z世代とは?新しい価値観をリードするZ世代16の特徴

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